Rock名盤解説 File19:Queen The Game

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1980年に発表されたイギリスのロックバンドQueenの8作目のスタジオアルバム”The Game“はアメリカでのクイーンの最大のヒットを記録しました。

フレディのイメージチェンジとシンセサイザーの導入

髪を切ってヒゲを伸ばしたフレディ

ザ・ゲームは、クイーンの転機となったアルバムです。1979年に初のライブアルバム”Live Killers“を発表したばかりの1979年の夏の間にミュンヘンで1回目のセッションを行いました。第1弾シングル”Crazy Little Thing Called Love“を含む4曲が録音されました。

ラインハルト・マックを新しいプロデューサーに選んだ結果、ミュンヘン(西ドイツ)のミュージック・ランド・スタジオで録音することになりました。曲作りやデモテープ制作をある程度済ませてからスタジオ入りするこれまでとは違って、曲を作りながらスタジオ作業をするという制作方法をとっていました。

Flash Gordon“のサウンドトラック作りと並行して作業していたため、2回に分けてセッションが行われました。1980年2~5月で後半のセッションをしました。ラインハルト・マックにより、テクノサウンドが導入され、シンセサイザーを本格的に導入したアルバムでもあります。

6作目のアルバム”News of The World“で初めてNo synths’クレジットは無くなりました。しかし、これはハーモナイザーを部分的に使用したことからなので、本格的なシンセの使用は、ザ・ゲーム以降となります。

また、クイーンのフロントマン、フレディ・マーキュリーの髪を短髪にして、ヒゲをたくわえた姿は、このアルバム以降に定着していきます。

The Game解説

出典 https://www.amazon.co.jp/

Play The Game“は、フレディ・マーキュリーの曲です。徐々に曲が盛り上がってくる従来のクイーンの様式美は健在で、フレディのピアノと、途中から入るブライアン・メイのリードギターが印象的な曲です。シンセサイザーは入っているものの、今までのクイーンらしさを一番感じる曲でもあります。

2曲目の”Dragon Attack“は、当時流行していたディスコナンバーのリズムを取り入れたブライアン・メイの曲です。3曲目の”Another One Bites The Dust“も同じくディスコナンバーを意識した曲です。ベースのジョン・ディーコンが作曲し、ドラムのロジャー・テイラーが、バスドラに毛布を詰めて乾いた音を出しています。

このAnother One Bites The Dust(邦題地獄へ道づれ)は、第4弾シングルとしてリリースされ、全米No1ヒットとなりました。この2曲は、積極的に新しい音をものにしていこうとしているクイーンの姿勢の象徴です。

この地獄へ道づれを、当時付き合いのあったマイケル・ジャクソンに提供しようとしたところ、「クイーンが歌うべきだ」といわれたので、ザ・ゲームに収録することが決まったようです。ロジャー・テイラーは、クイーンの曲として売り出すことに難色を示しましたが、結局シングルカットされました。

北米進出に多大な貢献をした曲ですが、従来のファンには受け入れがたい曲でもありました。結局、マイケルとロジャー両方の意見は正しかったわけです。ちなみにこの曲のカッティングは、テレキャスターを使用しています。


5曲目の”Crazy Little Thing Called Love(邦題愛という名の欲望)”は、最初のセッションの曲で、1979年10月に先行販売された大ヒットシングルです。この曲では珍しく、フレディ・マーキュリーがギターを弾いています。フレディがアコギで簡単なコードのギターで弾いてから、後でブライアンのギターをオーバーダブしたようです。

この愛という名の欲望のPVで、珍しくブライアンが自作のギター、レッド・スペシャルでなく、黒いフェンダー・テレキャスターを弾いています。これは、プロデューサーのラインハルト・マックの指示だといわれています。

個人的にこのアルバムの裏名曲は、8曲目の”Sail Away Sweet Sister“だと思います。ブライアン・メイの曲で、リードボーカルはロジャー・テイラーです。メロディラインの美しさや、コーラスワークの厚みといい、これぞクイーン!という出来の曲なので是非聴いてもらいたいナンバーです。

10曲目の”Save Me“もクイーンらしい音の広がりを持つ、ゴージャスな曲で静から動に移るタイミングでのブライアンのギターが泣かせます。この曲ではおそらくいつもとおりレッド・スペシャルを使用しています(トーンから判別可能)。

セイブ・ミーは、1980年1月に第2弾シングルとして発表されています。最後の曲に壮大な感じのセイブ・ミーを持ってくるあたりがクイーンらしさだと思います。途中で、ディスコナンバーを意識した曲はあるものの、総じてクイーンにしかできない豪華なサウンドを構築しているアルバムです。

今までのクイーンのやり方から一歩進んで、新たな領域にチャレンジした名盤です。クイーンはこのアルバムでイギリスだけでなく、アメリカでもナンバーワンヒットを飛ばしたのでした。

ブライアン・メイの使用機材について

ブライアン・メイとレッド・スペシャル

ブライアン・メイのギターといえば、レッド・スペシャルです。このギターは、ブライアンが16才の1963年8月から父親と共に自作したギターで、完成したのは18ヵ月後の1965年1月のことでした。

ボディはオーク材で、ネックは使い捨ての暖炉のマホガニー、ピックアップはバーンズで市販されていた1個3ギニーのものを改良して取り付けました。

またピックも独特で、6ペンスコインを使用しています。ザ・ゲームでは、フェンダーの黒いテレキャスターを使用しています。後、初期の頃のバックアップ用のギターとして、ギブソンのレスポール・デラックスを使用していたとの報告もあります。

レッド・スペシャルはギルドが完全にコピーしたモデルがブライアン監修で製作されたことがあります。1983年から1986年の時期です。今では、Brian May Guitarsというブライアン自身のブランドから、レッド・スペシャルのコピーモデルを販売しています。

アンプは、基本的にVOXのAC30がメインです。これに改造を加えたものを使用しています。他に有名なのが、ディーキーアンプと呼ばれる、ジョン・ディーコンが自作した小型アンプで、主にレコーディングで使用されていました。

エフェクターとして有名なのが、ジョン・ディーコンが製作したトレブルブースターで、トレブルとミドルを持ち上げる効果のあるものでした。このトレブルブースターは、後にピート・コーニッシュが新しく製作します。ピート・コーニッシュは、ブライアンのエフェクトシステムも構築しています。

初期から中期のクイーンは、シンセサイザーを使わずに豪華絢爛なアルバムを製作していました。ザ・ゲームは、80年代以降のクイーンの傑作アルバムです。後の“Innuendo”や”Made in Heaven”も好きなアルバムですが、1980年代以降のクイーンといえば、ザ・ゲームです。

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