国会議事堂 1

国民を軽視した解散総選挙

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自民党は、9月28日の臨時国会において異例の冒頭解散をするとの報道が流れています。今回の臨時国会は、安倍首相の関与した疑いのある、森友、加計問題が争点になるはずでした。


解散総選挙の不可解さ

今の時期に選挙する自民党のメリットは、前述の森友、加計疑惑をうやむやにすること、野党の再編成が出来ていない隙をつくことです。民進党は、総裁選の影響で、党内のまとまりに欠けていて、他の政党との選挙協力もあいまいなままです。

森友、加計で解ったことは、誰も責任を取らないということです。国民は、安倍首相に対して失望し、内閣支持率は大幅にダウンしました。あれだけ国会で醜態をさらした政権は、あまり記憶にありません。政治家、官僚の質はここまで落ちたのかと思うと、怒るよりむしろ悲しくなりました。

自民党のみが長期に政権を担ってきたことのツケを垣間見たような気がしました。官僚は、国民の税金をいらない学部新設に注ぎ込み、森友学園の幼稚園では、教育勅語などの戦前教育を行っていて、その名誉校長が総理夫人だったとは・・・。

一方で野党は、最大勢力である民進党に元気がありません。前原、枝野両氏による、総裁選の結果、前原氏が民進党の新しい代表となりました。しかし、党内でのまとまりに欠け、離脱していく議員が増えていくありさまです。

正直、現状は芳しくありません。悪夢のような無責任な与党に、腐敗しきった官僚組織、政権を担える野党の不在、国民の政治への無関心・・・。こんな状態で選挙したとして、国民に選択権があるのでしょうか?また、今の議員を再選する価値は?

過剰に演出された危機

ドニエプルロケット

北朝鮮のミサイル実験は、確かに国防上の脅威です。しかし、既にIRBM(中距離弾道弾)が開発されている段階で、日本は北朝鮮のミサイルを防ぐことはできません。残念ながら、音速の20倍(マッハ20)で飛んでくるミサイルは、迎撃できないのが現状です。アメリカから購入したTHAADミサイルは、X-BANDレーダーが弾道ミサイルの発射を確認してから迎撃しますが、それでは遅いのです。

北朝鮮のムスダン(火星)は、2007年頃には、軍事パレードで確認されているミサイルです。2016年には、ロフテッド軌道(通常より高い軌道)での発射実験に成功しています。

また、最近の水爆実験の成功など、MIRV(多弾頭)化に向けての準備も順調に進められています。現状では、簡単なデコイを混ぜられただけでも、迎撃出来る可能性は、ゼロに近いのです。

軍事について、素人すぎる日本の内閣は、お金ばかりかかって成果のでないミサイル防衛(MD)計画に巨費を投じました。また、Jアラートなどの対策は、対爆シェルターの確保がなければ現実的ではありません。

最近、頻繁に行なわれているミサイル発射実験に、核弾頭は搭載されていないのです。どこの国家に、宣戦布告もせずに、核ミサイルをぶっ放す指導者がいますか?ICBM(大陸間弾道ミサイル)を製造されたら困るのは、アメリカであって、日本ではないのです。

各メディアのあきれた対応

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最初に違和感を感じたのは、NHKです。某会長になってからのNHKの報道は、明らかに安倍政権の広告塔となっていきました。役にもたたないJアラートの情報を垂れ流し、逃げる場所のない国民の危機感のみを煽りました。

ぶっちゃけ、空母を日本近海に派遣しようとしたアメリカのトランプ大統領の対応の方が怖いです。核兵器は、最後の手段であって、使えば最後その国家は、他国のミサイルの標的にされるのです。

僕が、北朝鮮の指導者なら最初に攻撃するのは、ソウルと空母です。敵国の指揮系統から寸断することから始まると思うので、一番危険なのは、間違いなく韓国です。

迎撃の可能性が、ゼロに近いミサイル防衛とレーダーシステムに一縷の望みをかけて北朝鮮と戦争するか、外交で問題を解決するかの2通りです。この場合、日本の国益を考えるならば、間違いなく後者の方を選ぶべきです。

日本は、現在アメリカの核の傘の下で庇護されている国家です。情けないことに、日米安保という本当に機能するかどうかわからないものに守られているのです。

正直、今の日本には、北朝鮮のミサイル基地を破壊する能力はありません。まず、憲法で他国に攻撃できないことになっているからです。航空自衛隊にも、支援戦闘機(攻撃機のこと)に空対地ミサイルを搭載していません(投下型爆弾の装備はあり)。

アメリカに巻き込まれても、肝心の攻撃能力は不足しています。おまけに対爆シェルターもなし、ナイナイづくしの状態で、北朝鮮とアメリカのためにもめるっておかしくないですか?

僕が外交官なら、さっさとトランプを説得して、核軍縮の交渉に入ります。なぜ、危機を演出する必要があるのか、また、煽っておいて解散総選挙とか、もう意味がわかりません。断言できるのは、今の安倍政権には、国難に対応する能力がこれっぽっちもないということです。

選挙の重要性

選挙ボード

ここまで露骨に、国民の選択する権利を無視した解散総選挙は始めてでしょう。これは、国民の主権への侵害です。正直、ここまで馬鹿にされて怒らない国民はいないです。

この際だから、はっきり書きます。今の自民党は、腐りきっています。ぜひ、選挙に行って、自民党以外の政党に票を集めましょう。自民党と公明党、補完勢力の維新などには投票しないことこそが、日本の国益、そして国民のためになります。

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