ホンダ CB1000R:新世代CBシリーズのフラッグシップ車!

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ホンダCB1000Rは、新しいCBシリーズのフラッグシップオートバイです。998ccの直列4気筒エンジンを、CB1300シリーズよりも圧倒的に軽い212kgの車体に搭載したストリートファイターです。

目次 この記事の内容

  • 絶妙なライディングポジション
  • ヨーロッパを中心に販売されていたCBシリーズ
  • 専用設計てんこ盛りの贅沢さ
  • 新世代CBシリーズのデザイン

絶妙なライディングポジション

大阪モーターサイクルショーで撮影したCB1000R

ホンダがCB1000R(SC80型)を発表した直後の2018年の大阪モーターサイクルショーで、筆者が見たとき思い切ったデザインに驚きました。

一番印象に残っていたのは、街乗りやツーリングに使いやすそうなポジションです。筆者は、当時同じホンダのNC750Sが愛車だったのですが、CB1000Rは少し峠をヤンチャに走っても、街乗りをしても許容できる絶妙な乗車姿勢のバイクに感じました。

また、最初は好きではなかったデザインでしたが、写真で見る以上に高級感のあるタンクの塗装や、全体的な上質感に思わず欲しくなってしまったバイクでもあります。しかし、ホンダのフラッグシップCBなら既にCB1300SF/SBや、空冷のCB1100があります。なぜわざわざ、日本市場にCB1000Rを投入するのか考えてみました。

ヨーロッパを中心に販売されていたCBシリーズ

先代のCB1000R

実は、CB1000Rという名称は既に2008年から使われています。その元になったのは、2001年から販売されていたホーネット900という欧州仕様モデルの存在です。ホーネット900は、CBR900RRのエンジンを中低速向けにセッティングし直して、ホーネット系のフレームに積んでいたバイクです。

つまり、日本で正規販売されていなかった欧州向けのホーネット900が先祖ということになります。しかし、2001年ではコンパクトな900ccよりも、1998年から販売開始されたCB1300SF/SBの方が売れていました。

結局、日本市場のホーネットシリーズは、250ccが中心であり、CBシリーズは400ccと750cc、1300ccが主流なため600ccと900ccは海外のみの販売に留まっていたのです。当時の日本ではトラディショナルなスタイルのネイキッドバイクの方が売れ筋だったということです。

また、2006年からイタリアで製造しヨーロッパで販売していたハーフカウルのツアラーバイクCBF1000の存在も忘れてはなりません。そして、CB1000Rがデビューした2008年でも日本では正規販売されていませんでした。ホンダの二輪車の輸入会社であるパッセージを経由しないと購入できないままだったのです。

ぶっちゃけ国内のホンダファンのライダーも、若干数ですがCB1000Rを欲しがる層はいました。なにしろ元気のいいCBR1000RRベースのエンジンを軽量な217kg(乾燥重量)の車体で、軽快に走ることができるのですから。

それでも正規販売していなかったためか、CB1000RとCBF1000を見かけることは滅多になく、その存在すら知っている人が少ないという状態だったのです。そして排ガス規制がEURO4になった2017年には、これらの海外モデルは生産終了となりました。


その代わりに登場していきたのが、新たなCBシリーズのフラッグシップであるCB1000Rというわけなのです。また、日本市場でも大きな変化がでてきていました。

1996年から大型自動二輪免許が、教習所で誰でも手軽に取得できるようになって、既に20年以上経過し、やたらと大きく重いバイクがもてはやされた時代から、ある程度コンパクトで街乗りやツーリングに扱いやすいバイクが売れるようになってきたのです。

それは、2010年代のNCシリーズやMTシリーズなどの安価なミドルクラスオートバイの需要の大きさと無関係ではありません。言ってみれば大型二輪を取得して初めて乗るのがミドルクラスなら、次は900ccもしくはリッタークラスのバイクに乗るライダーが多いのです。

つまり、ホンダは今ならCB1000Rは日本のバイク乗りにも受け入れられるという計算があって、新しいCBシリーズのフラッグシップとして、国内正規販売を開始したのです。CBシリーズは他に、650、250、125とそれぞれの排気量でも展開され、同じデザインで統一されています。

そして、ホンダは現在CB1300シリーズとCB1100、CB1000Rの3種類のリッタークラスCBを展開していることとなったのです。

専用設計てんこ盛りの贅沢さ

CB1000Rリアビュー

CB1000Rは、CBR1000RR(SC60)譲りのエンジンばかりに目が向けられがちですが、一番注目したいのは、アルミではなく鉄のバックボーンフレームです。ストリートでも楽しく走られるように、しなやかな特性の鉄をあえて選んでいるのです。

また、リアサスペンションは、リンクレスのモノショックサスで、ダイレクト感のある走りを指向しています。このあたりは、先代のCB1000Rと同様に、ストリートでの楽しさ重視というコンセプトのおかげだと思います。

更に、145PSもの最高出力を誇る、SC60譲りのエンジンは、ストリート向けに大幅な改良が加えられています。スロットル・バイ・ワイヤの採用や、スリッパークラッチ、アップとダウン方向に利くクイックシフター、トラクションコントロール、走行モードなど、現代のバイクに求められる機能を搭載しています。

ぶっちゃけ、なんで税込み167万円もするのだろうと思っていましたが、これだけの専用設計と、ウィンカーを含めたLED化に、ETC2.0(現行モデルの場合)とグリップヒーターが付いてこの価格なので、むしろバーゲン価格なのでは?と思いました。

ただ、少し解りにくいところがあるのも事実で、ライバルであるスズキの新型カタナや、ヤマハMT-10と比較すると地味な印象があります。街乗りや峠といったシチュエーションで、楽しめられる特性を突き詰めたCB1000Rは、見えにくい高性能マシンといえます。

CB1000R(2018年モデル)スペック表

CB1000R(2BL-SC80)
最大出力 kW(PS)/rpm 107(145)/10,500
最大トルク N・m/kgf・m/rpm 104(10.6)/8,250
車体サイズ 全長×全福×全高 mm 2,120×790×1,090
車両重量 kg 212
燃料タンク容量 L 16
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

998ccの水冷DOHC直列4気筒エンジンのCB1000Rのスペックは、公道走行において完全にオーバースペックとなっています。最大出力は145PSで、最大トルクも10.6kgf・mという流石にCBR1000RRのものを再設計し直したエンジンです。

電子制御の発展と、スロットル・バイ・ワイヤで制御しているからこそ扱いやすい特性になっていますが、スポーツ、スタンダード、レインの3つの走行モードのうち、最も過激なスポーツだとサーキット走行くらいしか性能を十分に発揮できないでしょう。

足回りでは、リアがプロアーム(片持ちスイングアーム)、フロントはショーワ製SFF-BP倒立フロントフォークを採用しています。タイヤサイズは、フロント120/70/17、リアは190/55/17となっています。

新世代CBシリーズのデザイン

CB1000Rは、新たなCBシリーズのデザインを確定したフラッグシップ車

新しいCBシリーズは、2018年から国内販売開始されました。一番最初にCB1000RとCB250R、CB125Rの3モデルが展開され、ミドルクラスとしてCB650Rが2019年から加わりました。

もちろん、ホンダの売れ筋であるCB400SF/SB、CB1100シリーズ、CB1300SF/SBなどのジャパニーズ・トラディショナルなCBシリーズを併売しています。新しいデザインのCBシリーズは、正直言って国内市場に受け入れられるのは先のことだと思っていました。

しかし、250cc単気筒で車重が140kg台のCB250Rや、フラッグシップであるCB1000R、上質な125であるCB125Rなど、初年度からの魅力的なラインナップに、徐々に日本でもCBのイメージが変わりつつあります。

個人的には、CRF250Lを購入するときに、CB250Rは最後まで迷った魅力的なバイクでした。CB1000Rの上質かつ現代のCBとしてのデザインは、CBと名のつくネイキッドバイクのスタンダードとなっていくのです。

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QIANKONG

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