DTMでアルバム制作 その4:曲のアレンジとボーカル録り

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DTMでアルバム制作の第4回記事です。今回は、曲のアレンジについて書いていこうと思っています。同じ曲をアルバムの冒頭と終盤にそれぞれ配置して、コンセプトアルバムのような雰囲気を出すため、アレンジを変えて録ってみました。ボーカルの録り方についても解説しています。

目指すはSGTもしくは四重人格?

史上初のコンセプト・アルバムといえばビートルズが1967年に発表した“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”です。同名のセルフタイトル曲を、1曲目にもってきて、終盤の12曲目にRepriseという形で、アレンジの違うバージョンを配置して、アルバムに統一感を出しています。

SGTは、ジョン、ポール、ジョージといったそれぞれの作曲者が指向するサウンドに多様性がありました。そこで、SGTという架空のバンドが演奏しているという設定で、アルバムにコンセプトをつけることをしたのです。

同じように、フーの1973年の”Quadrophenia“こと邦題『四重人格』には、”I Am The Sea“という1曲目に、12曲目と同じ海の波の音というSEを入れたり、最後の曲のフレーズを意図的に挿入しています。また3曲目の”Quadrophenia“は、アルバムタイトル曲として、各曲に繰り返されるパーツを含んだインストとなっています。

このように同じ曲やフレーズを効果的に配置することによって、アルバムのコンセプトを強調し、起承転結のストーリー性を持たせることができるのです。今回、アルバムを制作する2ヵ月前に書いた”South End“という曲が、壮大な曲だったので、この曲を基調にアルバムのコンセプトを作ることにしました。

インストバージョンの制作開始!

シンプルなSide A(インスト)

今回、アレンジする曲は、”South End“という水が気体から冷えるにつれて、固体である氷になることを例え、それを万物流転とからめた筆者が書いた英詞の曲です。曲調が現代的で東洋的なフレーズを含む、壮大なもので、過去に書いた曲の中でもベスト5に入る出来だと思っています。

冒頭に収録するのは、この曲のインストバージョンです。そのままボーカルだけ抜いても面白くないので、バッキングをエレキ主体に、ドラムの音色をGroove Agentを使って打ち込みに近いものにしてみました。

実は、この曲のインストバージョンは、一度録り直しています。というのも、極力シンプルなアレンジをこころがけたので、レスポールJr.とVOX AC15の録音パートのノイズが目立ったからです。また、ベースのパートが次に録ったボーカル入りのバージョンと比較して、出来が良くなかったので、ドラムを残して全部やり直しました。

録り直しのバージョンでは、比較的ノイズの出にくいハムのレスポールタイプのHeritage H-157を使いました。手間はかかりましたが、出来は良くなったので満足です。

HALionでキーボードパートの録音

今回使用したHALion Oneのオルガン

今回は、終盤にボーカルバージョンを収録するので、当然ながらアレンジはこの時点で大きく違います。ドラムパートをEZ Drummerにして音色を変え、あえて打ち込みのみにしてインストバージョンと共通のドラムに近いものにしました。

これは、音色の違いのみでほぼ同一のドラムを作ることによって、既視感を持たせるための仕込みです。次に、ベースをいつものブライアンのベースと、VOX StompLabⅠBでライン録音し、メインのバッキングパートを録音します。


ここでは、Cubase Studio5に付属しているHALion OneのChurch Organ(直訳すると教会のオルガン)がイメージしていたトーンに近かったため、メインのバッキングパートにすることにしました。

このパートはうまく録れたのですが、キーボードの場合、後からキーエディターを使って修正もできます。今回は極力自分で弾いた部分を中心に、気になるところだけ手直しました。

ボーカルの録音

筆者のAKG C3000B

ボーカルパートは、いつもとおり、コンデンサーマイクを使用します。僕が使っているのは、AKG C3000Bというコンデンサーマイクです。これに自作のポップスクリーンをかけ、吹かれによるノイズを減らして録音します。ART TUBE MPという真空管のマイクプリアンプと、オーディオインターフェイスSteinberg UR22を接続しています。

真空管のマイクプリアンプを使う主な理由は、音が格段に柔らかくなることです。このART TUBE MPは、今では1万円以下で売っているのでオススメです。コンデンサーマイクに必要な、ファンタム電源もここから供給しています。

左は練習用のSHURE BETA 58 右は楽器録り用のSM57

宅録でコンデンサーマイクを使う場合は、ノイズを色々なところから拾うので注意が必要です。ダイナミックマイクは、マイクの先端の向いている方向や近くの音しか拾いませんが、コンデンサーマイクは全方向から遠くの音までも拾うからです。

コンデンサーマイクはノイズの面では、注意が必要なのですが、繊細なところまで録れる感度の高さがあります。対照的に、感度は劣るものの、ファンタム電源が必要なく、湿度にも強く耐久性の高いダイナミックマイクは、ギターアンプなどの楽器録りやライブに適しています。

ブレスまで録ってしまう、感度の高いコンデンサーマイクの場合は、10~15cmくらい離れて録音します。また、リミッターやコンプによるインサーションエフェクトも忘れてはなりません。

全てのパートを録り終えたSouth End Side B

おすすめなのが、ボーカルの録音の場合、他の楽器のフェーダーを意図的に下げることです。こうすれば、自分のボーカルが聴こえやすくなるので、ノリがいいし、必要以上にがならなくなります。

ボーカルの場合は、体調や喉の調子が影響するので、2日で違うテイクを録って比較しています。ダブリングに使えたりもするので、2テイクは必ず残しています。また、あまり時間をかけすぎないように注意しています。

長時間ボーカルを録り続けていると、喉の調子が悪くなったり、ノリが悪くなるので、リハーサルをしっかりと行って、本番に臨んでいます。いいテイクが録れないときは、他の作業をするなど、別の日にボーカルを録るようにしています。

たまに近所のネコの鳴き声とか入ることもあるので、宅録ならダイナミックの方が向いているのですが、コンデンサーの良さを知ると、デメリットに目をつぶっても使いたくなってしまいます。どうしてもボーカル録りにダイナミックしか使えないなら、SHURE BETA58Aか、SM58をオススメします。

ロックの場合は、よっぽどのことがない限り、少々のノイズは他の楽器の音で消えたりするのですが、アコースティックな曲とか、静かなバラードなどでは、スタジオ借りて録った方が早い場合があります。結局はコストの関係で宅録を選んでしまっています(大汗)。

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サウンドハウス SHURE BETA58A

サウンドハウス SHURE SM57

サウンドハウス ART TUBE MP

 

 

 

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