印象の残る作品が少ない2019冬アニメ:その2

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前回に続き、2019年の冬アニメのランキングです。3~4月に放送終了したアニメを対象としているので、冬アニメの2クール作品は含まれていません。前回では個人的に付けたランキングの1~3位まで公表し、今回は4~8位までの作品となります。

第4位 荒野のコトブキ飛行隊

出典 https://kotobuki-anime.com/ 画像は全て公式ページから

荒野のコトブキ飛行隊』は、架空の世界でレシプロ機(主に日本の第二次世界大戦時の戦闘機)が活躍する話です。

マカロニウェスタン風の世界で、なんで日本の隼一型飛んでるの?って思いましたが、「穴」と呼ばれる異次元回廊?によって、ユーハングと呼称される世界(1940年~50年代のこちら側の地球)の技術がもたらされたことになっています。

監督の水島努の趣味によって、レシプロ機の空戦がやりたい!ということだったので、そのコンセプトに沿う形で設定が決まっていったようです。隼(一式戦闘機)の操縦系統や、レシプロ機のエンジン音などにもこだわりが見られます。

コトブキ飛行隊は、オウニ商会の用心棒集団です。空賊と呼ばれる無法者から、商会の飛行船である羽衣丸を守るのが、メインの話になっています。プロペラが2枚なので、コトブキ飛行隊の使っている隼は一型です。ちなみにゼロ戦も21~52型が登場しており、陸軍系の戦闘機は、九七~五式まで全て登場しています。

最終話で、アメリカ初の量産型ジェット戦闘機F-86セイバーが出てきたのには、びっくりしましたが、アニメの演出としては面白かったです。空戦の描写などは、かなりしっかりしていて、演出上、アニメ的なデフォルメがあったりしていましたが、おおむねリアルに作られていました。

テレビアニメ版『エリア88』もこれくらいミリタリー考証して欲しかった・・・。エリア88で一番気になったのは、サイドワインダー(赤外線AAM)の色です。水島監督にエリア88を4クールでテレビアニメ化して欲しくなりました。

ぶっちゃけ、このアニメはレシプロ機による空戦を楽しむものです。制作は、実写映画などで3DCGを手がけていたGEMBAが初のメインのオリジナルアニメ制作を行っています。GEMBAは、テレビアニメ『ベルセルク』などで3DCGパートに協力していた制作会社です。

5位 風が強く吹いている

出典 http://kazetsuyo-anime.com/

4位の荒野のコトブキ飛行隊と悩んだ結果、5位になりましたが、『風が強く吹いている』は、とてもしっかりとしたテーマのある作品でした。Production I.Gによる安定感のある作画に、三浦しをんの同名の原作小説をアニメ向けに手直しした脚本も素晴らしかったです。

風が強く吹いているは、関西圏では、読売テレビのMANPA枠で、タツノコの『エガオノダイカ』とセットで放送されていました。CMがとにかく長く視聴するのが大変な枠です。昨年の秋から2クールにわたって放送された箱根駅伝を目指す大学の陸上部の話です。

普通の陸上ものと違って、記録や速さよりも強さという部分をクローズアップしています。陸上競技は、人としての強さや成長よりも記録が重視されます。10人しかいない寛政大学陸上部のメンバーは、陸上に素人の部員がいたり、個性的ですが選手という感じがしませんでした。

主人公のカケルやキャプテンのハイジといった陸上競技をやってきたメンバー以外は、普通に考えて、経験が足りずに足手まといになるはずでした。ところが、練習を一緒ににこなしていくうちに、カケルに足りなかった強さ(人格的な成長)を、他のメンバーが持っていたということを知っていくのです。

個人的には、あれだけ走られなかった引きこもりの王子が、箱根の予選会の公式記録をクリアしたところが、一番感動しました。ハイジが口にする強さは、スポーツだけでなく、色々なところに共通するものだと思います。

今期のアニメは、テーマが明確で、視聴した後に印象に残る作品が少なかったので、もっと上位にしようかと思っていました。最近のアニメに足りないものがはっきりと描かれている作品なので、地味だけど毎週楽しみにしていました。監督は、“ROBOTICS;NOTES”や『ジョーカー・ゲーム』の野村和也です。

6位 転生したらスライムだった件

転生したらスライムだった件』こと「転スラ」は、2018年の秋から2019年春の3クールかけて放送された、近年では珍しい深夜アニメです。昔は、昼や夕方に4クールのアニメがあったのですが、最近は1クール12話というのが増えていたので、3クールというのは、素晴らしいです。

なぜ6位なのかというと、筆者がドラクエタイプのファンタジーが苦手だからです(大汗)。ゲームでもFF(ファイナル・ファンタジー)派だったせいか、勇者という設定だけで合わないのです。

それでも、ゲームだと最弱のはずのスライムが、相手の能力をコピーできる「捕食者」を始めとする様々なスキルのため、最強クラスの魔物に進化していくという設定は斬新でした。

部下も強く、リムルが強すぎて戦闘に緊迫感がありません。なろう系の悪いところは、転生するとチートキャラになってしまうことだと思いました。

外伝含む、最終話まで視聴できたのは、主人公リムル・テンペストが、本来は大人で理性的に行動するところが多く、街を発展させていく過程が面白かったからだと思います。監督は菊池康仁、アニメーション制作は、『ナイツ&マジック』のエイトビットです。

第7位 エガオノダイカ

出典 http://egaonodaika.com/

タツノコプロ創立55周年記念作品ということで、かなり期待したのが、『エガオノダイカ』です。1話から戦術を駆使した熱い戦いといい、ロボットがかなり動く作画に胸を躍らせていたのですが、回を重ねるごとに粗ばかりが目立つようになっていきました。

地球から移住した星の人々の戦争とエネルギー問題が主軸の話です。ソレイユ王国の王女ユウキと、グランディーガ帝国のパイロットのステラという2人の主人公を主軸に話が展開していくのですが、はっきりいってカタルシスがありません。

というのも、ステラは平凡な実力のテウルギア(ロボット兵器のこと)乗りで、敵のエースクラスとの因縁もありませんし、ユウキにいたっては、指揮官なのに戦略を理解していないような態度が多かったからです。

ロボットものの盛り上がるポイントを理解していないのか、単純に12話で綺麗にまとめたかったのかは解りませんが、パイロットとしての実力も主人公としての魅力もあったユウキの幼馴染のヨシュアを2話で死なせたことが、総て誤算だったように思えます。


また、タツノコとは思えないような作画のミスも多く、ミリタリーテイストも感じられない平凡な作品で終わってしまいました。最終話のまとめ方も2クールあれば、もっと丁寧に出来たはずで、予算と尺の制約でこじんまりとしてしまったように思えました。

監督は『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』の鈴木利正、脚本は”PERSONA5 the Animation”の猪爪慎一という豪華布陣でどうしてこうなった・・・。同じタツノコ55周年記念作品でも”Infini-T Force“の方が3DCGで予算もかけられていたのに、エガオノダイカは予算不足の手抜き作画が多かったです。

8位 ドメスティックな彼女

出典 http://domekano-anime.com/

今期で一番オープニングが良かったアニメが『ドメスティックな彼女』です。シンガーソングライター美波の『カワキヲアメク』と、ピアノの弾き語りのアニメーションのコラボレーションは素晴らしくて本編も期待していました。

主人公のナツオと、義理の兄弟の関係となる2人の姉妹との恋を中心に描かれています。まだ両親の再婚がなくて、義理の兄妹との関係のなかった時期に、たまたま出会ったルイと一夜をともにするのです。

ルイは、姉のヒナが不倫していたことに対するあてつけとして、初体験を行きずりのナツオとしたのですが、同じ家でナツオと暮らすうちに、惹かれていきます。

ナツオは憧れていたヒナのことが諦めきれずに、ルイと共謀してヒナの不倫を止めさせます。そこで終わっていればいいのですが、今度はヒナと恋仲になってしまうのです。不倫もいけないけど、教師と生徒で、義理の姉と弟ってもっとアカンやろ!

恋愛は衝動的だとよく言われますが、登場人物(特にナツオ)に共感できなくて、さながら出来のいいオープニング目当てに見る『銀河旋風ブライガー』状態でした。ドメカノの原作は、流石景の週刊少年マガジンに連載中の同名マンガです。

マンガの方は未読で、よく過激な袋とじマンガとして取り上げられていて人気があるのですが、アニメはあまり楽しめませんでした。監督は井畑翔太、制作はディオメディアです

平均的で飛び抜けた作品の無かった今期アニメ

出典 http://www.iroduku.jp/ 色づく世界の明日からより

2018年の秋アニメは、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』や、『色づく世界の明日から』、“INGRESS THE ANIMATION”といった飛び抜けた印象のアニメが複数ありました。

今期は、”revisions リヴィジョンズ”くらいで、他は横並びで、突出して優れたアニメはありませんでした。2位の『約束のネバーランド』以降は、筆者の好みで選んだといっても過言ではありません。

また、明確なテーマを持つのが、『風が強く吹いている』だけでした。3DCGのオリジナル作品が2作、ジャンプ系マンガ原作が2作、ランキングに入り、期待していたエガオノダイカは7位となりました。

意外と面白かった『盾の勇者の成り上がり』は2クール続いているので、今回はランクインしていません。

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