16年間愛用し、最近状態を心配していたHeritage H-157を売って、新しいギターを購入しました。Gibson SG Special Fadedは、安価なSGですが、2003年のモデルはなんと高級なエボニー指板が使われていました。
目次 この記事の内容
- ヘリテイジ売却の決断
- SGスペシャルとの出会い
- 衝撃の新品アウトレットとスペシャルの等級
ヘリテイジ売却の決断
16年間メインで使用し、色々なところが痛んできたヘリテイジ
これまでのメインギターのHeritage H-157は、ハンドメイドで質が高いカラマズー工場のギターです。ギブソンの名器の数々は、カラマズーで製造されており、ヘリテイジはギブソンの工場がナッシュビルに移転する80年代に、カラマズーに在住しているクラフツマンが立ち上げたメーカーです。
2003年9月に、今はなくなってしまった新星堂ロックイン天王寺店にてヘリテイジ H-157を試奏して気に入った筆者は、当時定価30万円以上したこのギターを、特価の17万円で新品購入しました。
しかし、16年間に渡るバンド活動やソロ活動でハードに使用した結果、ネックの裏の塗装は下地が見え、フレットは擦り合わせか、打ち直しが必要なくらいになっていて、色々なところが痛んできました。こうなってくると早急に12月のライブに使えるギブソン系のギターが必要でした。
サブで安価なギターを探していましたが、よく考えたらテレキャス含めた3本エレキを所有しても、1本はケースにしまいこむことになります。しかも、ヘリテイジをまともにライブやレコーディングに使うとなると、色々と手を加えなければなりません。その費用はざっくり見積もっても6〜8万円はかかりそうでした。
ぶっちゃけ、ギターを仕舞い込んでしまって弾かない状態でコレクションするのは趣味ではありません。いっそのこと、ヘリテイジを売却して新しいギターを購入すべきという結論になりました。
ヘリテイジを下取り出して先週試奏した、エピフォン・エリーテスト・カジノを購入しようと、イシバシ楽器梅田店に連絡しました。しかし、既に売れていて参考までにヘリテイジの下取り価格を聞いて見たところ、4万いかないと言われてしまいました。
定価30万円以上するギターの下取りが4万円以下ということ自体、納得いかずに、イシバシでの下取りを断念しました。デジマートで色々調べた結果、カタナギターズというリペアを兼任しているショップにギブソン・レスポール・スタンダードのワインレッドカラーを見つけました。
こういった個人のリペア兼任のところの方が、マニアックなギターを高く買い取ってもらえそうです。そこで、気になったギター3本を試奏する予約をして、ヘリテイジを持って行くことにしました。
SGスペシャルとの出会い
SGを購入して笑顔の筆者(tkd69)撮影 秋山タカオ
20日の午後4時を指定したのは、ギターの買い替えに立ち会いたいといってくれた友人のミュージシャン、秋山タカオと時間を合わせるためでした。久しぶりに阪堺電車に乗るために、レスポールの入った重いハードケースで、阿倍野で徘徊した結果、アポロの地下の入り口手前の11番出口から改札にでられました。
15時20分頃には駅に到着したのですが、秋山氏は住吉大社での乗り換えに手間取り、なかなか来ません。バイク用ジャケットを着込んだといっても11月の中旬の寒さに凍えながら待ちました。
なんとか合流し、カタナギターズに到着しました。こちらは、ギターを保管している店と違っているのですが、フェンダーのホッドロッドデラックスや、ヒューズ・アンド・ケトナーなどのアンプがずらりとあり、試奏しやすいようになっていました。
約束の時間にオーナーが車で来られました。電話で予約したのは、ギブソンのレスポールスタンダードを色違いの2本と、SG Special Fadedの3本です。最初に試奏したのは、ヘリテイジが高額で買い取られた場合の第1希望のワインレッドの2000年製のレスポール・スタンダードでした。
ホッドロッドデラックスの結構歪むリードチャンネルで試したせいか、ミドルの強いリードトーンが出ました。分厚いトップメイプル、マホバックらしいトーンの素晴らしいギターです。クリーンにしても綺麗に出るので、その場で欲しくなりました。
ワインレッドのレスポールは、ビートルズのジョージがクラプトンにもらったあの57年製のレスポールを彷彿させます。次に、SG スペシャルを試しました。分厚いながらも握りやすい形のネックを持った瞬間、ピンときたのです。
SG ジュニアのフェイデッドは、2003年製で、高級指板であるエボニーが使われています。今ではSGの廉価バージョンである、スペシャルにエボニーは使用されておらず、ローズウッドか、メイプルを加工したものになっています。薄めのフェイデッド塗装はサテンに仕上げられていて、チェリーレッドが渋いです。
ネックの状態は、そこそこよく、フレットも7〜8割程度は残ってそうでした。フェイデッドの薄い塗膜のため、ボディ裏に多少の傷はありますが、そこまで気にならない程度の状態でした。
歪ませたセッティングで、ガツンとしたトーンが出ていました。レスポールの分厚さと違った歯切れの良さのあるトーンです。クリーンはレスポールの方が綺麗に鳴るのですが、歪ませた時のドライブ感は、SGの方が完全に好みでした。
筆者とヘリテイジの別れ 秋山氏撮影
クリーントーンからクランチは、最近購入したFender American Telecasterもありますし、セッティング次第で使えそうなトーンでした。よく歪むギターのトーンが必要だと感じていました。
ヘリテイジ H-157は、フロント、リアにセイモアダンカンのSH-1を搭載していたので、クリーンからクランチが得意なギターでした。これまでのギターと違うキャラクターが猛烈に欲しくなり、SGスペシャルを購入することにしました。
何よりも、金欠の今、ヘリテイジの査定しだいでは追い金無しで、購入できそうな6万6,000円というのも大きかったです。そこで、ヘリテイジの査定額を聞いてみると、5万円かっきりという結果が出ました。
店主によると、ネックの裏の塗装が問題で、売るためにはリフィニッシュする必要があるようです。確かに、色々と費用がかかるし、ここ以外で5万円は難しいと思い、SGを1,000円負けてもらうことにして購入しました。1万5,000円かかりましたが、中古のSGスペシャルをゲットしました!
ギブソン SG スペシャル 2003年製スペック
Gibson SG Special Faded 2003 | |
ボディ材 | マホガニー |
ネック材 | マホガニー |
指板材 | エボニー |
重さ kg | 3.0 |
PU | フロント Gibson 490R リア490T |
塗装 | フェイデッド(サテンフィニッシュ) |
衝撃の新品アウトレット品とスペシャルの中の等級
マクドにてネックの状態を確認する筆者 秋山タカオ撮影
せっかくここまでギター選びに付き合ってくれたタカオの、次に狙っているギターを見に行くことにしました。南海線でなんばまで行って、グレッチやらエピフォン・カジノなど友人の好きな箱物をチェックしていました。
SGは付属のあまりクッションのなさそうなソフトケースと、本体が3.0kgくらいということもありとても軽くて持ち運びしやすかったです。家にあるセットネック用のリッターのギグバッグで今後は背負って運搬することになりそうです。
そんな時、イケベ楽器の心斎橋店にギブソン・SG スペシャルのフェイデッドの新品特価品がありました!なんと、アウトレットで6万9,800円!これには少しショックを受けましたが、よく考えるとSGスペシャルには2つの等級があるのです。
最初にSGスタンダードと、SGスペシャルの違いから説明します。SGスペシャルは、ジュニアと同じくSGの廉価版バージョンです。大きな違いは、ネックのバインティングの有無とポジションマークがドット(点)であることです。
この他にも、クラウンのインレイが無かったりハムのカバーが無かったりしますが、マホガニーのボディとネックというのは共通していています。特に現代のモデルでは、2つの等級に別れていて、通常のスペシャルと廉価版のフェイデッドということになります。
フェイデッドの現行モデルの場合、指板材がメイプルを加工したものに変更されていて定価が8万円くらいと、かなり安価なギターになっています。2003年当時は、まだ指板が高級なエボニーが使われていたので定価で10万円くらい、中古で出ても6〜7万円するギターが、筆者が今回購入したSGスペシャルということになるのです。
エボニーの場合、見た目がローズウッドよりも黒くカッコいいというメリットがあります。前のヘリテイジもレスポール・カスタムタイプだったため、指板はエボニーでした。搭載されているピックアップは、ギブソン490R(フロント)と490T(リア)です。モダンなトーンを指向したパワーのあるタイプのPUです。
今回購入したSGスペシャル
2000年代当時は、フェイデッドにエボニーを使っていることからも、今のようにスペシャルの下位モデルというよりは、塗装の異なる別バージョンという扱いだったのでしょう。
ぶっちゃけ買った後にゴタゴタ考えてもしょうがないし、何より鳴りのいいギターが手に入ったので良しとします。買ってからしばらくは、ギター店に寄らない方が精神衛生上にはいいでしょう(笑)。ギブソンに限らずギターには個体に当たり外れがあるので、試奏したギターが気に入ったのなら、そのまま購入すべきです。
筆者がYouTubeに投稿した、この記事の動画バージョンです。
カタナギターズで、リペアされて売りに出されるH-157は、新たなオーナーの元で使われることを望みます。そう考えると、5万円でも引き取ってもらえて良かったです。丁度、下取りに出そうとしていた店にヘリテイジを購入した年と同じ2003年製のSGがあったことに運命を感じました。
今回お世話になったカタナギターズと、ギター選びに付き合ってくれたタカオに感謝しつつ、SGの微調整とアンプのセッティングをこれからやっていきます。
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