Nirvana 3

Rock名盤解説 File15:NEVERMIND NIRVANA

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1991年は、ロックにとって衝撃的なアルバムが3枚発売された年でもあります。パール・ジャムの”Ten”、サウンドガーデンの『バッドモーターフィンガー』、そして、今回紹介するニルヴァーナの『ネヴァーマインド』です。

シアトル発祥のグランジシーン

ニルヴァーナ 1

出典 https://www.amazon.co.jp/

NIRVANAは、1987年にワシントン州アバディーンにて結成されました。1989年にシアトルのインディレーベルのサブ・ポップからファーストアルバム”Bleach”をリリースしました。

ワシントン州シアトルは、グランジバンドのメッカであり、サブ・ポップ出身バンドのニルヴァーナやサウンドガーデンが、グランジシーンを牽引していました。

グランジとは、アンダーグラウンドな雰囲気を持つバンドのジャンルのことで、直訳すると「汚い」を名詞化したものです。1970年代に興隆したパンクの流れも汲んでいますが、グランジバンドは、ハードロックから影響も受けています。

1980年代の産業化ロックに対する80年代後期~90年代中期のアンチテーゼが、グランジです。イギリスでは、原点回帰のガレージロックバンドブームが到来し、アメリカではシアトル発祥のグランジブームがシーンを席巻していたというわけです。

僕自身は、イギリスのシーンに多大な影響を受けていたものの、グランジの雄であるニルヴァーナは、頻繁に聴いていました。

カート・コバーンの独特のメロディラインとリフは、今までのバンドからは聴いたことのないサウンドを構築していました。

NEVERMIND解説

NIRVANA 2

ネヴァーマインドは、ニルヴァーナのセカンドアルバムであり、メジャーレーベルであるゲフィン・レコードに移籍して(アルバムクレジットにはサブ・ポップも有り)からの初のアルバムでした。

ニルヴァーナのギター・ボーカルであり、曲を書いていたカート・コバーンが1994年に自殺したため、ニルヴァーナは3枚のアルバムしか残していません。

1曲目のSmells Like Teen Spiritは、クリーントーンからディストーションに切り替わるギターに象徴されるような、静と動の抑揚が特徴です。

Smells Like Teen Spiritは、短いイントロの途中でディストーションがかかってからすぐにクリーントーンで印象的な2音だけのフレーズを弾き、静かなAメロに繋げています。そして、Bメロで再び激歪みサウンドになるといった曲の構成です。

Smells Like Teen Spiritは、20世紀終盤を代表するような曲であり、誰でも一度は聴いたことがある名曲です。カートの持つメロディラインは、彼自身にしかない響きのあるものでした。

鬱屈したものを内包し、静かに語るAメロと一気に爆発させるBメロとの落差の激しさがカートの感情の起伏をそのままあらわしています。

2曲目は、ニルヴァーナにしてはポップで洗練されたIn Bloom、そしてCome As You Areから一番激しい曲である4曲目のBreedに繋がります。ブリードは、10曲目のStay Away同様アルバムの動の部分を象徴する曲です。

ニルヴァーナは、グランジの代表的なバンドというイメージから爆音の印象があります。しかし、それをいうならメタルの方が激しいでしょう。カートのトーンは、粒立ちが綺麗に揃ったものではなく目の粗いざらざらしたトーンなのです。

フェンダー・ジャガーをハムに改造し、ディストーションペダルで歪ませることが多かったカートのトーンは、お世辞でもいいトーンだとはいえません。

しかし、ニルヴァーナの持つサウンドには、荒々しくダーティな感じのトーンが必要だったのだと思います。この猛々しさこそが、カートの一面なのです。

また、ネヴァーマインド全般では、カートはブリードくらいしか、メロディラインをなぞらえないリードを弾いていません。このアルバムのリードの大半は、メロディラインそのものをトレースしていました。もう1人のギタリストであるジェイソン・エヴァーマンが抜けた影響でしょう。

ジェイソンは、ファーストアルバムであるブリーチの制作費用を肩代わりしたことで、実際にはレコーディングに参加していなかったのにファーストアルバムのクレジットに名前が残っています。ネヴァーマインドの時期には、バンドから離脱しています。

メンバーは、ベースのクリス・ノヴォセリックと、ドラムのデイブ・グロールです。クリスは、結成当初からのメンバーで、デイヴはネヴァーマインドの収録の1990年頃に参加しました。

デイブ・グロールの激しいドラミングと、しっかりとしたクリス・ノヴォセリックのベースがバンドの屋台骨を支えていました。デイヴは、ニルヴァーナがカートの自殺で幕を閉じた後に、フー・ファイターズを結成(当初はソロプロジェクト)し成功します。

10曲目に再び激しいStay Awayがきて、11曲目にキャッチーなOn A Plainが、そこから最後の12曲目Something in The Wayで静かに余韻を残しながらネヴァーマインドは終わります。

サードアルバムIN UTEROは、嫌いではありませんが、アルバムの完成度ではネヴァーマインドの方が上です。

カート・コバーンの使用機材について

Nirvana 3

カート・コバーンは、左利きだったため、使用ギターは左用です。メインは、1965年製のフェンダー・ジャガーで、ピックアップをフロント、リア共にハムバッキングに交換しています。

他には、1969年製フェンダー・ムスタングをハムに換装したものと、ステージでの破壊用のストラトキャスター(安価な日本、メキシコ製)などです。


アンプより、ペダル類で音を作るタイプだったようで、BOSSのDS-1やDS-2、プロコのRATやビッグマフなどをボードに配置していたようです。僕もDS-1は、激しく歪ませるときに使用しています。DS-1は、ハムとの相性がいいペダルです。

後は、エレクトリック・ハーモニクスのコーラスや、フランジャー、MXRのフェイズ100などが挙げられます。

1990年代に与えた影響

ニルヴァーナ 4

ネヴァーマインドは、1990年代のロックシーンに与えた影響は大きいです。同時代のロックミュージシャンはもちろん、メタリカのカーク・ハメットやニール・ヤングといった大物ミュージシャンもニルヴァーナについて言及しています。ソニック・ユースは特に、ニルヴァーナの後押しをしていました。

1990年代の音楽シーンは、徐々に変化していきます。グランジが隆盛を極めると、ダイナソーJrや、スマッシング・パンプキンズなど、シアトル以外で活躍していたバンドも注目されるようになっていきます。

グランジは商業主義の音楽とは異なる価値観をリスナーに与えていきました。たった3枚のアルバムしか残しませんでしたが、ニルヴァーナは世界中に影響を与えた偉大なバンドなのです。

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