筆者(tkd69)は、長い間BOSS SD-1というオーバードライブを愛用しています。多数の歪みがある中で、SD-1を選んだ理由や、好みのセッティングについて、紹介していきます。
目次 この記事の内容
- コロコロ変わったブースター
- tkd69とSD-1の出会い
- BOSS SD-1の歴史
- BOSS SD-1レビュー
コロコロ変わったブースター
それまで使っていたIBANEZ TS9
かれこれ、10数年前までオーバードライブは、コロコロ入れ替えていました。特に、ヤフー・オークションなどでも、機材が気楽に買えるようになってからというもの、エフェクターは色々試していました。
ブースターとは、バッキングからリード(ソロ)に切り替える時に、歪みや音量を足す目的で使うものです。オーバードライブや、ディストーションなどの歪みや、プリアンプなどがブースターとして使えますが、ギタリストにとって一番使いやすいのが、オーバードライブです。
対照的にプリアンプ的に使う歪みというものがあり、ディストーションや、オーバードライブ、ファズという種類のものが該当します。これらは、深く歪ませて1チャンネルしかないアンプや、スタジオのジャズコーラスなどを好みのドライブトーンにする目的で使用します。
3ピースのバンドなどで歌いながらギター弾いてる場合、機械式の小さな丸いスイッチだと踏み間違えてしまうことが度々ありました。
この記事の動画バージョンです。実際にSD-1を使用した実演もあります。
そこで、スティービー・レイヴォーンが使用していたIbanezのTS系をブースターとして購入して使っていたのですが、洗濯板と呼ばれるスイッチが筆者の踏み方が荒いせいでよく壊れていたのです。
TS9からTS10、TS5、TS7と試してみたのですが、スイッチの強度にあまり変化はなく、1〜2年に一度の頻度で壊れることが多かったのです。ブースターは、特に踏む回数の多いエフェクターなので、こんなものかと諦めかけていたら、黄色いペダルと出会い、そのままメインのブースターとなったという訳です。
tkd69とSD-1の出会い
筆者のSD-1
BOSS SD-1は、近所に住んでいた友人のS君が愛用していました。S君とスタジオでセッションしていた時に、SD-1を使ってジャズコでいいトーンを鳴らしていたのです。
今更BOSSかよ!とか思っていたのですが、よく考えたら安いけどプロも使っているBOSS製エフェクターを、最初にOD-2R買って以来、使っていないことに気付きました。
しかも、S君のトーンはジャズコと思えないくらいいいトーンでした。当時の筆者は、マーシャルにプラグインするのがカッコいいとか思っている勘違い野郎でした(笑)。
散々安いだのなんだのバカにしていたBOSS製ペダルを見直したのは、これが最初です。ここから筆者のBOSS製ペダル探究の旅が始まり、SD-1を入手することから初めました。
そして、数あるBOSS伝説は真実であることが解りました。その気になって探してみると新品から中古まで、よりどりみどりでした。銀ネジの日本製から、その後の台湾製まで、楽器店にこれでもか!と並んでいたのです。
SD-1の電池ボックス内部
一番安かったのが台湾製でした。試奏してみれば日本製とそれほどトーンが変わっていなかったので、そのまま中古で3,000円台で購入しました。持ち帰って使ってみると、TS系のトーンと同様なビンテージっぽいトーンのオーバードライブであることが判明しました。つまり、悩んでいたブースターに使えるトーンだったということです。
これは、青天の霹靂ともいうべき出来事でした。BOSS製ペダルの電子スイッチは、踏み易く、しかも耐久性がIbanezやMaxonのスイッチよりも高いことを先輩ギタリストから聞いていたからです。
ぶっちゃけ、そのまま筆者のエフェクトボードには、SD-1がメインのブースターとして常駐しています。中域をうまく持ち上げてくれるし、何よりスイッチの耐久性が高く(10年そのまま使用しても壊れない!)、踏みやすいと3拍子揃っているからです。
それから、BOSSのエフェクターはDS-1、BD-2、DD-20と増えていき、今ではメインの歪みの全てがBOSS製で、エフェクトボードの中身はワウとA/Bボックスのみ他社という構成になっています。
BOSS SD-1の歴史
出典 https://www.digimart.net/ BOSSの名器OD-1
一番初めに、オーバードライブという呼称を使ったのは、BOSSが最初でした。1977年に販売された日本製の黄色いエフェクターは、「オーバードライブ」という呼称を広め、ジェフ・ベックが使用したことで人気が確定されることとなるのです。
世界最初のオーバードライブ・ペダルということになっているOD-1ですが、構造的には「ディストーション」という呼称を広めたMXR Distortion+もオーバードライブとでもいうべきコンパクト・ペダルだったのです。
ディストーション+は、1973年に販売されているので、数年遅れた形にはなりましたが、オーバードライブという呼称を広めたのは、間違いなくOD-1の方でした。
BOSS SD-1は、OD-1の非対称クリッピング回路にトーン回路を加えて、1981年にデビューしました。1985年販売のOD-2に代替わりするまで、OD-1と併売されていたことになります。
BOSSは、ローランドの系列会社で当時は、日本国内で製造されていました。初期型のSD-1は、銀ネジと呼ばれ現在でも人気があります。一説によるとオペアンプが国産と台湾製では異なるということらしいのですが、筆者にはあまり差が感じられませんでした。
1980年代後半(1989年頃)には、BOSSは徐々に日本から生産を台湾にシフトしていきました。このため、黒ネジでも国産のものがあるというのは、本当のことです。そして、SD-1はこのまま現在まで製造される大ベストセラー商品となりました。
1993年から1998年まで販売されたSD-2は、SD-1よりも歪むリードモードを搭載したモデルです。SD-2は、あまり人気がなかったので、5年しか製造されていませんでした。最近販売されたSD-1Wというグレードアップバージョンがありますが、こちらはまだ試していません。
BOSS SD-1レビュー
SD-1の背面 はっきりとMADE IN TAIWANの刻印がある
筆者は、基本的にプリアンプ的な使い方よりもブースターとして使用しています。歪みの質は、TS系と同じく真空管で歪ませたような軽いオーバードライブで、ミドルが強めのトーンが出ます。
クランチまでの歪みならカバーできますが、同じBOSSのBD-2やOD-3のようにある程度歪むオーバードライブとは異なります。こういう特性が、ブースターとして最適なかかり方となっています。
筆者は、ドライブを9時方向に若干上げ、レベルは大きめに3時にしています。これは、少しの歪みを足すことで、リード時にゲインと中域を持ち上げる効果を狙っています。トーンは、12時方向にしています。
昔に作られたモデルなので、PSAアダプターは使用不可能で、ACAアダプターを使う必要がありますが、歪みの場合は、空間系と異なり厳密に考える必要はないので、MAXONのパワーサプライから電源供給しています。
特筆すべきは、ペダルの電子スイッチの耐久性の高さです。10年近く同じペダルを使用していますが、故障したことがありません。いざとなったら5,000円で新品を購入すればいいので、ガンガン使えます。
今では、SD-1抜きでのリードプレイは考えられないので、予備に1個購入するかもしれません。どちらにせよ、筆者にとっては気軽に付き合える古い友人のようなペダルです。
ギターの関連記事はこちら
ピンバック: BOSS SD-1 tkd69愛用のブースターをレビュー! | #レビュー バズウォール