2025年夏アニメレビュー中編:青ブタ〜光が死んだ夏までの8作品をレビュー!

前回に引き続き、2025年夏アニメレビュー中編です。中編では、『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』〜『光が死んだ夏』までの8作品をレビューします。評価は星1〜5の5段階で、視聴を続けた作品は3以上となります。

目次 この記事の内容

  • 青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない
  • その着せ替え人形は恋をする Season 2
  • ダンダダン 第2期
  • 追放者食堂へようこそ!
  • 強くてニューサーガ
  • 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第2期
  • Dr.STONE SCIENCE FUTURE 第2シーズン
  • 光が死んだ夏

青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない

『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』は、鴨志田一(かもしだはじめ)による青春ブタ野郎シリーズを原作にしたテレビアニメです。2018年に1クール13話で、青ブタシリーズの第1期が放送され、その後、劇場3部作を経て、2025年の夏に第2期が放送されました。

思春期症候群による数々の事件を経て、麻衣と咲太は同じ大学に通うようになります。しかし、思春期症候群は周囲の人々にまで影響を及ぼしていました。咲太は、同じ大学に通う卯月や、赤城などを放っておけなくなり奔走します。

筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。

また、咲太の予備校の生徒にまで「夢見る」という現象が噂になり、一連の事件には霧島透子と呼ばれる、サンタクロースの扮装をした女性がいることが分かってきます。そんな中、麻衣が霧島透子では無いかと噂が出てきます。

第1期では、ほとんど出番が無かった咲太の母とのエピソードや、赤城の中学時代の心残りなど、今回も泣けるエピソードがありました。ほのぼのした雰囲気なのですが、各キャラクターの思春期症候群に至る経緯など、辛い記憶や問題への解消に救いがあるところが青ブタの凄いところだと思います。

アニメーション制作は、『ぼっち・ざ・ろっく!』、『その着せ替え人形は恋をする』のCloverWorksで、監督は第1期と同じく増井壮一で、シリーズ構成は横谷昌宏です。

星は名作認定の星4.5です。安定した作画、優れた演出、シナリオの出来、どれをとっても素晴らしいアニメでした。

その着せ替え人形は恋をする Season 2

その着せ替え人形は恋をする Season 2』は、福田晋一の漫画、『その着せ替え人形は恋をする』を元にしたテレビアニメです。Season 1は、2022年1〜3月にかけて放送されました。

五条と海夢は、様々なイベントでコスプレを通じて仲良くなっていきます。また姫野あまねという女装レイヤーや、造形師のアキラなどとも知り合うようになり交友関係も広がっていきます。

作中に登場するメチャクチャ怖いホラーゲームのオチが秀逸で、五条君同様にショックを受けてしまいました(大汗)。そのゲームを元にした『棺』合わせを経て、五条と海夢の距離は縮まっていきます。

アニメーション制作は青ブタシリーズのCloverWorksで、監督はSeason1同様に篠原啓輔で、シリーズ構成は『逃げ上手の若君』の冨田頼子です。星は4.5、名作認定です。好きなことに取り組む海夢と、それを支える五条とのやり取りを瑞々しく描いた傑作だと思います。

個人的に気に入りのエピソードは、文化祭でのクラスの皆んなの五条への気遣いです。衣装作りで忙しい五条のことをちゃんと見てて、フォローするところがとても良かったです。

ダンダダン 第2 

『ダンダダン 第2期』は、龍幸伸(りゅうこうのぶ)によるジャンプ+に連載中の漫画『ダンダダン』を元にしたテレビアニメです。第1期が2024年の秋に放送され、2期は2025年の夏に1クールで放送されました。

前回までで、ジジの実家に呪いの調査に向かったモモとオカルン。 2人は地元の鬼頭家により、ジジの家族が生贄として、巨大ミミズに捧げられかけていたことを知ります。そして、地底にて巨大ワームと遭遇、かつて生贄にされた子供達の集合体の怪異、邪視に取り憑かれたジジとも戦うことになります。

ミミズのUMAを倒し、邪視を封印した一行ですが、日常生活においてジジに支障が出ないように、オカルンはターボババアの力を生かす修行をし、邪視を抑えることに成功します。そして、団地に夜な夜な現れる怪異には、例の金の玉が関係していました。

終盤は巨大ロボまで登場し、怪獣の中の人が出てきて終わり、という感じなのでカオスな状態で第3期に繋がります。このあたりは1期のラストに通じる終わり方だったと思います。

アニメーション制作は、『平家物語』のサイエンスSARUで、監督は1期から変更があり、Abel Gongoraで、シリーズ構成は『ヴィンランド・サガ』の瀬古浩司(せこひろし)です。星は4.5名作認定になります。

幽霊やUMA、宇宙人にUFOといったオカルト要素と、オカルンとモモの恋愛など、これでもか!と色々な要素をごちゃ混ぜにしたジェットコースターアニメで素晴らしい出来でした!サイエンスSARUらしいケレン味のある演出も、この作品に合っているので第3期も楽しみです。

追放者食堂へようこそ! 

『追放者食堂へようこそ!』は、君川優樹によるなろう小説を原作にしたテレビアニメです。異世界もの、という感じなのですが、元最強パーティーの料理人が店を経営し、一癖ある常連客との交流を描いた作品です。

主人公の料理人、デニスが作る料理はチャーハンを筆頭にどれも美味しそうです。ただ、料理アニメか?ということではなく、食堂に通う客の悩みなどを、戦闘能力も高いデニスが解決していく、という話になります。


どう見ても西洋的、ファンタジー世界なのですが、メニューにカツ丼や、チャーハンなどの米料理があるのは謎ですね。アニメーション制作はOLM Team Yoshiokaで、監督は志村錠児(しむらじょうじ)です。シリーズ構成は、『鬼人幻燈抄』の赤尾でこです。

星は3になります。作画はそこそこ、話はテンプレの異世界ものから少し変わっているかな?という感じで平均的な作品でした。

強くてニューサーガ

『強くてニューサーガ』は、阿部正行のなろう小説を原作にしたテレビアニメです。魔王軍との戦闘により赤い宝石に触れ、4年前の世界に戻った主人公カイルは魔王を倒すまでの犠牲を抑えるべく、英雄として行動することを決意します。

なろうもので見かける、過去に戻って歴史を改変してく、という筋立てのファンタジーものです。視聴を続け、最終回まで見ましたが、俺たちの戦いはこれからだエンドでした。

作画は、あまり誉められたものではなく、アクションもののはずなのに止め絵が多かった印象です。よって星は3、平均的な作品だと思いました。

アニメーション制作は、創通とスタジオクラッチです。監督は水沢直木、シリーズ構成は『残響のテロル』の猪原健太(ちょはらけんた)です。作画の質はそこそこで、パースの狂いなどが目立つレベルでした。

転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第2

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第2期』は、謙虚なサークル原作の『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』を元にしたテレビアニメです。第1期は2024年の春に1クールで放送され、2期は2025年の夏に放送されました。

転生し第7王子として、その魔術の才能を伸ばしたロイド。今回は、使い魔のグリモに加えてジリエルという天使も使役するようになります。神聖魔法の研究のために教会に入信したり、下水のゾンビと戦ううちに、教会の暗部に触れるようになります。

教会のシスター、イーシャとロイドの姉サリアは大聖誕祭にて演奏を教皇の前で披露することになります。ロイド達は、教会の中に魔物を人工的に生み出す研究をしていた犯人がいることを警戒していました。しかし、その勢力は教皇本人が率いていたのでした。

教皇ギタンは神への信仰心を失い、神が存在することを実感するために大規模なテロリズムを計画したのでした。しかし、神は顕現せず、第7王子ロイドと仲間達によってその企みは阻止されます。

それぞれの敵勢力側のキャラクターのバックボーンがしっかり描かれていて、戦闘シーンの作画も良く、テンポのいい異世界ものとなっています。

アニメーション制作は、つむぎ秋田アニメLabで、監督は玉村仁(たまむらじん)で、シリーズ構成は戸塚直樹です。星は4佳作認定です。魔法を含めたアクションシーンが良く、作画も安定していて話も面白かったです。

Dr.STONE SCIENCE FUTURE 2クール

『Dr.STONE SCIENCE FUTURE 2クール』は、原作稲垣理一郎、作画Boichiによる、漫画Dr.STONEのテレビアニメ第4期の2クール目作品です。2019年の7月から始まった長寿シリーズも、いよいよ佳境に入ってきた印象です。

前回までで、Dr.ゼノを捕縛し、スタンリーからの襲撃を警戒しつつ、ボートによって南米に向かった千空達。その道中で出会った地理学者のチェルシーの協力を得て、石化光線の発生源である南米、マナウスに到達します。そこで発見したのは、ピラミッドクラスに積み重ねられた石化装置の山でした。

スタンリーに対抗すべく、石化装置の復活に賭ける千空達。ギリギリのタイミングで、石化装置の復活に成功し、北米から地球を石化光線で包んで、ギリギリの勝利を得ます。時限的に設けた装置で、数ヶ月後にスイカが復活液で1人だけ復活します。そこから7年かけて千空を復活させ、仲間を甦らします。

アニメーション制作は老舗のトムス・エンタテインメント、監督は第3期からの松下周平で、シリーズ構成は第4期から砂山蔵澄(すなやまくらすみ)となっています。今回もギリギリの手に汗握る展開で、作画も安定していました。よって星は4.5名作認定です。

長く続いたシリーズでも中弛みすることなく、勢いのあるアニメです。第3クールは2026年に予定されており、今から楽しみです。

光が死んだ夏

『光が死んだ夏』は、配信サイトヤングエースUPに連載中のモクモクれんによる同名タイトルの漫画を元にしたテレビアニメです。東海地方の田舎を舞台にした、ホラーテイストの強い作品です。

よしきは山から戻ってきた親友のヒカルに、ある違和感を抱いていました。それは別の何かに取って変わられているのではないか?という疑問。幼い頃からの親友の異変に気付いたよしきは、ヒカルが変わってしまったことに気付いたのです。ヒカルはよしきに正体を明かし、山にいた何かだと答えます。

よしきはそんなヒカルを受け入れますが、田舎に怪異が頻発するようになります。それは山から降りてきた「ノウヌキ」様と呼ばれるヒカルの存在が穢れを呼び寄せるから、だと霊能力者の暮林から説明を受けるよしきは困惑します。

そんな中、村落に会社から派遣された田中という霊能対策者がやってきて、調査を始めます。よしきもヒカルと向き合うため、ノウヌキ様に関する資料を調べていきます。そんな中、村の異変も増加していくのです。

東海地方の田舎を舞台に、閉塞した村の世界と、そこに住む住人をリアルに描いています。ホラーテイストの強い作品なのですが、よしきとヒカルを中心にした青春を描く、というものであり、成り代わりものとして丁寧な描写をしているところが新しく感じました。

アニメーション制作は、『勇気爆発バーンブレイバーン』、『アポカリプスホテル』のCygamesPicturesです。監督とシリーズ構成は『夜のクラゲは泳げない』の竹下良平です。

星は名作認定の4.5で、作画も良く、何よりも田舎の風景を見事に描写していました。第2期の制作も決定したようで、今から楽しみな作品です。

後編に続く

 

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