MotoGP 2019 アラゴンGPは、9月22日にスペインのモーターランド・アラゴンで開催されました。MotoGPの中でもストレートの長いサーキット(968m)ですが、テクニカルな区間も多いアラゴンで、王者マルク・マルケスの強さの目立つGPとなりました。
目次 この記事の内容
- FP1から圧倒的な速さのマルケス
- F1とバッティングしないための出走入れ替え
- マルケスの独走!ドゥカティとヤマハの表彰台争い
- ヤマハ失速の原因とは?
FP1から圧倒的な速さのマルケス
出典 https://www.honda.co.jp/ 圧倒的な強さのマルケス (アイキャッチ画像も同じ)
金曜日のFP1から、ディフェンディング・チャンピオンで、ポイントリーダーのマルケスの速さは圧倒的でした。タイム差でいうと2位以下に1秒以上の速さで、他のライダーの追随を許さないほどのものでした。
ぶっちゃけ、予選のセッションでもマルケスは速かったですが、フロントローに2台入ったヤマハのファビオ・クワッタハッホ選手と、マーヴェリック・ビニャーレス選手には、期待のできる予選結果でした。
予選で元気のなかった、ドゥカティ勢では、プラマックレーシングのジャック・ミラー選手が4位に入り、ここのところの速さに磨きがかかってきているような印象を受けました。
意外だったのが、5位のアレックス・エスパルガロ選手でした。弟のKTMライダー、ポル・エスパルガロ選手は、FP4での転倒で手首を負傷し、予選と決勝レースに出場できませんでした。
6位はヤマハファクトリーの偉大なライダー、バレンティーノ・ロッシ選手で、積極的にニューパーツを試していました。LCRホンダのカル・クラッチロー選手は、7位で同じチームの中上貴晶選手は14位とイマイチでした。
ホンダは、ホルヘ・ロレンソ選手の調子が上がらない以上、サテライトチームに頑張ってもらわないと、マルケスのみ強いイメージが定着してしまいます。
F1とバッティングしないための出走入れ替え
出典 https://race.yamaha-motor.co.jp/ クワッタハッホを抜くビニャーレス
同じ9月22日に、F1のシンガポールGPがあり、メインイベントであるMotoGPクラスの出走と被らないようにするため、Moto2とMotoGPの出走順を入れ替え、先にMotoGPから決勝レースを行うことになりました。
Moto3では、ルーキーの小椋藍選手が初表彰台となる2位に入り、日本人ライダーの活躍に期待できるリザルトとなりました。
MotoGpがスタートすると、マルケスが序盤からホールショットを取り、後続を早くも引き離していきます。1周目から、スズキのアレックス・リンスと、ヤマハのフランコ・モルビデリ選手が接触し、モルビデリは転倒し、リンスはレースに復帰しました。
序盤から、2位のミラーに2秒以上の差をつけたマルケスは独走状態になります。3位のクワッタハッホは、5周目にビニャーレスに抜かれ、4位に転落しました。ビニャーレスは、7ラップ目にミラーを抜き2位に上がります。
マルケスの独走!ドゥカティとヤマハの表彰台争い!
出典 https://www.ducati.com/ 終盤に猛追してきたドヴィツィオーゾ
しかし、徐々にドゥカティ勢が後ろから追いかけてきており、9周目にはドゥカティ・ワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手がクワッタハッホを抜いて4位に上がりました。
更に15周目には、ドヴィはミラーをもパスし、ついにビニャーレスを照準にとらえることができるようになったのです。そして、21周目、パワフルなドゥカティ・デスモセディチのストレートの速さを見せつけるように、ビニャーレスをパスします。ドゥカティは、ヤマハのYZR-M1に対し、7km以上の最高速の差がありました。
優勝は、圧倒的な差をつけて独走したマルケス、2位には終盤怒涛の巻き返しでドヴィが入りました。3位にはミラー、4位にはビニャーレス、5位にクワッタハッホ、6位にクラッチロー、7位にはアレイシ・エスパルガロ、8位にロッシ、9位にリンス、10位に中上が入りました。
ヤマハ失速の原因とは?
出典 https://race.yamaha-motor.co.jp/ 新パーツを導入したロッシのYZR-M1
ヤマハ勢では、中盤まで6位だったロッシが、徐々にペースを落とし、8位という結果になるなど後半にタイヤがもたないケースが続発しました。他のメーカーと異なり、フロントにミディアム、リアにハードタイヤを選択したためではないでしょうか?
ミシュランタイヤは、一応コンパウンドを柔らかめをソフト、固めをハードとしているのですが、今シーズン固めだからタイヤが持つとは限らなくなっています。ロッシによるとニューパーツの導入で、最高速はともかく加速方面での改善はあったようです。
しかし、モーターランド・アラゴンのようなサーキットで、リアにハードを選択せざるを得ないというところが、後半になればなるほどペースが落ちた原因ではないでしょうか?アラゴンに関してはセッティングの方向性が狭かったということになるからです。
そして、久しぶりに2台表彰台に入ったドゥカティですが、ランキング2位のドヴィと首位のマルケスの差は、5ポイント広がってしまいました。これでマルケスは大台の300ポイントとなり、ドヴィとは98ポイント差となりました。
次のタイGPで100ポイント以上つけると、文句なしのチャンピオン決定となり日本GPを待たずに決着がついてしまいそうです。マルケスのみが強いとつまらないので、他のライダー(特にクワッタハッホ)の頑張りに期待します。次戦はいよいよアジアでのMotoGPで、10月6日のタイGPです。
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