MotoGP 2019 オーストリアGP:手に汗を握る勝負の行方は?

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MotoGP 第11戦2019 オーストリアGPは、8月11日にシュピールベルクのレッドブルリンクで開催されました。高速サーキットであるレッドブルリンクは、ドゥカティの得意なコースの一つで、ディフェンディング・チャンピオンである、ホンダのマルク・マルケス選手が唯一勝てていないサーキットです。

目次 この記事の内容

  • 予選で圧巻のマルケスと長島初のポール・ポジション
  • 序盤でミスしたマルクとドヴィ
  • ドヴィとマルクのマッチレース!
  • カーボンフレームとタイヤのチョイス

予選で圧巻のマルケスと長島初のポール・ポジション

平均時速が180km/hと高く、コース全長4,318kmにコーナー数が10と、MotoGP屈指の高速サーキットがレッドブルリンクです。MotoGPの予選では、1分23秒台という1周あたりのタイムも短く、近年のGPではパワーのあるドゥカティ・デスモセディチ有利のサーキットと言われています。

とはいえ、ホンダもRC213Vのエンジンパワーの向上によるストレートスピードが上がっており、予選ではマルケスが2位のペトロナスヤマハのファビオ・クワッタハッホ選手よりも0.43秒以上速い1分23秒027でポール・ポジションを取りました。このタイム差は、予選では滅多に見られない程のものです。

これでマルケスのポール獲得数は、単独1位となる59回となりました。3位には、ドゥカティ・ワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手が入りました。LCRホンダの中上貴晶選手も6位と、最高グリッドを獲得しました。

Moto2の予選では、長島哲太選手が、ポール・ポジションを獲得しました!中上選手、富沢祥也選手に続く、Moto2でポール・ポジションを獲得した3人目のライダーとなりました。

序盤でミスしたマルクとドヴィ

出典 https://www.ducati.com/ ブルノでテスト中のドヴィツィオーゾ選手

Moto2では、2位走行中の長島選手が、3位を走行していたシャビ・ビエルへ選手にぶつけられて、リタイヤしてしまいました。ビエルへは、ブレーキングをミスして突っ込みすぎ、長島はしっかり減速していたためリアタイヤに後方から接触されたということです。

ビエルへは、レース中に長島のモーターホームにまで謝りに行っていました。長島も最後は、ビエルへの肩を叩いて励ましていたように見えました。レースアクシデントとはいえ、長島の調子が良かっただけに残念です。

MotoGPのスタートは、マルケスとドヴィ、クワッタハッホが飛び出しました。ドヴィは、3コーナーのブレーキングをミスし、並んで侵入していたマルケスもブレーキングミスして、少し遅れました。この間にクワッタハッホがトップになりました。

そして、LCRホンダのカル・クラッチロー選手が転倒しました。KTMのポル・エスパルガロ選手も同時にコースアウトしていたので、接触でもあったのだと思います。

レース6周目には、ドヴィとマルクがそれぞれ、ドゥカティ・プラマックレーシングのジャック・ミラー選手とトップのクワッタハッホをパスしました。これにより、ドヴィ、マルケス、クワッタハッホのトップ3という構図になりました。8周目には、もったいないことに、ミラーが転倒しました。

ドヴィとマルクのマッチレース!

出典 https://www.honda.co.jp/ オーストリアでのドヴィとマルクの激闘

レース中盤以降は、完全にクワッタハッホはトップ集団から脱落してしまいました。これにより、久々のドヴィとマルクのマッチレースとなりました。マルケスは、中盤以降にトップに浮上していて、ドヴィはマルケスの走りを後ろから見ているようでした。

逆に、マルケスがドヴィにオーバーテイクされた後は、ドヴィの弱点を探っているようでした。ハイレベルな争いは、終盤までもつれこむこととなったのです。レース残り3周というところで、7コーナーでマルケスがドヴィをオーバーテイクしました。

何度か仕掛けたドヴィでしたが、ラストラップの9コーナーでマルクがトップで抜くポイントはないように見えました。しかし、最終コーナーで、アウトに少しはらんだマルケスのインをドヴィは突きました。

2017年のオーストリアGPで最終ラップ最終コーナーにて、オーバーテイクを仕掛けたのはマルケスの方でした。この時は、立ち上がりでドヴィがマルケスをいなして、優勝しました。今度は逆に、ドヴィがオーバーテイクを仕掛け、立ち上がりでマルケスを制して優勝したのです。

3位に入ったのはクワッタハッホ、4位にヤマハ・ファクトリーのバレンティーノ・ロッシ選手、5位にヤマハのマーヴェリック・ビニャーレス選手、6位にはスズキのアレックス・リンス選手がそれぞれ入りました。


オーストリアが本拠地のKTM勢では、ミゲーロ・オリヴェイラ選手が8位に入り、Moto2では誕生日だったブラッド・ビンダー選手が優勝しました。2020年シーズンには、Moto2からの撤退が発表されています。

中上は11位で、2018年にここで優勝しているレッドブルホンダのホルヘ・ロレンソ選手は怪我で欠場し、その代役のステファン・ブラドル選手が13位に入っています。ヤマハは、3〜5位に入り、ホンダは2位のマルケス以外は、11位が最高位とマルケス以外のライダーの結果が出ていません。

カーボンフレームとタイヤのチョイス

出典 https://www.honda.co.jp/ レース後に称え合う両雄

今回のレースで、マルケスはついに部分的にカーボンで補強したフレームを使ったRC213Vで決勝を戦っています。また、フロント、リア共にミディアムタイヤをチョイスしています。

今シーズンのRC213Vは、ストレートスピードが向上した代償として、ブレーキング時の挙動に問題があり、フレームの剛性を高めるために、カーボンで補強したフレームを投入してきたのです。

昨シーズンのRC213Vでは、フロントタイヤにハードコンパウンドのタイヤを履くことが多かったのですが、2019年モデルでは、フロントに柔らかめのタイヤをチョイスできるように色々と改良しているようです。今回のレースでは、リアにソフトタイヤをチョイスするべきでした。

これは、ドヴィも語っていることですが、リアの右側のグリップがソフトタイヤをチョイスしたデスモセディチの方があったようです。最終コーナーのドッグファイトで、最終的にドヴィが勝てたのは、このグリップの差だったのかもしれません。

そういえば、デスモセディチのリアブレーキにもカバーがかけられていました。スプーン(リアタイヤを冷却する機能をもつパーツ)を今期では、一番早く導入したのもドゥカティで、新しいパーツをどんどん取り入れています。

オーストリアGPの前に、ブルノでテストされていたヤマハのYZR-M1の2020年モデルといい、ファクトリーマシンはどんどん進化していきます。中上選手が来期の契約に際して、ファクトリーマシンを要求するのもこういった事情があるからです。

いくらパーツが優れていても、ライダーが乗りこなせなければ話になりません。そいった意味では、最終コーナーで仕掛けたドヴィは見事でした。これでランキングトップのマルケスとの差は、5ポイント縮まり58ポイント差となりました。

最初にマルケスを止めたのは、ランキング2位のドヴィでした。しかし、今回のレースでもマルケスの強さは際立っていて、まだまだポイントでは圧倒的です。次のレースは、8月25日のイギリスGPです。

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