今回は、思い出深いホンダ VTR250の過去のレビュー記事の掲載と、VTRの特徴について書いてみます。VTRは2012年に愛車となり、筆者がNC750Sを購入する2015年まで、3年間乗ったバイクです。
Yahooブログの終了で過去記事の移行開始!
筆者の乗っていた2011年モデルのホンダ VTR
今まで、Yahoo!ブログに残していた過去の記事ですが、2019年の12月にYahooブログの閉鎖が決定し、前のブログのK.T Dogearの記事をある程度、K.T Dogear+に徐々に移行することにしました。ただ、そのまま過去記事を掲載するのは面白くないので、加筆修正することにしました。
ぶっちゃけ、Yahooブログの方は記事数が少なく、過去記事の転載は今のK.T Dogear+に必要な分だけにしようと思っています。
V-TWINの傑作!ホンダ VTR250
初期型VTR(MC33型)
ホンダ VTR250の正式名称は、VTRです。他にVTR1000F/SPというリッターバイクもあるので、筆者はVTR250と呼称しています。ホンダは、1980年代からVT250Fというバイクを生産しており、VT250Zや、VTZ250、スパーダ、ゼルビスといった数々のV型2気筒250ccバイクをリリースしてきました。
VTR250は、1998年1月に販売され、2017年8月に生産終了するまで、19年間生産されました。1982年のVT250Fの販売から35年間、VTに搭載された水冷4ストロークV型2気筒エンジンのマシンは生産され続けたことになります(一時的な中断を除く)。
ヤマハのRZ250に対抗するために作られたスポーツ向けのVTシリーズでしたが、軽量で燃費が良く扱いやすいということで、市街地走行やツーリングに適したバイクとして隠れた人気があったのです。1991年に販売されたゼルビスは、ツーリング向けのハーフカウルを装備し、中低速トルク重視の出力特性を持つツアラーでした。
しかし、V-TWINの持つ軽快なイメージで登場した、後継マシンがVTRでした。1998年に販売開始されたVTRは、特徴的なトラスフレームと、乾燥重量139kg装備重量153kgというVTシリーズの最軽量のマシンでした。
ぶっちゃけ、売れたのはCBR250RRの直列4気筒を搭載した同じホンダのネイキッドバイク、ホーネットの方でしたが、VTRは主にツーリングや街乗り、バイク便といった用途に適していて支持するライダーも多かったのです。
筆者が投稿した過去のバイクのレビュー動画です。
低速トルクは、4気筒エンジンよりもVツインの方が扱いやすいという特徴があります。軽快な運動性と、燃費の良さではVTRの方が分があり、バイアスタイヤ装備という、ランニングコストの安さも魅力でした。
ホーネットが、排ガス規制のために2007年に生産終了して、VTRも一時的に生産終了となりました。しかし、2009年にBA-MC33型(俗にいう2型、1型はMC33)からJBK-33型となってフルモデルチェンジしてVTRは販売されることとなりました。
ホーネットは、そのまま排ガス規制のため、生産終了となってしまいましたが、VTRは地味に新型となって販売され続けたのです。人気はホーネットの方がありましたが、250ccの直列4気筒の高回転型のエンジンは、排ガス規制をクリアすることは困難だったからです。
VTRのリアビュー
新しいVTRの最大の特徴は、燃料供給がキャブレターからインジェクションに変わったことです。車重は、161kgと重くなりました。これは、マフラーの触媒の大型化や、PGM-FIユニットなどによるものです。また、最大出力も32PSから30PS、最大トルクも2.4kgf・mから2.2kgf・mにダウンしました。
ただ、インジェクションによる始動性の向上や、リアシート下の収納スペースの向上や、ヘルメットロックが外側に標準搭載されるなど、使い勝手と高級感は上がりました。筆者(tkd69)が乗っていたのは、このインジェクションの2011年モデルでした。
その後、2013年には、ハーフカウルを装備したVTR-Fも追加されました。この頃には、水冷単気筒の250ccマシン、タイ生産のCBR250Rがラインナップされていましたが、国産VツインのVTRも併売されていたのです。
ちなみに現在のホンダの250ccのラインナップの中心は、CBRに搭載されていた水冷単気筒エンジンとなっています。僕の現在の愛車のCRF250Lは、CBR250R(MC41型)と同型のエンジンです。
VTRは、2017年から国内販売開始された直列2気筒のCBR250RR(MC51型)と入れ替わるように生産終了しました。現在のホンダのラインナップで後継といえるのは、シングルスポーツのCB250Rです。
VTR250レビュー
大台ケ原にて
購入したのは2012年8月、近所のホンダドリームでした。2015年にNC750Sに乗り換えるまでの3年間で、14,000km走りましたがトラブルはなかったです。前車のバンディット250と比較するとあらゆる面でバランスが良く、乗りやすいバイクでした。
燃費は最低でリッター20km、最高30kmオーバー、平均25-6kmといったところです。
バンディットのキャブの調子が悪かったのか、リッター12-3kmだったころからするとかなり燃費が良かったです。
秀逸なのが、V-twinエンジンの低速での粘りです。さすがに発進にはアクセルを開けますが、低速コーナーで粘るのでバンディットだと1速の交差点でもVTRなら2速です。軽く1万回転回以上回るので、エンジンの吹けあがりも良好です。
このエンジン、ツインらしくアイドリング付近でドコドコという鼓動感を演出しているのですが、高回転では逆に振動がなくなります。おそらくホンダはV-twinらしさを演出しているのだと思います。回転のスムーズなエンジンなので中間加速はバンディットよりも速かったです。
欠点は高速での安定性のなさです。Vツインは重心が高いのか慣れない頃は怖かった・・・。ホンダ車はサスがこなれるまで時間がかかるので最初の頃は路面でよく突き上げをくらいました。4-5000kmくらいからギャップによる突き上げはなくなりました。
リアシートの下にあるフックのおかげで積載しやすい
直進安定性は四気筒のバンディットの方が良かったです。これはOEMのタイヤのグリップ感の無さでもあるので一概には言えませんが・・・。というのもピレリのスポーツデーモンに交換してから直進安定性も増したように感じたので単純にタイヤのグリップ能力の差かもしれません。
バンディットにはツーリング用のラジアルタイヤダンロップGPR200を履かせていたので、バイアスのツーリングタイヤでは比較にならないからです。
コーナーは高い重心と軽い車体のせいか軽快に走ります。上りはともかく下りではかなり速いバイクではないでしょうか。特にスポーツデーモンにしてからはグリップ力が上がり峠が走りやすくなりました。一度サーキット走行してみたかったです。
ツーリングユースに重要な荷かけフックも使いやすくキャンプツーリングにも向いています。欠点は12Lと少なめのタンク容量です。とはいえ、燃費がいいので航続距離は300kmを超えるので問題ありませんが。取り回しは軽いし、足つきはいいので女性にもおススメです。
カウルが必要ないなら250ccクラスの中でも1,2を争うほどバランスのいいバイクだと思います。高速を頻繁に使うなら、ハーフカウル装備のVTR-Fという選択肢もあります(現在では生産終了)。
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