SHURE BETA 58Aのスポンジ交換とボーカル用ダイナミックマイク考察

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曲の後半部分で、ギターのオブリとボーカルが被る曲の仮ボーカルトラックをSHURE BETA58Aで録っていたら、音が異常にこもっていることに気付きました。購入してから10年以上使っているボーカル練習用ダイナミックマイクですので、買い替えることも検討しましたが、結局修理することにしました。

内部スポンジの劣化が原因

左がBETA58Aで右がSM57

ダイナミックマイクは、SHUREのSM57とBETA58Aを愛用しています。SM57は、楽器録り用のマイクで、BETA58はボーカル練習用マイクとして使っていました。ボーカルの録音には、コンデンサーマイクを使用し、BETA58はもっぱら練習と仮録り用です。

ダイナミックマイクは、コンデンサーマイクと比較すると頑丈で、SHUREのSM58は定番のマイクです。BETA58は、SM58よりもハウリングしにくい構造と、高音域を拾いやすいマイクで、SM58よりもボーカル練習用として気に入っていました。

今回、アルバムを宅録で制作することになり、曲作りとリハーサルをやっているときから、BETA58の音が少しこもり気味に聴こえていたのですが、そのまま使っていました。ところが、仮ボーカルトラックの録音に使用してみて、あまりにも音が悪かったので、グリル(先端の丸い部分)をはずしてみました。

明らかに大きいスポンジ

すると、ダイアフラム(振動板)やコイルの外装パーツの上部スポンジが、劣化してぼろぼろになっていました。ダイナミックマイクは、ダイアフラムで音の振動を拾って、コイルで電気信号に変えているのです。

スポンジが劣化して、ぼろぼろになって固着していたので、ダイアフラムに空気の振動が伝わっていなかったのでしょう。おそらく、これが音のこもりの原因です。そこで、スポンジ部分の交換を自分でやってみることにしました。

一番てっとり早いのが、スポンジを売ってそうなサイトで同じものを購入することです。サウンドハウスには、BETA用のグリルやら、グリルのスポンジは売っていたのですが、内部のスポンジは売っていませんでした。

そこで、近所のホームセンターに代用になりそうなスポンジを買いにいきました。補修用スポンジだけの場所を探すのも大変なので、店員さんに場所を聞いて、売り場にいくと、298円もするスポンジを薦められました(汗)。

さすがに面積が大きいのと、値段が高いので違うものがないかと聞いてみましたが、他のものは防音仕様になっていたりしたので、素直にオススメのスポンジを買いました。このスポンジは、目が荒く音をちゃんと通しそうなので、店員さんの言うことが正しかったです。丁寧な応対に感謝します。

おそらく、BETAと構造の近いSM58もこのやり方で、内部スポンジの交換が出来るのではないでしょうか?ダイナミックマイクは、頑丈ですがスポンジは劣化するので、定期的に交換が必要なパーツです。とは言っても、筆者は10年以上交換してませんでした(大汗)。

修理は10分で終了!

スポンジは柔軟性があるので、アバウトに切っても溝に収まる

あまり時間をかけるのは好きではないので、帰ってさっそく修理してみました。まず、グリルをはずして、内部パーツの溝の中にある古いスポンジを掻き出します。これは、適当にピンセットやら、ドライバーなどを使いました。次に、スポンジを細長く切り、溝に合わせて巻いていきます。

完全に目視で切っていたため、スポンジが少し長くなっていたので、はさみで余分なところをカットします。これで、完全にBETA58の修理は完了です。グリルを戻してさっそく、ボーカルの仮録りをやり直してみました。

すると、効果はてきめんで、買った当時に戻ったかのようなクリアな音質に戻りました!たった298円と10分の作業で、1万数千円もするマイクが、修理できたのです。

もし、ダイナミックマイクで同じような症状に悩んでいるなら、内部スポンジの交換はオススメの修理です。作業時間も少なく、簡単にできるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

今回購入を検討したボーカル用ダイナミックマイク

出典 https://www.soundhouse.co.jp/ AKG D5

修理できなかった場合、ダイナミックマイクの購入も考えました。とはいえ、代表的なSM58は1万円、BETA58はそれ以上の価格です。そこで、他のメーカーのものも色々と調べてみました。

まずは、SM58に次ぐ定番ボーカル用ダイナミックマイクAUDIX OM3です。音抜けが良くて輪郭がはっきりしているという評判で、某ライブハウスのPAが好んで使っていたのを思い出しました。

ところが、価格がいつの間にやらBETA58と変わらないくらいになっていたので、候補からはずれました。

次に、SHUREの新型マイク、KSM8です。ダブルダイアフラム機構採用の新型ですが、とても高い!5万円はコンデンサー並みなので、止めました。

そして、本命はAKG D5です。ぶっちゃけサウンドハウスで6,000円以下はかなり安い!筆者もAKGのコンデンサーマイクC3000BとモニターヘッドフォンK171を愛用しているので、オーストリアのメーカーであるAKGの良さは知っているつもりです。

D5は、グリルの形状が角型で、マイクに口を付ける人に向いています。SM58よりも高域を拾い、且つハウリにくいとの評判のマイクで、次にBETA58が故障したときは、このマイクを買うかもしれません。

結局修理がうまくいったので、買い換える必要はなくなりました。これからは、ダイナミックマイクの音抜けが悪くなったら、ダイアフラム上部のスポンジを疑うことにします。

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