霊魔の街:妖しい雰囲気のある特撮伝奇もの

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霊魔の街』は、久しぶりに見応えのある特撮番組でした。関西では、京都テレビで2018年の7月から8月に深夜放送されていました。ホラーとアクションが融合した特撮伝奇ドラマというべき作品を紹介したいと思います。

新感覚の伝奇ホラー

出典 http://5ch.uxtv.jp/bangumi/reima/

山田愛奈演じる榊里桜

最近の特撮ものだと雨宮慶太監督の『牙狼』くらいしか、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズと比肩しうる作品はありませんでした。長く続きすぎてネタ切れになりつつある既存の特撮作品だけでは、物足りない日々が続いていました。

2018年の夏アニメが始まり、いつものように深夜枠をチェックしていると、『霊魔の街』というタイトルが目に付きました。京都テレビの水曜日の深夜だったと思います。どうやら30分ドラマらしいのですが、それほど期待せずに録画しておきました。

僕は2話から見たのですが、ホラーもののような怪しいオープニングに度肝を抜かれました。オープニングには、水と巫女と汽車というホラーには欠かせない要素が含まれていました。

失踪した姉の榊舞桜を妹の榊里桜が捜索する過程で、霊魔という怨霊のような存在による事件を追っていくというストーリーです。美人女優の山田愛奈が、主人公榊里桜として出演していて、作品の雰囲気にぴったりな佇まいがありました。

毎回のように新潟のとある街(ロケ地は五泉市)での霊魔による事件が起きます。榊里桜は、姉から送られた住所を訪れ、霊魔の痕跡をたどります。姉のメールにあった「闇を祓う鬼」を探すのですが、たいてい事件が起こった後になります。

霊魔は、人に憑依して負の感情を増幅させ、人を襲います。ウルトラQやトワイライト・ゾーンのように1話ごとのオムニバス形式で物語は進行し、霊魔に憑かれた人間と、それに関わる人々の物語を、榊里桜が調査します。怪奇小説家である榊里桜は、いわば語り部のような立ち位置であり、事件の当事者が各話ごとに登場していきます。

ヒーローは退魔師?意外と物理攻撃が得意

いよいよ霊魔に登場人物が襲われるというときに、登場してくるヒーローがいます。霊魔を狩る鬼こと脇崎智史演じる鬼崎陣です。霊魔のデザインは、怨霊と怪人を足して2で割ったような感じなのですが、鬼崎陣は普通の人間の姿をしています。

鬼崎は退魔師のわりには、物理攻撃ばかりします(笑)。普通に格闘技と、剣でとどめを刺しています。霊魔もなぜか格闘攻撃が多いです(大汗)。霊魔は鬼崎に対しては、憑依した人間のように精神的に操ることができないようです。

その鬼崎に霊魔の存在を告げる巫女が夜見御前というのですが、妖しいオープニングに出てくるのもこの人です。祝詞のようなBGMと共に、腕をくねくねさせながら登場することが多いです(汗)。夜見御前のセリフもやたらと空間系エフェクトが深めにかかっています。

実際に夜見御前が総ての秘密を知ってそうなのですが、はっきりしたことが解らないまま本編は6話で終了しました。霊魔のデザインが似通っていることから、予算が少ないことは想像していたのですが、1クール12話のところが6話で打ち切りとなっています。

残りの6話分は、低予算で作られたご当地ヒーローものでなんとか乗り切ったそうなのですが、続編を早く作ってもらいたいです。

ホラーテイストな特撮の歴史

出典 https://www.cbs.com/shows/the_twilight_zone/

CBSの放送していたSFテレビドラマシリーズとして、人気を博していた作品が、”The Twilight Zone“です。1959年から1964年まで5シーズン放送され、各話24~25分ずつ(第4シーズンのみ1時間番組)全156話まで続いたSFXを駆使したシリーズです。

脚本家のロッド・サーリングがホスト役で出ています。トワイライト・ゾーンは、SFものということなのですが、ホラーテイストの強いシリーズです。日本では、『ミステリー・ゾーン』として1960年に放送されています。


日本の特撮テレビドラマとして、忘れてはいけないのが、『ウルトラQ』です。1966年に、30分枠の全28話放送されました。後番組があの『ウルトラマン』ですが、ウルトラQは、怪奇ものとしての側面が強く出ています。

製作は円谷プロで、社長の円谷英二の指揮のもと息子の円谷一などが監督をしていました。トワイライト・ゾーンなどのアメリカのSFテレビドラマを強く意識しながらも、怪獣をキャラクター化するなど、独自のテイストが盛り込まれています。

一番初期の『仮面ライダー』も怪奇テイストの強い特撮ヒーローものでした。1971年に放送された当初は、子供番組というよりはティーン向けのハードな路線で、ショッカーの怪人もおどろおどろしいデザインが中心でした。

仮面ライダー1号も、旧バージョンは全身が黒く後の新1号とはイメージが異なります。主演の藤岡弘の怪我がもとで、14話の『魔人サボテグロンの襲来』で2号ライダーが登場するまでは、怪奇路線は続いていました。

深夜番組で人気のあった『奇妙な出来事』からゴールデン枠に移行したフジテレビの『世にも奇妙な物語』も忘れてはならない番組です。1990年に最初のシリーズが1時間枠で放送され、1992年の第3シーズン終了後には、不定期で放送されています。

特撮番組というよりは、恐怖と怪奇のドラマシリーズという趣きですが、トワイライト・ゾーンなどの怪奇特撮ものの影響を受けている番組でした。タモリがストーリーテラーとして出演しているのも印象的でした。

霊魔の街は特撮の伝統を踏襲した作品である

霊魔の街は、色々な意味で怪奇ものという側面から特撮の伝統を引き継いだ作品といえます。脚本は『ウルトラマンダイナ』、『ウルトラマンネクサス』の長谷川圭一、監督は『ウルトラマンマックス』、”ULTRASEVEN X”の八木毅です。

円谷プロ関係の作品を手がけたスタッフが、ウルトラシリーズの原点ともいえるホラーテイストの強い特撮を作ったということは感慨深いです。途中で終わってしまったのは残念ですが、こういった雰囲気の作品は少ないので、ぜひ残りの回を作って欲しいです。

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