筆者は、ドイツ車に憧れています。クルマではポルシェ、アウディ、ベンツなどを好んでいます。そして四輪、二輪の両方でBMWには興味がつきません。
■BMWのバイクのイメージとは?
BMWのバイクのイメージは、高級であることとツーリングに向いていることの2つです。BMWのバイクのラインナップもツアラーが多く、アウトバーン(ドイツの高速道路)で培われた車体は、フェアリング(カウルなどのパーツによる整流効果)の信頼性が高いです。
前回、VFR800Fの記事でライバル不在と書きましたが、並列2気筒(パラツイン)のBMW F800GTは、充分に対抗馬として挙げられます。エンジン形式では被りませんが、ミドルサイズのフルカウルツアラーというジャンルでは、比較対象に出来ます。地味なポイントですが、プロアーム(片持ちスイングアーム)というところも共通しています。
BMW F800GTは、2013年から販売されているフルカウルツアラー車です。F800シリーズは他に、ネイキッドのR、クロスオーバースタイルのGSがあります。F800GTは、シリーズの中でもツーリングを意識したモデルで、センタースタンドやABS(アンチロック式ブレーキ)、グリップヒーターなどの装備も充実しています。
BMW F800GTは、F800S/STの後継車です。F800S/STは革新的な構造のパラツインバイクでした。
■BMW F800S/STとは?
BMW F800S
BMW F800S/STは、2006年に販売されたミドルクラスバイクです。スポーツ走行に適したセミカウルのSと、ツアラー志向の強いSTの2種類が用意されていました。
800ccのパラツインに、シート下のタンク、ベルトドライブなど革新的な機能が満載されていました。F800S/STに近い設計思想のバイクといえば、同じシート下タンクのバイク、ホンダのNCシリーズになるでしょう。
ホンダは通常のバイクのタンク部分にメットインを、BMWはエアクリーナーを配置しました。シート下タンクのメリットは、重心を下げられることです。デメリットはタンク容量が大きくできないことです。
BMW F800S/STは16リッター、F800GTは15リッターのタンク容量です。しかし、フラットな特性のパラツインエンジンは、リッターあたり29.4km(90km/h走行)と燃費がいいので航続距離に不安はありません。
BMWのバイクといえば、ボクサーツインのRシリーズです。低重心な水平対向2気筒エンジンの恩恵は絶大で、ベストセラーとなっているバイクです。F800S/STのシート下タンクも、BMWの乗り味を重視した結果からかもしれません。
■BMW F800GTのスペック
BMW F800Sのメーター
BMW F800GTは、F800S/STの基本設計をそのままに、エンジン出力を9PS向上した後継モデルです。走りの特性は変わっていませんが、STをベースによりツアラーとしての機能を強化したのがGTです。
※BMW F800GTスペック
BMW F800GT | |
最高出力(kw【PS】/rpm) | 66【90】/8,000 |
最大トルク(Nm【kgf・m】/rpm) | 86【8.77】/5,800 |
車体サイズ(mm) | 2,180×905×1,250 |
車両重量(kg) | 212 |
燃料タンク容量(L) | 15(リザーブ3) |
使用燃料 | ハイオク |
パラツインらしく、高回転エンジンではなくフラットな特性で、トルクは8.77kgf・mを5,800rpmで発生します。車重は、212kgと取り回しのしやすい重量です。
ミドルクラスツアラーとしての充分な性能と、低重心の設計思想は、峠や高速での走行を快適にするでしょう。筆者が普段乗っているNC750Sも低重心の取り回しのいいモデルです。NCに2年乗っていますが、転倒したことはありません。
BMW F800GTの価格は、141万5,000円です。日本の2気筒バイクの価格が7~80万円くらいですので、割高に感じてしまいます。
VFR800Fや、ニンジャ1000といった4気筒ツアラーモデルも視野に入ってくる価格になりますが、ミドルクラスのBMWのパラツインを体感できるのは、F800シリーズのみなのです。
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