ホンダが作ったNCシリーズは、世界的なヒット作となり、安価なミドルクラスバイクの一つの指標のようなものになりました。ヤマハは、ホンダのライバル社として、手を拱いているわけはなく、新たなマシンを開発しました。
■NCシリーズに対抗するマシンはMTシリーズから始まった!
MTシリーズと名付けられたバイクは、最初に2つの排気量が用意されました。2014年に販売された3気筒の845ccのMT-09と、2気筒689ccのMT-07です。MT-09は、より刺激を求めるライダーのために開発されたマシンです。750ccのNCシリーズの直接のライバルといえば、MT-07でしょう。
実際、僕もNC750Sを検討したときに、このMT-07は候補のうちの1台でした。NCと値段があまり変わらないし、なにより動力性能はこちらの方が上です。後述する理由がなければ、MT-07を選んでいたかもしれません。峠やサーキットでは、間違いなくMT-07の方が上でしょう。スペックが違います。
同じ水冷のパラツインですが、エンジンはDOHC、より高回転型のエンジンです。6,500回転で頭打ちするNCと比較して、MT-07は9,000回転以上回ります。最大出力73PS、最大トルクが6.9kgf・mのMT-07に対して、NC750Sは、54PS、6.9kgf・mでしかありません。車重も、NCの216kgに対して、MT-07は164kgと250ccのマシン並みです。
■NCを選んだ理由
理由は簡単です。大型バイクらしさを味わいたかったからです。VTRもバンディットも軽量なバイクでした。250ccの排気量なので、エンジンは非力でした。せっかく大型2輪免許を取得したので、200kg以上の車重のバイクを乗りこなしてみたかったのです。
それに、普通に楽しく峠を走るなら、馬力よりトルクが重要でした。確かに同じ6.9kgf・mですが、NCの方が低回転で最大トルクを発揮します。ということは、大型らしさがあるのは、NCの方だということになります。
なにより、ツーリングに便利なメットインスペースがあります。MT-07はタンクバッグの付けにくい樹脂性タンクでした。大型の排気量なら上まで回すシチュエーション自体が少ないので、NCで充分だったというのもポイントでした。他には、ホンダの運転免許キャンペーンで、大型2輪の取得費用が6万円ほどキャッシュバックされるからというのもありました。
しかし、このMT-07、いいバイクだと思います。ツーリングユースでなく、峠主体なら間違いなくこちらを選んでいたと思います。同じように安価なマシンを開発しましたが、ホンダとヤマハでは方向性が180度違っていました。ユーザーの棲み分けにもなるので、好みで選んでも後悔しないでしょう。
※2018年追記
ヤマハ XSR700
ヤマハは、XSR700というMT-07ベースの新型バイクを国内向けに2017年11月から販売開始しています。ネオレトロともいうべき丸型ヘッドライトのバイクで、SR400のようにカスタムベースとして2016年に先行販売されたヨーロッパでは人気のあるバイクです。
僕としては、国内向けにトレーサー700も期待しています!
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