今回のアルバムは、Queenの通算5作目にあたるアルバム、“A Day at The Races”です。クイーンはエアロスミス、キッスと合わせて当時の世界3大バンドと呼ばれていました。本作A Day at The Racesが発表されたのが1976年で、前作“A Night at The Opera”の翌年に発表されたアルバムです。
■Queen 70年代の3大バンド!
名曲ボヘミアン・ラプソディを収録したオペラ座の夜は、クイーンの地位をようやく認めさせました。まごうことなき名盤なのですが、個人的には、この華麗なるレースの曲は粒ぞろいだと思っています。また、Queenでアナログ盤で所有しているのは、このA Day at The Racesと“Live Killers” だけですので、よけいに思い入れがあるのかもしれません。
1975年に発表された、A Night at The Operaの最後の手前の11曲目に収録されているボヘミアン・ラプソディは、革新的な名曲でした。その路線を継承し、対になる形のジャケットデザインの本作は、オペラ座の夜と比較しても遜色ない出来のアルバムです。
1曲目のTie Your Mother Downは、ギタリストのブライアン・メイが作曲したハードロック調の勢いのある曲で、クイーンのライブの定番曲になったほどの名曲です。後に発表された“News of The World”(1977)では、有名なWe Will Rock Youや、We Are The Championsなどのある意味クイーンを代表する曲が収録されていましたが、このアルバムもそれに負けない曲があるのです。
6曲目のSomebody to Loveは、定番曲の一つです。この曲は、ボーカルのフレディ・マーキュリーの曲らしい、繊細且つ大胆な2面性を持った曲です。僕は、Tie Your Mother Downと、Somebody to Loveの2曲が大好きで、このアルバムを何回も聴きました。最近、レコードプレイヤーが無性に欲しくなったのは、もう一度アナログ盤でこの曲を聴きたくなったからでしょう。
■日本向けに作られた名曲Teo Torriatte
クイーンは、イギリス本国の評論家に酷評されていたバンドでした。風当たりが強かった理由は、マーキュリースーツなど、クイーンの独特のスタイルにあったのかもしれません。しかし、早くから日本では人気が高く、日本でツアーするとスター扱いでした。
イギリス本国での評価がオペラ座の夜で覆ってからも、日本での厚遇を忘れていなかったクイーンのメンバーは、美しいフレーズの曲の歌詞の一部を日本語で書いたのです。作曲は、ブライアン・メイで、タイトルは「手をとりあって」です。フレディーの日本語は、うまくないですが、味があって泣かせます。
重要なアルバムの最後の10曲目に、日本語の曲です!もうこれだけで、このアルバムをフェイバリットにしてしまいます。曲も素晴らしく、感動的なラストを飾っています。
Good Old Fashioned Lover Boyなど、他にも佳作の多いアルバムですが、唯一残念なのが、裏名曲がないことです。例えば、“The Game”(1980)のSail Away Sweet Sisterはメイン・ボーカルをブライアンがやっている曲ですが、存在をあまり知られていないという意味での裏名曲の一つです。
ブライアンの他には、ドラマーのロジャー・テイラーもたまにリード・ボーカルをする場合があります。
華麗なるレース自体が、有名なので裏名曲が生まれにくいのかもしれませんが、1、6、10曲目に比肩しうる曲が他にないのが、このアルバムの残念なところです。ちなみに、ブライアン・メイがソロ時に使っているブースターは、ベースのジョン・ディーコンが制作したものです。
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