2025年冬アニメレビュー後編:Dr.STONE〜メダリストまでの7作品をレビュー!

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前回に引き続き、2025年冬アニメレビュー後編です。後編では、Dr.STONE SCIENCE FUTURE〜Übel Blatt~ユーベルブラット~までの7作品をレビューします。評価は星1〜5までの5段階です。

目次 この記事の内容

  • Dr.STONE SCIENCE FUTURE
  • 日本へようこそエルフさん。
  • 花は咲く、修羅の如く
  • ババンババンバンバンパイア
  • メダリスト
  • もめんたりー・リリィ
  • Ubel Blatt〜ユーベルブラット〜

Dr.STONE SCIENCE FUTURE

“Dr.STONE SCIENCE FUTURE”は、週刊少年ジャンプで完結した、原作稲垣理一郎、作画Boichiによる”Dr.STONE”を元にしたテレビアニメです。第4期にあたる今回は、ロケットを製造する足がかりをつけるためにアメリカに渡る話です。

しかし、これまでとは異なりアメリカには、千空すら超える化学技術を発展させ、航空機、マシンガン、狙撃銃などが実用化されていました。石器時代から、ここまで技術を復活させたのは、千空の化学の師、Dr.ゼノでした。

復活液のレシピが無く、マンパワーの足りないアメリカ側と、コーンを大量生産して燃料を確保したい化学王国との激突、ということでしたが、最終的には痛み分けで、交渉する、という形になりました。

ぶっちゃけ、航空機やマシンガンという武力だけなら圧倒的な相手に対して、ここまでもってくるのは流石、化学王国といったところでしょうか。思った以上に急展開だったので、ラストが見えてきたように思えます。

アニメーション制作は、”SAKAMOTO DAYS”のトムス・エンタテインメント、監督は松下周平、シリーズ構成は砂山蔵澄(すなやまくらすみ)です。星は名作認定の4.5です。ここまで長いシリーズを描いている、という点を評価しています。

日本へようこそエルフさん。

『日本へようこそエルフさん。』は、まきしま鈴木の書いた同名のライトノベルを元にしたテレビアニメです。日本のサラリーマンで異世界ではカズヒホと呼ばれる青年は、夢を通じて異なる世界を行き来していました。

異世界の美少女エルフ、マリーと入ったダンジョンで、偶然遭遇したドラゴンのブレスに巻き込まれ、異世界転移でマリーは日本に来てしまいます。そして、現代日本の文化や食事、テクノロジーに触れ、日本での生活を満喫するようになります。

カズヒホこと一廣の近くで眠ると、異世界を行き来できます。その特性を活かし、仲良くなった竜のウリドラも人間体で日本に来たりします。そんなかんなで、新しいダンジョンを発見したり、異世界での活動も充実してくるのです。

エルフのマリーが日本の文化(主に食事)に触れて、新鮮な反応をするのを楽しむ作品です。ぶっちゃけ、日本でエルフは見かけませんが、美少女がおいしそうに食べ歩きする姿はいいものです。

アニメーション制作は、『怪異と乙女と神隠し』、『嘆きの亡霊は引退したい』のゼロジーです。監督は喜多幡徹(きたはたとおる)で、シリーズ構成は吉永亜矢です。星は3.5です。作画もそこそこで、話も上手くまとまっていた印象です。

花は咲く、修羅の如く

『花は咲く、修羅の如く』はウルトラジャンプに連載中の原作武田綾乃、作画むっしゅによる同名漫画を元にしたテレビアニメです。京都の島に住む春山花奈は、高校から放送部に入ります。その花奈をスカウトした、放送部の部長、薄頼瑞希(うすらいみずき)と共に朗読部門で全国大会を目指すようになります。

朗読という一見地味な題材ながら、お馴染みの文学作品などを、プロの声優さんが朗読すると、また違った風に聴こえるのがとても良かったです。アニメーション制作は、『無職転生』、『お兄ちゃんはおしまい!』のスタジオバインドで、作画も素晴らしい出来でした。


主人公の花奈を演じた、藤寺美徳(ふじでらみのり)の声も合っていて、毎週楽しみなアニメでした。監督は宇和野歩、シリーズ構成は筆安一幸(ふでやすかずゆき)です。冬アニメは筆安一幸のシリーズ構成が多く、『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』、『シャングリラ・フロンティア 2nd Season』とこれで3作目です。

とても丁寧に描かれた作品で、星は佳作の4です。原作漫画で続きは読めますが、2期を期待して、しばらくは待つつもりです。

ババンババンバンバンパイア

『ババンババンバンバンパイア』は、別冊少年チャンピオン連載中の奥嶋ひろまさの同名漫画が原作のテレビアニメです。森蘭丸は、その名の通り戦国末期から生き続けている吸血鬼で、こいの湯という昔から親しまれている銭湯で住み込みで働いています。

こいの湯の4代目になる、立野李仁(たつのりひと)の18歳の童貞の血を吸うために、近くにいる森蘭丸という構図です。その李仁が恋をしたのは、同級生の篠塚葵でした。かくしてバンパイアと人間の奇妙な三角関係となっていくのです。

そこへ、不死身を自称する葵の兄の不良、フランケンだったり、バンパイアハンターの坂本など、一癖も二癖もあるキャラクターが出てくる、恋愛コメディです。個人的にツボなのは、3代目の父親で、森の話の吸血鬼はギャグだと解釈しています(笑)。

アニメーション制作は『グレンダイザーU』のGAINAで、監督は『戦国BASARA』の川崎逸朗(かわさきいつろう)です。作画はそこそこで星は3.5です。ギャグが面白い作品なのですが、アクションもあり楽しめられました。

メダリスト

『メダリスト』は、月刊アフタヌーンにて連載中のつるまいかだによる同名漫画を原作にしたテレビアニメです。結束いのり(ゆいつかいのり)は小学5年生という、フィギュアスケートを始めるには遅い時期からスケートがしたい、とスケートリンクに通っていました。

明浦路司(あけうらじつかさ)はかつて、アイスダンスで全日本に出場した経験のある選手でしたが、就職先に困り、たまたま面接を受けたルクス東山FSCでいのりと出会います。幼い彼女が、遅い時期からフィギュアを始める、というかつての自分のような境遇を重ね、指導することになりコーチになります。

つまり、いのりと司の2人でメダリストを目指す、という話なのです。フィギュアスケートのことは、あまり詳しくない筆者でも5歳から始めるという世界で遅れてスタートする、というのは並大抵の努力では埋められない、ということは分かります。

しかし、いのりは徐々に高度なジャンプを成功させるようになり、スケートの質も向上していきます。司のコーチングの賜物であり、かなり観測眼がいいとされています。一度見た選手の特徴などを把握する能力に長けているような描写がありました。

そして、アニメ1期ではついに、ノービスへの出場が認められる程に上達します。筆者の経験だと空手で段持ちになったくらいの感覚でしょうか?そこまで認められて、試験に合格する、ということが大変なのは想像できます。

アニメーション制作は、”Unnamed Memory”のENGIで、監督は山本靖貴(やまもとやすたか)で、シリーズ構成は『戦国妖狐』の花田十輝(はなだじゅっき)です。難しい題材をCGを使って表現した傑作アニメで星は4.5です。第2期を楽しみにしているので、原作はまだ未読です。

もめんたりー・リリィ

『もめんたりー・リリィ』は、『好きな子がめがねを忘れた』で知られるアニメスタジオのGoHandsが制作したオリジナルアニメです。冬アニメのオリジナル枠の中でも期待していたアニメなのですが、作画はとても良かったです。

GoHandsと言えば、3DCGを使った細かい情景とハイライトの使い方に定評があり、本作、もめリリでもそこは凄かったです。話の内容としては、ハードSFというべきもので、ワイルドハントという機械に侵略され、廃墟となった世界が舞台です。

そのワイルドハントと戦う少女のチーム、(当初は6人〜5人になった)がワイルドハントと戦いながら廃墟を旅していく、という話です。れんげという少女が料理好きで、廃墟で調理する、というのもアクセントになっています。

ワイルドハントと少女達の武器、アンドヴァリや、地球が侵略された謎などは最終話前にちゃんと説明されました。上手くまとまった最終回だったのですが、いかんせん5人の少女の癖が強く、キャラが濃すぎて見ててしんどかったです。また、展開にしても唐突なのが多く、いまいち感情移入できませんでした。

総監督は鈴木信吾です。星は3.5になります。ハマる人にはハマりそうなのですが、もうちょっと緊迫感を持たせた方が良かったのではないか?と思いました。ハードSFは好きなジャンルなのですが、個人的には好みの作品ではありませんでした。

Übel Blatt~ユーベルブラット~

『Übel Blatt~ユーベルブラット~』は、塩野干支郎次 (しおのえとろうじ)の漫画を原作にしたテレビアニメです。ダークファンタジーっぽいタイトルに剣士のビジュアル、一見すると『ベルセルク』を彷彿とさせる雰囲気があります。

主人公のアシェリートは、仲間に裏切られ瀕死の重傷を負います。そして裏切った7人は七英雄として、讃えられ国の要職につきます。しかし、アシェリートは亜人の少年の姿となって生き残り、名前をケインツェルと変えていました。

ケインツェルは、20年後の復讐の旅で七英雄を倒していきます。彼らは権力によって歪んでおり、人を攫って人体実験をしたり、自治都市を武力で制圧しようとしたりしていました。今回のアニメでは、七英雄のうち2人を倒しています。

アニメーション制作は、サテライトStaple Entertainmentです。監督は直谷たかしでシリーズ構成は髙橋龍也です。作画はそこそこでしたが、ダーク・ファンタジーというジャンルということで評価が高く、佳作の星4です。筆者の好みドストライクのアニメでした。

多様性のあるラインナップとオリジナルアニメ

2025年の冬アニメでは、スポ根あり、笑い有り、異世界有り、ロボット有り、恋愛ものまでありました。多様性のあるラインナップで飽きずに見ることができ、過去最高の22作品も視聴を続けるということになりました。

また、そのうちの6作品が星4.5以上の名作認定で、更にオリジナルアニメである『全修』は覇権認定の星5、最高点でした。空色ユーティリティもですが、オリジナルはツボにハマれば先の展開が分からないため、面白いです!あれこれ予想しながら視聴するのにも向いています。

2025年の開始から凄いクールでしたが、春アニメにはガンダムもあり楽しんで見ています。

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