2023年春アニメレビュー後編!ワルキューレ〜山田くんまでの7作品を評価!

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前回から続く、2023年春アニメレビュー後編です。終末のワルキューレII、スキップとローファー、デッドマウント・ディスプレイ、天国大魔境、Dr.STONE NEW WORLD、僕の心のヤバイやつ、山田くんとLv999の恋をするの7作品をレビューします。

目次 この記事の内容

  • 終末のワルキューレII
  • スキップとローファー
  • デッドマウント・デスプレイ
  • 天国大魔境
  • Dr.STONE NEW WORLD
  • 僕の心のヤバイやつ
  • 山田くんとLv999の恋をする
  • 総じてレベルの高い作品が多い春アニメ

終末のワルキューレII

『終末のワルキューレII』は、原作を梅村真也、構成をフクイタミ、作画をアジチカがそれぞれ担当する漫画、『終末のワルキューレ』のアニメ第2期です。先に配信されたNetflixから遅れること2ヵ月半で、テレビでの放送が始まりました。

神VS人類の闘争、ラグナロクもついに4回戦となり、稀代の殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーと英雄ヘラクレスの戦いから始まり、最強の力士である雷電為右衛門VS破壊神シヴァという2カードが中心となっていました。

ぶっちゃけ第2期は10話までが前編、後編は11〜15話ということもありまだ終わっていないのですが、テレビ放送が一段落ついたので、この段階での評価ということになります。

筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。

正直、作画が今回はあまり良くないのと、話の展開自体がマンネリ化してきたような印象を受けました。熱い格闘ものという側面は健在で、そのおかげで最後まで完走できました。

制作は『マブラヴ オルタネイティヴ』のグラフィニカ、監督は大久保政雄、シリーズ構成は『魔女の旅々』筆安一幸(ふでやすかずゆき)です。作画がもう少し良かったら高評価だったのですが、残念ながら星は3で、可もなく不可もなしといったところです。

スキップとローファー

『スキップとローファー』は月刊アフタヌーンに連載中の高松美咲の同名漫画が原作のテレビアニメです。アニメーション制作は、なんとあのP.A.WORKSということで、かなり期待していたアニメ化でした。

その期待に違わず、作画、ストーリー展開ともに良く、ピッタリなイメージの須田景凪(すだけいな)のOP曲『メロウ』の効果もあり、さっぱりとした青春ものになっていました。

主人公の美津未は田舎から東京に来た少女で、関わった人にいい意味で影響を与えてくれる前向きで真っ直ぐな性格をしています。同じ高校のクラスメイトや、生徒会の先輩など色々なキャラクターの造形も印象的でした。

特に志摩君というキャラクターは、色々と複雑な事情を抱えていました。志摩君が高校生活を楽しむことに積極的になれない原因があり、美津未との交流を通じて変えていく最終話までの流れが最高でした。

監督とシリーズ構成は『夏目友人帳 陸』の出合小都美(であいことみ)で、元より演出に定評のある方が担当されています。そのおかげで、これだけ良質な作品となったのだと思うので星は4、佳作認定です。

デッドマウント・デスプレイ

『デッドマウント・デスプレイ』は、ヤングガンガンに連載中の成田良悟原作、藤本新太作画の同名漫画が原作のテレビアニメです。異世界から来た死霊使い(ネクロマンサー)が、四乃山ポルカという少年に憑依したことから始まる物語です。

よくある異世界ものと違い、異世界から現代日本へと舞台が移ったところがポイントで、2つの世界の関わりなどもポイントになってきていました。裏社会や警察組織といった、日本の暗部とも言えるところが、異世界から来た存在である主人公と複雑な関係を持つようになります。

ヒロインのミサキや、怪人ソリティアといった魅力的なキャラクターが織りなす物語は、終盤において異世界の帝国のマークと酷似したシンボルの話に繋がっていきます。『デュラララ!!』の原作者らしい、異なる事象をうまく繋げた展開だと思ったのですが、残念ながら1クール12話ではその全容を明らかにすることはできませんでした。

アニメーション制作は、『RErideD-刻越えのデリダ-』のGEEK TOYSで、監督とシリーズ構成は小野学(おのまなぶ)です。色々な陣容が様々な思惑で動いていく、群像劇をうまくアニメ化したので、星は3.5です。作画がもう少し良かったら佳作認定していたと思います。

天国大魔境   

『天国大魔境』は、石黒正数の月刊アフタヌーンに連載されている同名漫画が原作のテレビアニメです。放送が始まってから、注目していたのは、あのProduction I.Gがアニメ制作を担当しているというところです。

『攻殻機動隊』シリーズでお馴染みの素晴らしい作画は健在で、久しぶりにプロダクションIGのアニメを楽しむことができました。原作の内容が長いため、どこで終わらせるかという問題がありました。


今期は続編を匂わす終わり方のアニメが多かったのですが、正直言って一番うまく終わらせられなかったのは、天国大魔境ではないかと思いました。というのも、謎がある程度分かるわけでもなく、更に深まっていき、またヒロインのキルコが受けた大きな心の傷の問題も、やっつけ程度の解消にしかなっておらず、もやもやするラストでした。

監督は森大貴で、シリーズ構成は深見真(ふかみまこと)です。終盤にかけて、もう少しまとめられたら良かったのですが、星は3.5というところに落ち着きました。

Dr.STONE NEW WORLD

“Dr.STONE NEW WORLD”はこれで第3期目の長いシリーズの分割第一クールのアニメです。科学者として、千空の発明と戦いも、ようやく話の本筋に行き当たるところまできました。

正直、前の話を思い出しながら、今回の第3期を視聴していたのですが、新たな仲間と航海して旅をするというシンプルな構成から始まっていました。ただ、原始時代からテックレベルを上げて、科学船ペルセウスによって航海するという流れは熱いものがありました。

原作は、週刊少年ジャンプに連載していた”Dr.STONE”で、原作稲垣理一郎、作画Boichiの漫画です。アニメの方は、2期からタイトルに副題が付けられていて、今期はNEW WORLDでした。

アニメ制作は、ルパン三世シリーズで知られる老舗のトムス・エンタテインメントで、監督は演出家としてID-0に参加していた松下周平で、シリーズ構成はこれまでと同じく木戸雄一郎です。

第2クールがあるため、途中で終わっていますが、ここから期待できる内容であったため星は4佳作認定です。

僕の心のヤバイやつ

『僕の心のヤバイやつ』は、桜井のりおがマンガクロスに連載中の同名漫画を原作にしたテレビアニメです。他の漫画を読んだあることのある作者さんなので、アニメ化はとても嬉しかったです。アニメーション制作は老舗のシンエイ動画が担当するということでした。

桜井先生の絵はとても個性的で特徴があり、アニメ化する上で一番不安だったポイントだったのです。しかし、そんな心配は杞憂でした。アニメとしてうまく見せつつ、原作の雰囲気を大事にしている作画だと思いました。

キャラクターデザイン、総作画監督(瀬川健寿、茂木琢次と共同)は勝又聖人(かつまたまさと)です。監督は『からかい上手の高木さん』でお馴染みの赤城博昭(あかぎひろあき)で、シリーズ構成は『レベルE』の花田十輝(はなだじゅっき)です。

また、ヒロインの山田の魅力を十分に出すための光の演出は、今期トップクラスの作画でした。市川くんの決めるときは決めるカッコ良さと中二っぷりの落差故の魅力などもあり、星は4.5名作認定です。

余談ですが、ヨルシカによるOP曲『斜陽』も市川くん目線でとても良かったです。

山田くんとLv999の恋をする 

『山田くんとLv999の恋をする』は、コミックスマートに連載中のましろによる同名の原作漫画のテレビアニメです。ただのラブコメかと思いきや、色々な意味で新しかったので、視聴を継続していました。

ヒロインの茜と無愛想だけどいい人な山田くんとの接点はネットゲームでした。そのゲームでのイベントで知り合った2人が、不器用ながらも恋愛していくというところが、現代っぽくていいなと思いました。ただ、ゲームのオフ会などは、参加したことないのでどういう雰囲気かは分かりませんが・・・。

アニメーション制作はマッドハウスで、原作ものをうまくアニメ化するので定評のあるアニメスタジオです。監督は『ちはやふる』の浅香守生(あさかもりお)で、シリーズ構成は『かぐや様は告らせたい』の中西やすひろです。

終盤にかけて、山田くんがだんだん茜に惹かれていくところとか、周囲との関係との変化がありながらも、2人が最終的に付き合うことになるところに持ってきて、アニメの中での決着を付けているところはかなり評価できました!よって星は佳作認定の4で、とても楽しめられた作品でした。

総じてレベルの高い作品が多い春アニメ

今期はガンダム 水星の魔女を筆頭に、ヴィンランド・サガや鬼滅、僕ヤバなど名作認定が4作品、佳作認定が5作品とかなりのアベレージで評価の高いアニメが多かった印象があります。

視聴作品が15作品と、正直大変なシーズンでしたが、とても楽しめられました。SFや異世界もの、ラブコメに伝奇アクションなど、総じて色々なジャンルがあって多様性のあるクールでしたが、それらの一つ、一つが高水準だったと思います。1点だけ残念なのは、オリジナルアニメが少なかったことで、来期に期待します。

2023年春アニメレビュー後編!ワルキューレ〜山田くんまでの7作品を評価!」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 2023年春アニメレビュー前編:いせれべ〜地獄楽までの8作品を評価! | K.T Dogear+

  2. ピンバック: 2022年秋アニメレビュー後編:チェンソーマンからロマンティックキラーまで | K.T Dogear+

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