Gibson Les Paul Custom特集!レスポール・カスタムは高級機?ロックのイメージは70年代から!

Pocket

今回は、みんな大好きギブソン・レスポール・カスタム特集です。Gibson Les Paul Customといえば、今ではロックのイメージがあります。しかし、最初に製造された1950年代はむしろ高級ギターのイメージでした。

目次 この記事の内容

  • tkd69も愛用していたレスポール・カスタム
  • レスポール・カスタムの歴史
  • 1968年以降の再販モデルについて
  • 2012年からはリッチライト?ようやくエボニー復活!
  • カスタムの特徴
  • 現行ギブソン・レスポール・カスタム

tkd69も愛用していたカスタム

筆者が長年愛用したHeritage H-157

筆者こと、tkd69も長年愛用していたのは、Heritage H-157というレスポール・カスタムでした。なんだ、ギブソンじゃないじゃん!って思ったアナタ、ヘリテイジはカラマズー工場のことなので、80年代までのギブソンに近いのは、ヘリテイジの方ですよ!

2003年に新品購入してから16年愛用し、ボロボロになってしまい現在は売却してしまいましたが、最高のギターでした。日本では、レスポール・カスタム=ロックっていうイメージがあるのは、シーナ&ロケッツの鮎川誠が使っているからということにつきます。

実際、このヘリテイジを売却してからギターを4本くらい買い替えて、今のギブソン・レスポール・クラシックで落ち着くまで、2年もかかりました(大汗)。

筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。

レスポール・カスタムのお気に入りのポイントは、ブラックのカッコいい塗装にゴールドの高級感のあるパーツ類という見た目と、エボニー指板による抜けのいいトーンです。筆者が所有していたH-157はマホガニーバックに、1ピースのメイプルのトップ材によって締まりのあるローミッドが出つつ音がカキーンとしていました。

50年代のモデルは、1ピースのマホガニーボディだったようですが、68年以降に再販されたモデルは、トップメイプルが多いようです。今回は、レスポール・カスタムの歴史から遡って解説していきます。

レスポール・カスタムの歴史

ギブソン・レスポール・カスタムとレスポール氏

1952年にレスポール氏とギブソンの共同開発によって販売開始された、Gibson Les Paulモデルですが、1954年から高級仕様のCustomが用意されていました。ツヤありのブラック仕上げと、スプラグ社製160P 0.47μF/400vというコンデンサーの愛称から、「ブラック・ビューティー」と呼ばれていました。

そもそも、ボディとネック材が豪華な1ピースマホガニーという仕様で、トップメイプルではないという特徴がありました。50年代から高価なエボニー指板(スタンダードはローズウッド)を使っていました。

ブラックの塗装は、メイプルと違って綺麗な杢目がでないマホガニーを塗りつぶすためとか、タキシードの似合うカラーを選んだからという説もありますが、どうやらピアノなどの高級さをイメージして選んだカラーらしいです。当時は、カスタムは黒一色のみでした。

1954年製の近年のリィシューモデル

実際に、1959年のギブソンのカタログでは、スタンダードが265ドルだったのに対して、カスタムは395ドル(共にケースは別売り)で130ドルも高かったことになります。当初は、ジャズなどのプレーヤーが使用していました。1954年から1956年に作られたモデルは、アルニコVのパワーのあるP-480がフロントPUに、リアはP-90という構成でした。

1957年からPAFこと最初のハムバッキングPUがセス・ラバー氏によって開発され、レスポールにはカスタム含めて、ハムバッカーPUが搭載されるようになります。スタンダードは58年からカラーリング変更され、いわゆるバーストモデルが販売開始されます。しかし、1961年から、SGシェイプのボディにモデルチェンジされます。

1960年あたりは、レスポールの人気がなく、フルモデルチェンジの形でダブルカッタウェイのボディのモデルが登場しました。カスタムもラインナップされましたが、レス・ポール氏は、これを認めなかったため、SGモデルという名前に1963年から変更されています。

1968年以降の再販モデルについて

1968年〜1969年モデルのレスポール・カスタム

1960年代より、エリック・クラプトンやマイク・ブルームフィールドがレスポール・スタンダードを使い始め、ジミー・ペイジが愛用するようになるとロックのアイコンとして知られるようになります。

ただ、この時期は、デュアン・オールマンのようにいわゆるサンバーストのスタンダードを使うギタリストが多く、60年代時点ではロック=レスポール・スタンダードというイメージがありました。

SGシェイプよりもシングルカッタウェイのレスポールの再販を待ち望む声に応えるように、1968年からギブソンはレスポールを再販しました。ところが、P-90仕様のゴールドトップと普通のハムはカスタムのみでした。

69年からはミニハムを搭載したレスポール・デラックスが登場しましたが、通常のハムはカスタムしか選択肢がなかったのです。この時期、そのためにカスタムの人気があり、ボディ材の構成も変化しています。つまりメイプルトップ、マホガニーバック構造のレスポール・カスタムは68年からの再販カスタムから採用されたものでした。

この再販レスポール・カスタムは、7〜80年代のロック・ギタリストに愛用されることが多く、70年代以降はロックのアイコンとしてのイメージを確立したのです。


1969年中頃からは、バック材のマホガニーは間にメイプルを挟みこむ、いわゆるパンケーキ構造となっています。ネック材のマホガニーも3ピース構造となっています。また、ボディカラーもブラックだけでなく、ホワイトやサンバーストカラーなど、様々なものが出ました。

70年代中盤には、待望のハムPU搭載のレスポール・スタンダードが再販されるようになり、デラックスはあまり作られなくなりました。そんな時期でも、カスタムは上位機種としての存在感があったのは、68年以降のレスポールを支えていたモデルだったからでしょう。

2012年からはリッチライト?ようやくエボニー復活!

2021年モデルはエボニー指板が復活している

80年代中頃には、カラマズー工場からナッシュビル工場に完全に移転され、レスポールの生産ラインもスタンダードとカスタムの2機種が中心になっていきます。材の構成もメイプル3ピース、マホガニー1ピースバックになりました。

90年代〜2000年代に一番大きな転機といえば、1992年にナッシュビル工場に隣接する形で作られたカスタムショップ工房でしょう。レスポールのカスタムショップモデルは、1994年から販売開始されています。

レスポール・カスタムは、2004年からカスタムショップのみでの生産となりました。また2012年からは、リッチライトと呼ばれる人工木材を使っています。その原因は、エボニー材が入手困難になったためと言われています。しかし、最近のモデルからエボニーの規制が撤廃されたため、エボニー指板のモデルが復活してきています。

カスタムの特徴

スプリット・ダイヤモンド・インレイがヘッドに施されている

エボニー指板による、音抜けのいいトーンとブラックの塗装、高級感のあるゴールドパーツは前述しました。これ以外には多層構造のバインディングやスプリット・ダイヤモンド・インレイと呼ばれる菱形の5分割のインレイがネックヘッド部分に、長方形のインレイが指板の1フレットから象嵌されていることです。

また、センターにハムPUを搭載した3ハムモデルも存在しています。ランディ・ローズが使用していたことで知られているホワイトのカスタムも80年代頃から人気となり定番になっています。

主な使用ミュージシャン

シーナ&ロケッツの鮎川誠

キッスの初代リードギタリストのエース・フレーリーは、サンバーストの3PUモデルのカスタムを愛用していました。そういえば、PUから煙が上がるおバカな改造が、さすがエース!って感じします。

シン・リジィやホワイトスネイクのギタリスト、ジョン・サイクスのカスタムはメイプルネックの70年代のものです。オープンタイプのPUにミラーピックガード、クロームパーツ仕様といった独特のルックスに改造されたモデルです。

ピーター・フランプトンといえば、3PU仕様のレスポール・カスタムですが、一度貨物機の事故で失われたものが、30年以上経過してからピーターの元に戻ったという逸話があります。

そして、なんと言っても日本のバンド、シーナ&ロケッツのギタリスト、鮎川誠のレスポール・カスタムです。メイプルトップ、マホガニー1ピースバックの漢の1969年製!ぶっちゃけ、日本のカスタム人気は鮎川さんによるものです。

90年代だとマニック・ストリート・プリーチャーズのギタリスト、ジェームズ・ディーン・ブラッドフィールドが白いレスポール・カスタムを使っていました。

現行ギブソン・レスポール・カスタム

現行のギブソン・レスポール・カスタムは、カスタムショップで生産されています。オーソドックスなレスポール・カスタムは、メイプルトップ、マホガニーバック、エボニー指板の典型的なカスタムで、黒の他に白もラインナップされています。

1957年製を模した、ハム仕様の57年製モデルは、マホガニー1ピースボディとなっており、オリジナルに近い材の構成のギターです。そして、ロックのアイコンとも言える68年製レスポール・カスタム仕様もラインナップされており、人気のあるカスタムは全て網羅している印象を受けました。

他にも、アクセス・カスタムと呼ばれる現代風のモデルも存在します。アーミングを激しく使うギタリスト向けのフロイドローズ搭載モデルや、ストップテールピース仕様のモデルなどがあります。

アーティストモデルを除くと2021年の時点では5種類のカスタムが確認できており、現在でもレスポールカスタムの人気がうかがえます。一番スタンダードなレスポール・カスタムでも新品だと50万円以上します。

ぶっちゃけ、中古でも30万円以上するので、カスタムショップで作られるようになってから高価なイメージで、文字どおりの高級ギターって感じになりました。狙い目は90〜2000年代のレギュラーラインの中古で、状態にもよりますが10万円台〜20万円あたりで購入できます。

ギターの関連記事はこちら

 

Gibson Les Paul Custom特集!レスポール・カスタムは高級機?ロックのイメージは70年代から!」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 5〜60年代エレキギターの価格について:当時の価値は洗濯機や冷蔵庫並み? | K.T Dogear+

  2. ピンバック: ギブソン・レスポール・クラシックを購入:現行レスポールでお買い得なギター! | K.T Dogear+

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください