バレンシアGP:ロレンソ最後の勇姿とホンダ3冠達成!

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MotoGP 2019 第19戦 バレンシアGPは、11月17日にスペインのバレンシアサーキットで開催されました。スペイン、カタルーニャ、アラゴン合わせて4戦をスペインで行っています。マルク・マルケス選手の個人タイトルと、メーカータイトル、残るチームタイトルをかけてドゥカティとの争いが注目されました。

目次 この記事の内容

  • ロレンソの引退発表
  • 予選で速いクワッタハッホ
  • マルケス圧巻の勝利!12勝で400ポイント超え
  • ホンダ&マルケスの3冠達成!

ロレンソの引退発表

出典 https://www.honda.co.jp/ アイキャッチ画像も同じ 引退会見のロレンソ

11月14日に、レプソル・ホンダホルヘ・ロレンソ選手が、2019年シーズン限りでの引退を発表しました。MotoGPクラス3度のチャンピオン獲得と、世界GP250cc時代に2度のチャンピオンの計5回獲得している32歳の偉大なライダーの突然の引退に、世界は驚きました。

ただ、今シーズンのロレンソ選手は、別人のように下位に甘んじていました。稼いだポイントは、たったの26ポイントとここまで395ポイントを獲得し、個人タイトルを決定しているマルケスに大きく差をつけられていました。

しかし、ここまでの不振には原因がありました。ドゥカティ時代の転倒の影響で負った怪我の手術で、2019年シーズン序盤のテストを棒に振ったこと。ホンダ RC213Vの2019年仕様マシンのパワーが上がった分、扱いにくくなったことです。

ロレンソは、ホンダに移籍した最初の年に、大きな失敗をしています。マシン開発の方向性を決めるテストに参加できなかったということです。そして、ホンダ陣営はドゥカティに差をつけられていたパワーを向上し、ストレートスピードで互角といっていいところまで性能を向上させました。

しかし、それはフルブレーキング時のフロントの挙動が安定しないなど、諸刃の剣だったのです。流れるようなコーナーワークが武器のロレンソには、2019年バージョンのRC213Vが適合しなかった可能性があります。

同じように2019年仕様マシンには、LCRホンダのカル・クラッチロー選手も手を焼いていました。ただ、マルケスはそういう中で一人だけ、この難しいマシンを乗りこなし、圧倒的な強さでチャンピオンを獲得しています。

転倒による怪我の影響があったとはいえ、3度の最高峰クラスチャンピオンライダーの成績とは思えないほどのシーズンでした。ロレンソは、表彰台に上がるどころか、予選でQ2進出すら難しい有様でした。全盛期のロレンソを知っている筆者も信じられない思いで見ていました。

しかし、ヤマハからドゥカティに移籍した2年目のシーズンのように、来年こそは2020年型RC213Vを乗りこなして、タイトル争いにからむようになると思っていました。そして、今回の引退発表はまさに晴天の霹靂でした。

ロレンソは、モチベーションが無くなってしまったようでした。オランダGPでの転倒後の欠場や、適合しないマシンとの格闘などが続いて、偉大なライダーであったロレンソの気持ちが切れてしまったのでしょう。

先行逃げ切りが得意で、ツボにハマった時は、誰にも止められない速さを持ったライダーでした。最高峰クラスの獲得表彰台は歴代2位の114回、総獲得ポイントは歴代3位という素晴らしい成績を残してGPを去ります。

最盛期のバレンティーノ・ロッシ選手と互角に戦う唯一のライダーで、ヤマハ時代の2015年に、マルケスを破ってチャンピオンになった強さは本物でした!

予選で速いクワッタハッホ

出典 https://race.yamaha-motor.co.jp/ 一発の速さはマルケス並みのクワッタハッホ

金曜日からのFPでは、ヤマハ勢が好調でした。4kmくらいの狭いバレンシアサーキットでは、直列4気筒のヤマハのコーナリングの方が適合しているように見えました。

そして、予選で速さを発揮していたのは、ペトロナス・ヤマハファビオ・クワッタハッホ選手で、FPの勢いをそのまま維持し、Q2で1分29秒台を叩き出し、今期6回目のポール・ポジションを獲得しました。

セカンドローには、マルケスが入り、3位はドゥカティ・プラマックレーシングジャック・ミラー選手が入りました。4位に入ったのは、ヤマハファクトリーマーヴェリック・ビニャーレスで、5位にはペトロナス・ヤマハのフランコ・モルビデリ選手がそれぞれ入りました。

ヤマハ勢は、12位のロッシを除いて3人が5位以内に入るという好調ぶりが目立ちました。

マルケス圧巻の勝利!12勝で400ポイント超え

出典 https://www.honda.co.jp/ マルケスVSクワッタハッホ

レースがスタートすると、ホールショットを奪ったのはミラーでした。しかし、クワッタハッホは、1周目を終えるまでにミラーを抜いてトップになりました。マルケスはスタートこそ出遅れましたが、オープニングラップで3位まで順位を上げました。

その後、ミラーを抜いて2位になったマルケスは、8周目にクワッタハッホをとらえてトップに立ちます。クワッタハッホも追走するものの、徐々に引き離されていきました。

11周目にクラッチローが転倒すると、LCRホンダヨハン・ザルコ選手も転倒してしまいました。KTMイケル・レコーナ選手が単独で転倒した時に、同じコーナーで転倒した直後のザルコの足にマシンが当たってしまうというハプニングがありました。

幸いにして、ザルコは捻挫くらいですんだようなのですが、嫌なシーンでした。また、レプソル・ホンダとチームタイトルを争っている、ドゥカティワークスのダニーロ・ペトルッチ選手も転倒し、ノーポイントで終わってしまいました。また、ワイルドカードで参戦していたミケーレ・ピッロはめまいのためリタイヤしています。


レース残り9周で、モルビデリも転倒します。転倒者が続出したため、ロレンソがポイント圏内の14位に上がってきました。レースはそのまま、マルケスが逃げ切って今期12勝を挙げ圧巻の420ポイントを獲得しました!

2位にクワッタハッホ、3位にミラー、4位にドゥカティ・ワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手がそれぞれ入りました。

5位にスズキのアレックス・リンス選手が入り、6位にはビニャーレス、7位にはスズキのジョアン・ミルが、8位にはロッシが入りました。最終ラップで、アプリリアのアンドレア・イアンノーネ選手が転倒したため、ロレンソは最後のレースを13位で締め括り、3ポイントを獲得しました。

ホンダ&マルケスの3冠達成!

出典 https://www.honda.co.jp/ 3冠を達成したレプソル・ホンダチーム

結局ホンダは、マルケスの個人タイトル、メーカータイトル、チームタイトルの3冠を達成しました。一番危ぶまれたチームタイトルも最終戦で、マルケスの優勝、ロレンソの13位フィニッシュで、獲得することができました。ドゥカティは、ペトルッチの転倒が大きかったです。

ウィニングランの時、ロレンソが旗をコーナーに立てるロレンソランドをやってくれたのが嬉しかったです。この姿をGPで見ることができなくなるのは残念ですが、これから色々なことをしてくれると思うので変わらず応援したいです。昨年のダニ・ペドロサ、今年のロレンソといいベテランライダーが引退するのは悲しいです。

そう考えると40歳すぎても現役を続けるロッシは本当に凄いと思います。しかし、今年は色々と苦戦して、チャンピオンシップで7位となっています。ぶっちゃけ、ビニャーレスの3位、クワッタハッホの5位ということを考えるとヤマハ勢の中で3番手ということになります。

しかし、ヤマハは土壇場でドゥカティを抜いてコンストラクターズポイントで2位に入ったことは大きいです。今年のヤマハの後半戦は、モルビデリも含めて全員好調だっただけに、YZR-M1の仕上がりが良くなってきた印象があります。

ドゥカティは、後半戦こそサテライトのミラーが目立っていましたが、シーズン序盤から中盤にかけて得たアドバンテージのおかげで、ワークスチームがチームタイトル2位に入るなど一定の評価はできます。

しかし、後半戦での失速や、クワッタハッホのようなマルケスに対抗できるライダーがいないのは痛いです。ドヴィはランキング2位には入りましたが、昨年のようにマルケスと互角に戦うシーンが少なかったです。

スズキは、徐々に調子を上げていたのですが、後半のヤマハの活躍に埋もれてしまいました。しかし、205ポイントでリンスがチャンピオンシップ4位というところにまできています。来年の開発に期待したいです。

アプリリア、KTMといったメーカーは苦戦していますが、日本車とドゥカティが目立つ中、頑張って参戦していることに価値があります。ただ、戦闘力という点で今後の開発と有力なライダーを引っ張って来れるかどうかが鍵になってくると思いました。

Moto2チャンピオン、アレックス・マルケス選手の加入で、レプソル・ホンダチームは兄弟チームになりました!ザルコは結局レプソル入りできませんでした。来シーズンはマルケス王朝VSライバルという構図になりそうです。マルケスの強さに対抗するのは、来シーズンからAスペックのマシンになるクワッタハッホだと思います!

マルケスだけ強いGPシーンは面白くないので、他メーカーや今年は怪我で苦しんだ中上貴晶選手に期待しつつ、来シーズンを楽しみにしています。

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