DTMでアルバム制作 その6:マスタリングについて

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ついに、tkd69の6枚目のアルバムのマスタリングが終了しました。ミキシングの後に行うのがマスタリングで、ミキシングとは似て非なるものです。今回はCubase Studio5で行ったマスタリングについて書いていきます。

ミキシングの終了とマスタリングの準備

マキシマイザーを出力チャンネルにかけてミックスダウンする

7曲目の『まどろみの岬』の録音とミキシングが完了し、前回の手順wavファイルにまとめました。DAWソフトでのミックスダウンは、MTR時代のトラックダウンのように2トラック消費せずに、そのままwavファイルにまとめられることを前回でも書きました。

そして、出力チャンネルにトータルエフェクトをかけて、音に統一感を出しつつ、音量を調整します。ミキシングは、曲の編集作業ですが、マスタリングは、アルバム全体のバランスを調整しつつ、再生環境に適応させる作業のことです。

プロの現場では、レコーディング・エンジニアとマスタリング・エンジニアが分けられていることが多いです。それだけ、ミキシングとマスタリングは、似ているようで違うのです。

マスタリングを開始するまでに、簡単にトータルエフェクト(今回はマキシマイザー)をかけて、仮の音源を7曲作ります。最初はモニター・スピーカーを使って、音源を再生していきます。

マスタリングの作業工程

今回補正した三角形の路地

コンプレッサーやリミッターなどのトータル・エフェクトは、音圧を調整したり、いらない周波数をカットしたりするエフェクターです。しかし、かけすぎると音が歪んだり、クリッピングが頻発したりします。

再生させていて、明らかに音量差がありすぎたり、バランスがおかしい場合は、マスタリングでは調整しません。この場合は、ミキシング側の問題ですので、そこから見直すことになります。基準としては、2.0dB以上補正するようなら、ミキシングを見直します。

最初に、仮の音源としてCD-Rなどのメディアに焼く前に、PCとモニタースピーカー、PCとヘッドフォンといった再生環境でチェックしていきます。昔は、いったんテープやら、DATやらで仮音源作って作業していたことが、今ではパソコンのwavファイルでチェックできるようになりました。

これは、メディアの無駄な消費がなくなるので、よりやりやすくなったと思います。今回は、2枚のCD-Rの消費のみで済みました。

この段階で気付いたことは、3曲目の『三角形の路地』のハイがきつく感じること、アップテンポとバラード曲の音量の見直しなどです。3曲目に関しては、一度トータルEQかける前に、ミキシングから見直すことにしてみました。

少し左のギター側のハイがきつく感じたので、ギターのイコライジングを補正するだけで、なんとかなりそうだったからです。レコーディング・エンジニアと、マスタリング・エンジニアを兼任しているから、本来なら連絡し合ってやらなければならない作業も、気楽に出来ます。

そして、もう一つのポイントですが、感じる音量差は微妙なところです。マキシマイザーを使って作業しているのですが、ここでの数値の補正は、0.2ずつくらいです。ミキシングの段階で、ある程度の音量やら音圧は計算して作業していたので、本当に微妙なところを突き詰めることになるからです。

普段聴く環境でのチェック開始

普段使用している自宅のステレオ

微妙なバランスをとったつもりでも、再生環境が変われば、音の印象は変わります。そこで、CD-Rなどのメディアに焼いてから、ステレオなどで再生させます。もちろん、スピーカーとヘッドフォン(今回はモニター用ではなく民生品)の両方でチェックします。メモは必須で、繰り返し聴き直して音のバランスをチェックしていきます。

5曲目の“Listen to Baby”が、小さく感じました。逆に6曲目の”South End Side B”が大きく感じます。ここは、5曲目のマキシを0.4~0.6に補正して様子をみます。次に、7曲目のピアノのリバーブが少し足りないように感じたので、ミキシングに戻ってリバーブのレベルを上げます。


この段階で、もう一度CD-Rに焼き直して、モニターします。ここで問題なければ、作業終了だったのですが、3曲目が今度は少し小さく感じました。そこで、マキシのレベルを0.2だけ補正し、もう一度全体をチェックし直して、マスター音源をwavファイルで作ります。

長かった完成までの道のり

長年愛用のモニターヘッドフォン AKG K171

Cubaseのみを使ってマスタリングする場合、ミックスダウンと同じように、出力側にトータルエフェクトやら、EQをかけてwavにまとめることになります。もっと厳密にマスタリング用のソフトウェアを使ったりする場合がありますが、今回はCubaseだけで完結しました。

ぶっちゃけ、マスタリングは一番根気のいる作業で、インディーズ価格でも別注すると10万円はします。しかし、再生させる環境を考慮して、各曲間のバランスをとるというのは、かなり難しくセンスが要求されるので、手間のことを考えると妥当な価格でしょう。

自分でマスタリングするのは、かなり大変ですが、慣れてくれば出来るようにはなると思います。どうしてもうまくいかない場合は、マスタリング用のソフトを用意するか、お金はかかりますが、プロに頼むのもアリです。

マスタリング用ソフトには、極端なかかり方をするエフェクトよりも、細かい方に調整することに特化したエフェクトが多数用意されています。これは、マスタリングに対してかなり有効なので、次からは導入したいソフトです。

2019年の2月に作業を開始してから、3ヵ月かかってマスター音源を完成させました。この間、演奏、録音、ミキシング、マスタリングの総てを1人で行い、一日あたり2時間以上、単純計算で156時間は作業したことになります。

ぶっちゃけ、予算もなく、全部自分でやる場合、手間を惜しむとろくな出来にならないので、時間はかなりかけました。宅録のメリットは、じっくり作り込むことができることです。

デメリットは、スタジオと違って音が周りに漏れることと、音が入ってくることです。近所のネコには、癒しとノイズの両方を与えてもらいました(笑)。

作曲やら、各楽器の練習や、リハーサルを含めると、1年以上は今回のアルバム制作のために、費やしたことになります。全部宅録するのは、はっきりいって非効率なやり方で、あまりオススメしません。それでも、個人で制作する場合、手間賃を考慮しなければ、根気でどうにかなると思います。

今回のアルバムは、しばらくの間、ダウンロードとストリーミングのみで販売しようと思っています。残りは、ダウンロードやストリーミングのアップですが、これはレーベル側とのやりとりになってくるので、もう少し時間はかかりそうです。

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DTMでアルバム制作 その5:ハードロック曲のミキシング

DTMでアルバム制作 その4:曲のアレンジとボーカル録り

DTMでアルバム制作 その1:アルバム録音開始



 

 

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