前回に引き続き、2025年の秋アニメレビュー中編です。中編では『無限ガチャ』〜『嘆きの亡霊は引退したい 第2クール』までの7作品を星1〜5までの5段階評価でレビューします。
目次 この記事の内容
- 無限ガチャ
- SPY×FAMILY Season 3
- 素材採集家の異世界旅行記
- ちゃんと吸えない吸血鬼ちゃん
- 永久のユウグレ
- とんでもスキルで異世界放浪メシ2
- 嘆きの亡霊は引退したい 第2クール
無限ガチャ

『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します! 』は、明鏡シスイによるラノベを原作にしたテレビアニメです。
タイトルが長すぎるため、略称の無限ガチャと表記しました(汗)。ストーリーは異世界が舞台で、冒険者をしていた主人公のカイトが、仲間に裏切られ、危険なダンジョン「奈落」の深部にて殺されそうになります。
カイトはすんでのところで、転送され、最深部に落ちます。しかし、持っていたスキル、ガチャでレアカードのレベル9999のメイド、メイを引き当て窮地を脱します。
カイトはレアカードが出やすい魔素の濃い奈落の深部にて、ガチャと鍛錬を続け、3年後に復讐のための行動を開始します。
他の種族は、人間を蔑んでいました。カイトを裏切ったパーティーメンバーはそれぞれ獣人やエルフなど9種族がいました。カイトは獣人のガルーを奈落に誘き寄せ、復讐を果たします。
アニメ12話にて、エルフ族のサーシャに復讐した後、人間を差別させないようにエルフの国を諭すなど、徐々に目的が変わってきているところが良かったです。
アニメーション制作は、『魔王2099』、『ワンパンマン』のJ.C.STAFFで、監督は『ふらいんぐうぃっち』の桜美かつし(さくらびかつし)で、シリーズ構成は『エリア88』の大野木ひろし(おおのぎひろし)です。
星は3.5で、作画もそこそこ安定しており、いわゆるザマァ系が好きな人にはオススメです。
SPY×FAMILY Season 3

“SPY×FAMILY Season 3”は、少年ジャンプ+に連載中の遠藤達哉による漫画“SPY×FAMILY”を元にしたテレビアニメです。スパイの夫、殺し屋の妻、エスパーの娘の家族を描いたアクションコメディ作品です。
今回で劇場版含めてシーズン3となる、長寿アニメとなりました。オペレーション・ストリクスのため、ステラを目指すアーニャでしたが、逆にトニトを貰う羽目になりました。
ヨルは偶然にも、ダミアンの母、メリンダと知り合いになります。オペレーション・ストリクスのために重要な縁を得たフォージャー一家ですが、アーニャやイーデン校の生徒が課外授業中にバスジャックを受けてしまいます
危機的状況に、ロイドは任務のため不在、バスの行方が分からないヨルはアーニャを助けるために追いかけます。果たしてアーニャは無事に家に帰ることができるのか?
アニメーション制作はWIT STUDIO×CloverWorksという豪華な布陣です。監督は今井友紀子でシリーズ構成は『薫る花は凛と咲く』の山崎莉乃です。
作画もストーリーもテンポよく、星は佳作の4です。ここまでシリーズを続けられるのは凄いことなので、今後も期待しています。
素材採取家の異世界旅行記

『素材採取家の異世界旅行記』は、投稿サイト、アルファポリスに連載中の木乃子増緒(きのこますお)の同名小説を元にしたテレビアニメです。
主人公、タケルは現代日本から異世界に転生します。その際、高次の存在からさまざまな能力を付与されます。タケルは、ドラゴンから子供であるビーを託されます。
素材鑑定士として依頼をこなすうちに、行き倒れのエルフ、ブロライトや、冒険者のクレイストンと出会います。また、ホーヴァルプニルという神も同行することになります。
何のかんのとタケルと仲間の冒険譚といった感じのファンタジーものです。異世界転生ものというべきで、世界観もファンタジーっぽい感じです。
アニメーション制作は、老舗のタツノコプロとSynergy SPです。監督は『休日のわるものさん』の小高義規(こだかよしのり)、シリーズ構成は市川十億衛門(いちかわぎがえもん)です。
星は3になります。作画はそこそこですが、ほのぼのした雰囲気のある作品でした。
ちゃんと吸えない吸血鬼ちゃん

『ちゃんと吸えない吸血鬼ちゃん』は、二式恭介による同名漫画を原作にしたテレビアニメです。吸血鬼の転校生、石川さんはクールな吸血鬼でクラスの人気者。隣の大鳥くんは、石川さんが吸血を苦手と知り、その練習台になることにします。
様々な妖怪や、土地神が存在する世界で、吸血鬼がいてもおかしくないのですが、吸血行為が下手で、お腹が空くと三頭身キャラに変貌してしまう石川さんが可愛らしいです。
また、佐久間さんや楠木さんという、優しい友人も出来た石川さんが微笑ましいので、ほのぼのコメディというべきアニメです。
アニメーション制作は『ヒナまつり』のfeel.で、監督は『異世界美少女受肉おじさんと』、『ダンジョンの中のひと』の山井紗也香で、シリーズ構成は綾奈ゆにこです。星は3.5で、作画もそこそこ良くて、ラブコメとしても楽しめられました。
永久のユウグレ

『永久のユウグレ』は、”Another”、『色づく世界の明日から』などで知られるP.A WORKSの制作したオリジナルアニメです。監督、シリーズ構成を『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』の津田尚克(つだなおかつ)が兼任しました。
0話含めてSF作品というべき、未来の日本が舞台なのですが、アキラとユウグレの恋愛を主軸にしている印象でした。アキラは長い眠りを続けていましたが、彼が記憶していた2023年から200年後の世界で目覚めます。
日本はその姿を大きく変えていて、OWELという組織が支配していて、文明は後退していました。アキラが窮地になった時に現れたユウグレは、高性能なアンドロイドで、OWELの部隊を圧倒的な力で壊滅させます。
2人は東京を目指すことにしますが、その途中で会った少女、アモルと共に旅を続けていくのです。
P.A WORKSのオリジナルということで、かなり期待していました。作画も良く、SFらしくアクションシーンなどもあり、楽しめられたのですが、SF考証がかなり大雑把に感じる部分がありました。
どちらかと言うと、アキラとユウグレ、アモルを混ぜた恋愛ものというべきなのですが、その決着については、エルシーという制度の影響があったような感じがしてしまいました。
星は佳作の4ですが、総じて質の高い、最終回もうまくまとまっていたと思います。ただ、SFという観点からは少し消化不良な気がしたので、この評価となりました。
とんでもスキルで異世界放浪メシ2

『とんでもスキルで異世界放浪メシ2』は、江口連原作の小説『とんでもスキルで異世界放浪メシ』を元にしたテレビアニメです。第1期は2023年の冬アニメで放送しました。
普通のサラリーマンだったムコーダは異世界に召喚されますが、戦闘向きではない、という王国の判断により、商人ギルド所属の冒険者として旅をすることになります。
その過程で、フェンリルを始め、スライムのスイ、新たにピクシードラゴンまで従魔として付き添うことになります。ムコーダの固有スキルはネットスーパーで、日本のスーパーの商品を異世界で購入できます。
新たに加わった従魔と共に、ダンジョンを踏破したり、海で魔物を討伐したりします。冒険者ギルドでのランクが上がったことと、ネットスーパーがレベルアップのため進化したので、メニューも増えていきました。
ムコーダの作る料理こそ、このアニメの肝であり、かなりおいしそうです。食材からしてこだわりのある描写がされています。異世界の神へのお供えもグレードアップし、新たな神々との加護の契約を受けることになります。
アニメーション制作は『忘却バッテリー』、”LAZARUS”のMAPPAです。監督は松田清で、シリーズ構成は『瑠璃の宝石』の横手美智子です。星は佳作の4です。一貫して食をメインにするところが良かったです。
嘆きの亡霊は引退したい 第2クール

『嘆きの亡霊は引退したい 第2クール』は、槻影によるラノベ『嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターによる最強パーティ育成術〜』を元にしたテレビアニメです。
トレジャーハンターが活躍する異世界で、嘆きの亡霊(ストレンジ・グリーフ)という異彩を放つパーティーがあり、そのリーダーにしてクランマスターのクライ・アンドリヒが主人公です。
このクライ、実力はたいしたことないのですが、悪運が強く、代わりに人に恵まれています。勝手に周囲が勘違いして、千変万変という異名までありますが、本人は深く考えているわけではないのが面白いところです。
今回はバカンス先でのトラブルや、国王からの護衛任務などがメインの話になります。相変わらずの運の悪さで、とんでもない事態が次々と起こるのですが、最後は綺麗に解決します。
可哀想なのが巻き込まれたエルフの少女クリュスとか、強壮な冒険者のアーノルドです。今回の後半のヒロインはクリュスでした。
アニメーション制作は、『怪異と乙女と神隠し』のゼロジーで、監督はたかたまさひろ、シリーズ構成は白根秀樹(しらねひでき)です。星は4の佳作認定です。
クライの飄々としたキャラクターは憎めず、なぜか周りが勘違いするところも含めてコメディタッチで面白いアニメでした。
後編へ続く





