MotoGP 2018 第11戦オーストリアGPは、8月12日にオーストリアのレッドブル・リンクで行われました。以前はザルツブルグリンクでしたが、最近はレッドブル・リンクで開催されています。
予選でのヤマハの不調
最初に驚いのたのが、予選でのヤマハの不調です。レッドブル・リンクは、ヤマハにとって相性の良くないサーキットです。おまけにレースウィークに入ってから天候が安定せず、FP1と予選以外は雨のセッションが続きました。
年間ランキング2位の生ける伝説バレンティーノ・ロッシ選手が、Q2進出できずに予選14番手スタートという結果については、信じられませんでした。同じヤマハワークスのマーヴェリック・ビニャーレス選手が11位、ヤマハ最高位は1分23秒台で6位に入ったサテライトのヨハン・ザルコ選手です。
この件に関してヤマハのツヤプロジェクトリーダーが、公開謝罪するという出来事がありました。YZR-M1が、共通ECUに関して苦戦していることが、よく解るエピソードです。ロッシもビニャーレスもサーキットによって極端に成績が変わる現状をどうにかしたいと思っているのでしょう。
予選トップは、レプソル・ホンダのマルク・マルケスで、2位にドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ、3位にドゥカティのホルへ・ロレンソでした。ホンダの中上貴晶は、予選21位とあまり良くないグリッドからのスタートとなりました。
先手を打ったのはマルケス!
ホンダのマルク・マルケス選手のライディング
Moto3で佐々木歩夢選手が7位に入賞しました。MotoGPは、ポールポジションのドヴィツィオーゾがホールショットを決め、マルケス、ロレンソと続きました。序盤の早い時期にマルケスがトップに上がり、そのまま逃げ切るかと思われました。
マルクは、フロントミディアム、リアハードという硬めのコンパウンドのタイヤを選び、ロレンソは両方ともソフトで、中間にミディアムのドヴィというバラバラなタイヤ選択となっていました。
普通に考えればソフト側のコンパウンドを選んでいるドゥカティ勢の方が序盤有利で、後半苦しくなるはずでした。しかし、今回のオーストリアGPでは逆の事象が起きたのです。
マルクは、序盤から後ろを引き離すためにプッシュして、一時は1秒近く差ができたのです。しかし、ドゥカティ2台に徐々に差を詰められる苦しい展開となっていきました。
ドッグファイトの末にロレンソ勝利!
向かって右側がドゥカティのゼネラルマネージャーのジジ・ダッリーニャ
レース終盤、徐々にドヴィが遅れだし、レースはマルクとロレンソの一騎討ちとなりました。デスモセディチに対してパワーで劣るRC213Vは、ブレーキングで勝負するしかないようです。ロレンソ、マルケスという順位が目まぐるしく入れ替わる中、マルケスは3コーナーで仕掛けることが多く、最終ラップでも同じようにインをつきました!
しかし、立ち上がり重視のラインで先にコーナーを抜けたのはロレンソ、ここで決着がついてそのままチェッカーを受けました。ドッグファイトでも強いぞロレンソ!先行逃げ切りのイメージがありましたが、タイヤを温存しての逆転勝利は見事としかいいようがありません。
1位ロレンソ、2位マルケス、3位ドヴィ、4位にLCRホンダのカル・クラッチロー、5位にドゥカティサテライトのダニーロ・ペトルッチ、6位になんと!不調だったロッシ、7位にレプソルホンダのダニ・ペドロサという最終結果です。
中上選手は15位で久々のポイント圏内となりました!上位は、ドゥカティとホンダが占め、ヤマハの最高位はロッシの6位、ザルコが9位、ビニャーレスは12位とふるいませんでした。
今シーズン、ヤマハとスズキの巻き返しはあるのでしょうか?直列(並列)4気筒のエンジンレイアウトのバイクが、V4マシンより勝てていないのには、何か原因があるのかもしれません。
これでマルクが圧巻の201ポイントでチャンピオンシップトップを独走しています。2位のロッシは142ポイントで59ポイントも差がついてしまいました。3位にドヴィを抜いてロレンソが130ポイントで続き、4位のドヴィは129ポイントです。次は、テストをはさんで8月26日にイギリスGPです。
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