印象の残る作品が少ない2019冬アニメ:その1

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2019年の冬アニメが終了しました。今回も個人的なランキングとして、春に最終回を放送した1~3クールの視聴したアニメのランキングを発表します。今期は、3DCGの2作品と、マンガ原作アニメ3作品を中心に視聴していました。

第1位 revisions リヴィジョンズ

出典 http://revisions.jp/anime/ 全て公式ページより

フジテレビの+Ultra枠での第2作目で、主に海外展開を視野に入れた上質のアニメを放送しています。前に紹介した”INGRESS THE ANIMATION“も3DCGを多用したアニメでした。本作”revisions リビジョンズ“も3DCGを使ってアニメを制作しています。

渋谷ごと300年先の未来に転送されるという驚きの展開で始まり、毎回主人公の堂島大介のどうしようもない性格に呆れながら視聴していました。2338年という未来では、リヴィジョンズとアーヴが争い、渋谷の人々はリヴィジョンズに誘拐されたり、殺されたりしていました。

唯一対抗できるのが、ストリング・パペットと呼ばれる人型の機動兵器と、アーヴのエージェント、ミロのみでした。ストリング・パペットには、パペット・マスターと呼ばれる高校生の5人の男女のみ操縦が可能で、3機のタイプの異なる機体に状況に応じてパイロットが乗り込みます。

近接戦闘用の青色のストリング・パペットに乗り込むのが、主人公である堂島大介なのですが、中二病全開のメシア思考のキャラクターで、毎回苛々させてくれます。『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公の碇シンジの対極のうざさがありました。

大介は、10歳のころに、誘拐され未来から過去にタイムスリップしたミロに助けられるという体験の後、ミロから「お前だけがみんなを守れる」という言葉を信じて7年間生きてきたせいか、とにかく協調性のないキャラクターでした。

ガイとルウの双子や、慶作やマリマリと大介を合わせての5人が、S.D.Sという自警団の中核となって渋谷を守っていきます。警察署長である黒岩や、婦警である泉海と共に、協力しながら渋谷を防衛していきます。

しかし、渋谷区長や市民との軋轢、リヴィジョンズが元は人間で、伝染病によって怪物のような姿になったことが解り、S.D.Sは一時バラバラになりかけます。それでも、リヴィジョンズの本拠地に向かって攻撃をしかけますが、黄色の中距離戦闘タイプのストリング・パペットに乗った慶作は時空の狭間に飛ばされます

元の時代に帰還出来ず、貴重な戦力であるストリング・パペット1機を失い、バッテリーが尽きようとしていた状況の中で、警察署長の黒岩が死に、絶望しかかります。しかし、大介は行方不明になった慶作や、黒岩の死によって今までの自分勝手な振る舞いを反省し、絶望的な状況でも打開の方法を探っていました。

渋谷の住民の協力によって、なんとかパペットの電力チャージを完了し、大介機は単機でリヴィジョンズ本拠に攻撃をしかけ、赤い遠距離タイプはガイとルウが交代で乗って渋谷を防衛する最後の作戦をしかけます。

ぶっちゃけ、最初は大介のことが嫌いでしたが、回が進むにつれて、憐憫に変わり、後半で黒岩が死んでまともになってからは、主人公としての熱い行動に共感していきました。リヴィジョンズという作品は、前半よりも後半の方がカタルシスがあるので、最初の1~9話よりも10~12話が断然オススメです。

特に1話目の誘拐事件の伏線もきっちり回収しつつ、3DCGによる作画も素晴らしかったので、今期の中では1位にしました。5人のパイロットに、3機の機体というのも斬新だったと思います。

制作は、3DCGに定評のある白組で、監督は『無限のリヴァイアス』、『プラネテス』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の谷口悟朗です。谷口監督は、2017年の春アニメ”ID-0“ではサンジゲンと組んで3DCGのSFアニメを制作していました。

その経験が、リヴィジョンズでも生かされ、3DCGのロボットものとして1クールでうまくまとめられた作品となっています。

第2位 約束のネバーランド

出典 https://neverland-anime.com/

『約束のネバーランド』は、白井カイウ原作、出水ぽすか作画による週刊少年ジャンプに連載中の同名マンガのアニメ化作品です。図らずも、フジテレビのノイタミナと+Ultraから、1,2位の選出となりました。

最初は、牧歌的な孤児院の話かと思いましたが、里親の元に引き取られたと思っていた子供が、実は鬼という、孤児院であるGFハウスを管理運営している存在に、食べられてしまっていたのです。

GFハウスの最年長で、ハイスコア(テストの最高点)を持つ、エマとノーマンは、鬼にハウスの子供が食べられたところを目撃します。そして、同じくハイスコアのレイに相談し、自分達が鬼に食べられるために養育されていることを知るのです。

鬼にとってのご馳走とは、脳が発達した子供であり、エマやノーマン、レイのような知能の発達した子供は、12歳になるまで出荷(鬼に食べられること)がされないということを知ります。ハイスコアの3人は、ハウスから脱走することを計画します。

このように、主に主人公であるエマを中心にハイスコアの3人が中核となって話は進みます。ぶっちゃけ、鬼よりもママと呼ばれる保母のマム・イザベラの方がアニメでは怖かったです。また、イザベラを補佐するシスター・クローネも、かなりぶっ壊れたキャラクターでした。


そして、特筆すべきは原作マンガの予想もつかない展開です。単純な脱出劇ではなく、知略と、人間の心理によって大きく話が動いていきます。当初は、ノーマンとレイが主人公でないことが疑問でしたが、エマが人の心を動かしていくので、熱血タイプの少女が、主役であることに納得しました。

ネタバレになりますが、ハウスからの脱走で一区切りしていて、1クールでしっかり終わっています。原作には、続きがあるようですが、アニメも第2期の制作が決まっているようなので、読まずに待ってみようと思います。アニメの作画のレベルも総じて高く、2期の視聴が楽しみです。

監督は、『すべてがFになる』の神戸守、制作は『ダーリン・イン・ザ・フランキス』、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のCloverWorksです。

第3位 かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

出典 https://kaguya.love/

ヤングジャンプに連載中の赤坂アカによる同名のマンガ原作のアニメ、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』を3位にしました。ヤングジャンプを毎週購読していた時期に読んでいた作品です。ジャンプ関連のマンガ原作は、2位と3位にランクインしたのには、理由があります。

1位のrevisionsと2位の約束のネバーランドは、展開が読めずに楽しめられる作品でした。ギャグものとしてのテンポや、原作の雰囲気を生かしているという点で前述のアニメと比肩しうる作品は、ラブコメとして面白さが突き抜けている本作しか思いつかなかったのです。

ぶっちゃけ、かぐやも白銀も素直になってとっとと告白しろよ!と思いますが、思春期というのは、こういうものですよね(笑)。高校の生徒会の会長である白銀と副会長のかぐやが、お互いを好き合っているのに、相手から告白させようと、あの手この手を駆使するという、めんどくさくも楽しいコメディです。

また、予測不可能な天然キャラ、藤原書記や、引きこもりのゲームおたく、石上会計など、秀知院学園の生徒会には、一筋縄ではいかないメンバーが揃っています。特に藤原書記は、かぐやの使用人の早坂から「対象F」というコードネームで恐れられるほどの、破壊王ぶりを発揮しています。

個人的にツボであったラーメン四天王と、藤原のやりとりの回や、最終回でのまとめ方などで、原作愛を感じるアニメ化だったと思います。監督は、畠山守で、シリーズ構成と脚本に『色づく世界の明日から』の中西やすひろ、アニメーション制作はA-1 Picturesです。

その2に続く

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