前回は、ジムニーのことを書いたので、バイクのオフロード車の代表格であるヤマハ セローを紹介します。実は、オフ車はどこでも走られるオールラウンダーなバイクで、取り回しも軽く、ツーリングに向いています。
■ヤマハのロングセラーも生産中止?
冬はロードバイクだと、転倒のリスクが高く、なかなか走るのに覚悟が必要です。トレールバイクの代表格、セローなら気軽に出かけることが出来ます。
セローは、225ccのトレールバイクとして1985年に販売されました。スペック重視の時代に逆行するような、どこでも走られる足つきのいいオフロードバイクとして開発され、空冷OHCの単気筒エンジンという、軽量で低速でも粘りのあるパワーユニットを採用しました。
SEROWとは、カモシカのことで、とことこ走る二足二輪というコンセプトにふさわしいバイクだったのです。セローは、オフロードやツーリングを愛するライダーに支持され続け、2004年まで生産されました。
2005年には、フルモデルチェンジしたセロー250が発表されました。250ccとなったエンジンは、以前よりパワーがあり高速道路での走行性能が向上しました。
フレームが一新したことで、外観も大きく変わり、ツーリング性能を向上したモデルに生まれ変わったのです。トレールモデルとしては、先代セロー225の方が10kg軽く、こちらを好むライダーもいますが、総合力という点では250の方に軍配が上がります。
セロー250もロングセラーとなり、林道を含めたツーリングに最適なバイクとして支持され続けました。しかし、2017年には、排ガス規制のため生産終了が発表されています。同じくロングセラーのSR400も含めての生産終了は、多くのライダーにとって事件でした。
しかし、ヤマハはセローの新型を開発中であると発表しているので、来年あたりのモーターショーが楽しみです。
■日本の林道にセローが最適な理由とは?
ジムニーの記事でも書きましたが、日本の林道は狭いです。大きなサイズのバイクより、小排気量のオフロード車なら軽量なため、Uターンも容易です。
大排気量のオフロードバイクの代表格、アフリカツインやスーパーテネレより250ccクラスのオフ車の方が、林道走行に向いているのです。その中でも、足つきが良く転倒しても壊れにくいセローは、最も林道に適したモデルといえるでしょう。
最近登場したホンダCRF250Lは、フルサイズのオフロードバイクです。以前、試乗したときには、セローよりも足つきは悪いですが、結構サスが沈むので、そこそこ取り回せられるように感じました。
ただ、燃料タンクの容量が7.8Lと少なく、車重も144kgとセロー250よりも14kg重いので、トレールバイクとしては、セローの方が上でしょう。ただ、エンジン最高出力は、24PSとセロー250の18PSを上回っていますので、高速巡航が多いならCRFをおすすめします。
同じクラスでおすすめのオフ車といえば、カワサキのKLX250ですが2016年に生産終了しています。
※セロー250スペック(最終型)
ヤマハ セロー250 | |
最高出力 kW【PS】/rpm | 14【18】/7,500 |
最大トルク N・m【kgf・m】/rpm | 18【1.9】/6,500 |
車体サイズ mm | 2,100×805×1,160 |
車両重量 kg | 130 |
燃料タンク容量 L | 9.6 |
使用燃料 | 無鉛レギュラー |
■セローの登場するマンガ
出典 https://www.amazon.co.jp/
セローの登場するマンガといえば、新谷かおるの『左のオクロック』です。月刊少年キャプテンで1988年に連載されていました。主人公篠崎由宇が、バイクで日本1周をするツーリング漫画です。
主人公の愛車が、ヤマハ セロー225だったことからわかるとおりバリ伝や風を抜けとは、一線を画するバイク漫画でした。結構人気があり、徳間ジャパンからOVAとしてアニメ化されています。
新谷かおるは、『ふたり鷹』でもバイク漫画を描いているので、そちらもおすすめです。
■セローは今が買い時?
セローは、生産終了となり、来年に新型が出る可能性があります。しかし、バイクに限らず初期ロットの製品にはトラブルがあったりします。長期間製造された最終型のセロー250を新車で買うなら在庫車の残っている今しかありません。
中古でいいなら、新型が出た後の方が値段が安くなるので待ちましょう。その場合はなるべく信頼できるショップで購入するといいでしょう。
セローは、ツーリングにも、林道にも適したバイクです。理想は、大型バイクとオフ車の2台体制ですが、駐輪スペースが限られているため、しばらくはNC750Sの1台体制のままでしょうね(涙)。
※2018年8月追記
2018年8月31日から、新型セロー250の販売予定です。空冷のままで復活し、外観や仕様などに大幅な変更はありません。マイナーチェンジのようですが、エンジンの最大出力は2PSアップの20PS、最大トルクも0.2kgf・mアップの2.1kgf・mです。
セローが販売継続ということになり、国内メーカーの250ccのオフ車がCRF250L/ラリーと選択できるようになりました。後は、カワサキやスズキからもリリースして欲しいところです。
*2019年12月追記
ヤマハは、2020年1月に販売されるセロー250のファイナルエディションを持って、35年の歴史に終止符を打つと発表しました。つまり、このファイナルエディション以降のセローは生産されないことになるのです。
入れ替わるようにしてカワサキからKLX230の販売が開始されましたが、長年トレール車の定番だったセローがなくなるのはとても寂しいことです。
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