Rock名盤解説File8 : Fool For The City Foghat

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イギリスからアメリカに渡って成功したバンドというと、前に紹介したレッド・ツェッペリンです。そして、FOGHATもアメリカで成功したバンドです。当時のイギリスのシーンは、ブルース系ロックバンドには、いささか厳しい状況でした。徐々にグラムロックやパンクに移行しつつあった時代だったからです。

FOGHAT ブルース系ハードロックバンドの雄!

いうまでもなく、ロックの本場はアメリカなのですが、ブルーズロックは60年代においてイギリスの方が流行していたのです。ローリング・ストーンズ、クリーム、ジミ・ヘンドリックスなどチャートを席巻していたのはブルース系のバンドでした。かのビートルズが、60年代後期になるとゲットバックなどブルース色を意識した曲が増えるのはそういった理由です。

しかし、1970年代になると徐々にブルース・リバイバルブームは収束していきます。変わりにイギリスのシーンは、1970年代中期になると、パンクが席巻していくのです。しかし、今度はアメリカの方で、ブルース系ロックバンドの市場が活況化していったのです。

フォガットもそうした流れに乗る形でアメリカ進出したイギリスのバンドです。前身バンドのサヴォイ・ブラウンの路線を継承し、ブルース色の強いハードロックを突き詰めたサウンドでした。

アメリカで成功した5作目FOOL FOR THE CITY

フォガットは、1975年発表の5作目のアルバム“FOOL FOR THE CITY”でアメリカでの評価を高めます。このアルバムは、ブルースロックの底力を感じさせる出来でした。フォガットの特徴は、厚みのあるバンドサウンドです。その中心は、ロンサム・デイブ・ペヴァレッド(ボーカル・ギター)とロッド・プライスのツインリードギターです。

70年代にもなると、ステレオ録音は当たり前の技術になります。ギターは必然的に、左右のチャンネルに分けて広がりを出すのです。ギタリストが1人だとライブと同じようなアレンジは出来ません。ショートディレイで左右に振り分けるか、トラックを複数重ねるのです。そうなるとライブでは1本のアレンジのみとなってしまうので物足りなさを感じてしまうことがあります。

フォガットのようなツインリードだと必然的に厚みもアンサンブルもライブやリハーサルの延長線上で録音できます。もちろん、スタジオ録音なので何回もやり直したり、色々音を重ねます。しかし、リハーサルの演奏のテンションをそのまま録音できるアレンジが可能です。このFool For The Cityは、そういった手法で録られているのです。

バンドの屋台骨のドラマーは、ロジャー・アールです。ロジャーとロンサムは、サヴォイ・ブラウン時代からの盟友です。ベースは、クレイグ・マグレガーです。クレイグは、今作でプロデューサーをしている、ニック・ジェイムソンに代わって入ったベーシストです。

ロジャーのしっかりとしたビートに、砲弾のようなクレイグのベースがあってこそ、このグルーヴが生み出されています。曲もいいのですが、このアルバムのポイントとして、ノリのいいビートははずせません。

Fool For The City曲解説

1曲目のFool For The Cityは、ノリのいいハードロックナンバーです。明るめの曲調に刹那的な歌詞、ツインギターのリフのカッコ良さ、どれをとってもナンバリングタイトルにふさわしい出来です。2曲目のMy Babeも明るめのノリのいいナンバーで、3曲目のSlow Rideと4曲目のロバート・ジョンソンのカバー曲Terraplane Bluesでブルージーなスライドギターでためを作ります。


5曲目のSave Your Lovingと、Drive Me Homeで再びアップテンポとなり、最後のちょっとしっとりしたTake It or Leave Itで締めます。流れが良く出来ていて、7曲35分のアルバムを飽きさせません。

アルバムの中でセッション調のスローライドが最長の8分14秒です。カントリーブルースの元祖ともいえるロバート・ジョンソンのテラプレーン・ブルースをカバーしているのが、ブルースロックを基本としているフォガットらしいです。僕がたまにスライドギター弾くのは、間違いなくフォガットと、オールマン・ブラザース・バンドの影響です(汗)。

同名のマンガ作品!FOOL for THE CITY

ちなみにフォガットのことを日本で紹介した作品といえば、重戦機エルガイムと機動戦士Zガンダムのデザインワークスで有名な、永野護の同名タイトルのマンガでしょう。ニュータイプ誌でファイブスター物語を連載する前の1985年4月から掲載され、1987年に単行本化されました。ファイブスター物語とは違って、22世紀の地球が舞台のSFバンドマンガです。

永野護は、自身もベーシストでロックにも造詣が深いです。エルガイムの人型汎用兵器が、ヘビーメタル(HM)となっているのもその影響でしょう。Fool For The Cityは、主人公ラスのバンド、スーパーノヴァのリードヴォーカル・ギターのマコトが影響を最も受けた曲として登場します。

フォガットのライブ動画です。

フォガットは、ブルーズ系ハードロックバンドとして、70年代のアメリカで多大な影響を与えました。僕が、フォガットのアルバムを集めたのはずいぶん昔のことですが、amazonや楽天のなかった当時は大変で、本作と6作目のNight Shiftとベスト盤しか見つかりませんでした。そのうちの2枚は藤井寺の中古レコード・CDショップで買った思い出があります。

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Mountain:巨漢のギタリストと70年代アメリカンハードロック

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