今回紹介するバイクは、2016年から逆輸入車ではなく、国内正式販売となったカワサキ Ninja 650とZ650です。この2車種は、2006年よりER-6fとER-6nの名前で売られていました。
■Ninja650とZ650とは?
ホンダのNCシリーズが開発される前から安価なバイクとして海外で売られていたのですが、このER-6fとnは日本では逆輸入扱いで、ブライト(カワサキバイクの輸入車販売チャンネル)経由でないと購入できませんでした。日本ではER-4nとNinja400Rとして2010年からボアダウンして販売されていました。
普通2輪免許(125cc以上400cc未満)は、日本独自の制度です。650ccのバイクは日本だと排気量的に中途半端で、国内向けに400ccにボアダウンしたモデルを売っていたわけです。同じことは、ホンダのCB500シリーズにもいえることなのですが、ガラパゴス的な免許制度の弊害が、こんなところに出ているともいえます。
排気量で免許の種類を規定するのは、ぶっちゃけ小型2輪(125cc以下)だけでいいのではないでしょうか?実は普通2輪も大型2輪も乗り方は変わりませんし、安全性も大差ありません。それよりも原付制度を見直して、教習込みの小型に統一した方が、よほど安全だと思うのですが・・・。
■国内のミドルクラスバイクの活況
ホンダのNCシリーズや、ヤマハのMTシリーズの成功により、日本国内でも安価なミドルクラスバイクの需要があることが解りました。カワサキもこの流れに乗る形で、2017年モデルからのNinjaとZの国内正式販売に踏み切ったのだと思います。
スペックは、パラツインの650ccなのでそこまで高くはないですが、68PSと6.6kgf・mとそこそこの馬力とトルクがあるので、193kgの車重を加速させるには、充分以上のものがあります。
※Ninja 650スペック
Ninja 650 | |
最高出力 |
50kW(68PS)/8,000rpm |
最大トルク |
65N・m(6.6kgf・m)/6,500rpm |
重量 | 193kg |
使用燃料 | レギュラー |
価格 | 80万7,840円(消費税込み) |
他に気になるところは、タイヤサイズです。17インチの120/70と160/60サイズは、400ccにも採用されることが多いです。リアが17インチ180だと、ミドルクラスには太すぎて軽快さがなくなるので、丁度いいサイズだと思います。
■ミドルクラス随一の豪華装備!
NinjaとZの最大の特徴は、このクラス(60~80万円)でアシスト&スリッパークラッチを搭載していることです。簡単にいうと回転数を合わさなくてもシフトダウンしたときにバックトルクがかからないクラッチのことです。マニュアルミッションのバイクでは、シフトダウンは回転数を少し上げて、丁寧に繋がないと、回転数が合わなくなり、エンジンブレーキがかかった状態になり後輪がホッピングします。
僕も初心者のころは、裏金剛の下りでやらかしてしまい、後輪が一時的なロック状態になったことがあります。転倒しなかったのは、運が良かったからでしょう。
スリッパークラッチは、この状態を回避できる機能で、構造上の副産物として、クラッチが軽くなるという特典まで付いています。
そして、Ninja650にはカウルが付いているので高速走行などには、非常に向いています。ネイキッドバイクは確かに軽快さはあるのですが、高速道路だと風圧がきついです。自然に常識的な速度で巡航するようになるので、デメリットとは一概にいえませんが、長距離走行だと疲れます。
僕はポジションの関係で、NC750Sを選びましたが、高速ではカウルのあるXの方が楽です。最近、高速を使ったツーリングが増えてきたので、シールドの大型化を考えるほどです。
昔からカワサキは、ツーリング向けだといわれています。NinjaもZもどちらかというとオールマイティに使うことを想定して作られたバイクです。サーキット走行や峠オンリーならZX-6Rもしくは、ZX-10Rを購入するでしょう。
バイク関連の記事はこちら
ピンバック: BMW F800GT ドイツのアウトバーンで培われたミドルツアラー! | K.T Dogear+
ピンバック: スズキ SV650は伝統あるスズキのVツインエンジン! | K.T Dogear+