“Star Wars:The Rise of Skywalker”を封切り直後の12月20日に観賞してきました。ぶっちゃけ、スター・ウォーズの長年のファンである筆者から観ても今回の『スカイウォーカーの夜明け』は、頑張って締めくくった作品だと思いました。
目次 この記事の内容
- 最後のジェダイから受け継いだもの
- スカイウォーカーの夜明け 序盤から中盤の展開
- クライマックスは二刀流?新たなライトセーバー
- シークエル・トリロジーの終焉について
最後のジェダイから受け継いだもの
出典 https://starwars.disney.co.jp/ 画像は全て公式ページより BB-8とD-0
“The Last of Jedi”は、賛否両論の多い作品で、特にマーク・ハミル演じるルーク・スカイウォーカーの扱いについてかなり否定的なコメントが多かったです。ep4〜ep6の主人公で、ジェダイ・マスターとなったルークが無双することは、ファンなら誰でも思い描いたものでした。
しかし、ルークは弟子であるベン・ソロをダークサイドに落としてしまうきっかけを自らの心の弱さによって作ってしまい、惑星オク=トーで隠遁生活(引きこもり)をしていました。
終盤で、レジスタンスを逃すため、思念体を送って、カイロ・レンを欺き、まさにジェダイ・マスターといった活躍をして息を引き取ります。ぶっちゃけ、古参のファンは否定的な最後のジェダイでしたが、筆者は好きでした。
途中のレジスタンスの後退戦をあえてレジスタンス側の内輪揉めという形で緊張感を出し、ファースト・オーダーも、カイロ・レンとスノークの争いという2つの勢力の内部分裂を描いて世代交代を印象づけました。
ライアン・ジョンソン監督は、スター・ウォーズの定番の逆転という構図は、最後まで取っておいて、途中のレジスタンスは壊滅寸前にまで追い込まれます。どうしようも無くなった時に、ヨーダに諭され、希望を守るために立ち上がったルークがレジスタンスを救うのです。
つまり、終盤直前まで期待を裏切り続ける演出をして、最後のルークの活躍でカタルシスを得られるという、見事な構成だったのです。
最後のジェダイのレビュー記事はこちら
ただ、途中のレイアの宇宙遊泳やら、名も無い少年がフォースを訓練なしに使うなど、いささかやりすぎた感じはありました。ep7の監督であるJ.J.エイブラムスは、こういった部分を修正しつつ、ep8から受け継いだ伏線を見事に回収していきました。
一つ気になったのは、エピソード9のコリン・トレボロウ監督の降板です。2017年にプリプロの段階で、ディズニーやルーカス・フィルムと意見が合わなくなりコリン監督が降板しました。そして、J・J・エイブラムスが『フォースの覚醒』から再びメガホンを取ることになったというわけです。
ディズニーも、ルーカス・フィルムもこの交代には多くを語っていません。一説には、ルーカス・フィルムのプロデューサーのキャスリーン・ケネディの機嫌を損ねたとか・・・。真相は藪の中といったところでしょうか。
最後のジェダイでは、カイロ・レンがファースト・オーダーの指導者として君臨することになりました。レイとカイロ・レンのフォースによる交流や、ポー・ダメロンがレジスタンスの指揮官としての責任感に目覚めていき、世代交代の印象が深まります。
*ここからネタバレとなりますので、鑑賞していない人は読まない方が作品を楽しめられます。
スカイウォーカーの夜明け序盤〜中盤の展開
ep9のレイアはキャリー・フィッシャーがep7で撮っていたシーンを流用して登場させている
筆者が鑑賞したのは、12月20日の平日の15:00からのMOVIX八尾の上映でした。例によって、バイクでアリオ八尾まで行ったのですが、駐輪場にもう少し入りやすくして欲しいです。バイクで歩道押していかないとバイク駐輪場の入り口がないなんて、客目線が足りていません。自転車ならともかく。
金曜ロードショーで、最後のジェダイを放送する日だからかもしれませんが、客の入りはそこそこでした。平日でも初日なので、もっと観客がいると思っていました。
いつも通り、最後のジェダイからの1年後にしては、ざっくりな説明のテロップから入ります。カイロ・レンは激しい戦闘の末、シスの拠点を示すコンパスっぽい装置(名称ウェイファインダー)を入手し、シスの本拠地に赴きます。ぶっちゃけ、この段階でパルパティーンが登場するのが事前の情報でバレバレでした(汗)。
そして、パルパティーンがクローン技術で復活していたことが判明します(ep6とはなんだったのか・・・)。そして、傀儡として操っていたスノークの代わりに、カイロ・レンを指揮官としてラスト・オーダーと呼ばれる凄い数の艦隊を預けます。というか、この戦力をどこに隠してたんだよ!ってツッコミ入れたくなりました。
ポー、フィン、チューバッカは、ミレニアム・ファルコンでファースト・オーダーのスパイから情報を得るため活動していました。そこで知ったのはパルパティーンの復活と、ラスト・オーダーの戦力がファースト・オーダーに合流したことでした。
そして、ルーク亡き後、レイのジェダイの修行を続けていたのは、なんとレイアでした。実は、レイアはルークからジェダイとしての修行を受けていたのでした。だからこそ、あの宇宙遊泳も可能だったんですね(んなわけあるかい)。この描写は、ep4〜8まで無かった部分で、レイアもジェダイだったのか!って思いました。
レイアがライトセーバー使ってたら、レジスタンス苦戦してなかったんじゃないんかい!って思いました(今回は本当にツッコミどころが多い)。ここの部分は、ep7で撮っていたパートの流用だそうです。ということは、ep7の途中でこのシーンを入れるつもりだったのでしょう。
シスの本拠地探して、復活したパルパティーンを打倒しよう!という作戦になりました。ルークが探していたシスのウェイファインダー(冒頭でカイロ・レンが使っていたアレ)を捜索するため、レイ、ポー、フィン、チューバッカ、C-3POというパーティでミッションに向います。
久々に登場したランド
ここから、最初にとある惑星に向い、42年ぶりの祭りを楽しむレイと仲間たちでしたが、フォースチャットが始まりカイロ・レンに居場所がバレてしまいます。窮地を救ったのは、ランドでした。ランドは、ハン・ソロの友人でep5、6にも登場しました。
昔ルークと共にコンパスを捜索していたランドからの情報により、ウェイファインダーの場所を知る男の船を探すことになったレイ達。しかし、カイロ・レンとレン騎士団から逃走途中で、船を発見するものの、流砂に巻き込まれ、地下に落ちます。
そこで、コンパスの場所を記したシスの短剣を拾います。C-3POは解読に成功しますが、シスの言語で翻訳することは禁じられた機能でした。地下の穴の主である蛇をレイのフォースで治療し、地上に出ます。ミレニアム・ファルコンがレン騎士団に押さえられ、発見した宇宙船を修理することにします。
そこに、カイロ・レンのタイ・サイレンサー(カイロ・レン専用機)が強襲してきます。レイは、ライトセーバーで、タイ・サイレンサーを撃墜し、レイを連れ戻そうとしたチューバッカが短剣と共に囚われます。というより、敵がいそうなところにチューバッカ一人にレイの捜索させるなよ!って思いました。
そして、タイファイターから脱出したカイロ・レンとレイの戦いの間に、チューバッカを収容した(と思われる)輸送船が宇宙に出るところでした。レイは、フォースを使って輸送船を地上に降ろそうとしますが、カイロ・レンもフォースの力で引っ張り合います。
しかし、レイの力は強く、青い稲妻を伴うフォースで、輸送船を破壊してしまいます。自らの力でチューバッカを殺したと思いこみ愕然とするレイですが、修復した船で脱出します。
C-3POにシス語を翻訳させるため、かつてポーが運び屋をやっていた頃の仲間を頼ることになりました。ポーが元いた惑星キジミでも、ファースト・オーダーとラスト・オーダーが徴兵していました。そこで出会った運び屋時代のポーの元恋人ゾリ・ブリスの手引きにより、C-3POのシス語の翻訳は可能となりました。
C-3POのメモリー(記憶)と引き換えに惑星ケフ=バーにウェイファインダーがあることを突き止めたレイ一行は、生きていたチューバッカを救出するためカイロ・レンの乗ってきた船に向います。
カイロ・レンの部屋で、レイは短剣を発見し、カイロ・レンとここでもフォース・チャットで戦闘になります。印象的だったのは、ダース・ベイダーのマスクの置いてあった像を戦闘で破壊することです。
ここで、レイの出自がパルパティーンの孫であることがカイロ・レンによって明かされ、両親を祖父であるパルパティーンに殺されたことを知るのです。一方でフィンとポーは、レジスタンスの協力者は、ハックス将軍であることを知ります。フィン達は、ハックスによって脱出し、ミレニアム・ファルコンを取り戻すことに成功します。
ミレニアム・ファルコンで脱出したレイ一行は、レン騎士団の追跡を振り切り、惑星ケフ=バーに到着します。レイは、自分がシスの総統であるパルパティーンの孫であることから葛藤し、フィンは心配します。
惑星ケフ=バーでは、半壊したデススター(2個目)があり、そこにはウェイファインダーがあるのです。シスの短剣の中にあった、三日月のような形の装飾が、デススターの形と一致し、そこにウェイファインダーがあることがわかります。
しかし、そこで会ったレジスタンスの協力者達(フィンと同じくトルーパーの脱走兵)の話によると、海の波が荒れているので、翌日以降でないと近づけないとのこと。レイは、船を勝手に動かして、一人でデススターに向います。
クライマックスは二刀流?新たなライトセーバー
序盤で修復され中盤で壊れるマスク
デススターの皇帝の部屋(ep6の最終決戦地)にてウェイファインダーを発見したレイですが、そこで見たのはシスとしての自分の姿でした。予告編にあった赤いライトセーバーを持つレイの姿は、シスとしての自分の姿を幻視したものでした。
そこに現れた、カイロ・レンによりウェイファインダーを破壊されてしまうレイ。レイは怒りにまかせてカイロ・レンと戦います。しかし、荒波を抜けるために体力を消耗していることと、自分のシスの姿の幻影により、精神的に動揺しているからか、レイはカイロ・レンに押されていきます。
この時に思ったのは、カイロ・レンはレイに対して本気で殺そうと思っていないことです。愛憎という言葉がありますが、似た境遇のレイに対して同情以上の感情を持っているようでした。
しかし、レイアの死によって生じた動揺によって動きの止まったカイロ・レンは、レイのライトセーバーに腹を貫かれます。レイは、ライトセーバーのスイッチを切り、カイロ・レンをフォースによって治療します。
ここではっきり解るのは、レイもまたカイロ・レンに特別な感情を抱いていたことです。ep8でのフォースチャットの頃からでしょうが、お互いに大切な存在となっていたのです。
カイロ・レンはスカイウォーカーの血筋の最後の一人となる
父であるハン・ソロと記憶で対面し、シスと立ち向かうことに決めたカイロ・レンは、ベン・ソロとして文字通り生まれ変わります。ぶっちゃけ、ベンの回想というのは、ジェダイでないハン・ソロを登場させるための苦肉の策だったのでしょう。
ベン・ソロに戻ったのは、母の死と愛するレイのためという側面が強いと思えるシーンでした。レイアは最初から息子の恋人として親密にレイと接していたということがここで解るのです。つまり、ep7の段階からレイアはフォースにより、レイが息子の恋人になることが解っていたのではないでしょうか?
レイは両親の面影をハン・ソロとレイア、ルークの3人のスカイウォーカー一家の中に求めていました。また、レイアは息子の恋人(になるビジョンを見た)レイを娘のように可愛がったのです。こう読み解くとep7〜ep9の2人の親子のような姿にも合点がいくのです。
また、ハン・ソロもep7でパイロットとしての資質とジェダイの資質を持つレイのことを娘のように気に入っていました。つまり、スカイウォーカーの夜明けのタイトルには、レイも含まれているのです。
レイは、ルークが隠遁していた惑星オク=トーで、タイ・サイレンサーを燃やし、ルークのライトセーバーも投げ込もうとします。しかし、ジェダイお得意の思念体となっていたルーク・スカイウォーカーが登場し、「ジェダイの武器は粗末に扱うでない」とレイを諭します(ep8のルークとは逆)。
そして、レイにパルパティーンの血筋は関係なく、レイの心を信じてルーク自身もレイアもジェダイの技をレイに伝えたということを話します。レイは、その言葉によって救われます。
更にルークは、タイファイターのコックピットにあったウェイファインダーを手渡し、海に沈んでいた自分のXウィング(レッド5)をフォースによって浮上させ、レイに渡します。レイは、ルークのXウィングでシスの星エクサゴルに向います。ここはep5でも同じシーンがあり、それのオマージュです。
ルークのXウィング R2-D2も搭乗しているのが最大の特徴
個人的には、このシーンが一番熱かったです。というのも、ルークのXウィングは旧型のT-65Bです。つまりはオリジナル・トリロジー(ep4〜ep6)における主役の機体がシークエルトリロジーのep9の一番のクライマックスで登場するというスター・ウォーズファンなら感涙もののシーンでした(J.J.ありがとう!)。
SF映画史上最高にカッコいい戦闘機であるXウィングの中でも、ルーク機には思い入れがあったので、このシーンは本当に素晴らしかったです。これはep8からの伏線でもあったので、うまく使ったなーと思いました。
また、レイアのライトセーバーも、レイに手渡されます。ベンがライトサイドに戻ったことをルークが感知していたことを意味します。レイアのライトセーバーのクリスタルの色はピンクでした。
そして、エクサゴルに向かうレイの搭乗したレッド5が、ポー率いるレジスタンスの道標となります。レジスタンスは、エグサゴルに乗り込み、レイは地下にあるシスの神殿に単身で赴きます。
パルパティーンの目的は、レイの両親を殺したのは、怒りにまかせて自分を倒させてダークサイドに落とし(またこの手かい!)、シスの女王にするためだったのです。そして、観客の予想通り、ベンがエグサゴルに乗り込み、騎士団と対峙します。
今回、レイはジェダイとして活躍する
レイは背中に構えたルークのライトセイバーを憎しみにまかせてパルパティーンを倒すことをせずに、フォースチャットでベンに飛ばします。騎士団を倒した2人ですが、レイがダークサイドに落ちることがないと確信したパルパティーンの雷撃に倒されます。
一方でレジスタンスも壊滅寸前まで追い込まれます。ポーは、無線で数が足りないことに弱音を吐きます。その時、ランドのミレニアム・ファルコンが、各方面から集めた市民で編成された援軍を連れてきます。
そして、パルパティーンは、レイとベンのフォースを吸収し、強大な電撃をレジスタンスと援軍に放ちます。コントロール不能に陥るポーのXウィング!しかし、歴代ジェダイの声によって復活したレイが2本のライトセーバーをクロスさせ、電撃を跳ね返してパルパティーンを倒します。
ここは、結構突っ込まれていましたが、スター・ウォーズって神話っぽいところがあるので、パルパティーンの雷撃が強すぎるのも、レイとベン2人のフォースを吸収したからという説明でいいでしょう(大汗)。
これによって、多数のシスの信仰者も爆発に巻き込まれ、全員倒されます。レジスタンスは勝利し、レイは倒れますが、ベンがフォースを分け与えて助けます。その時に、2人はキスをして、レイがベンの恋人であることが描写されます。つまりレイは、ここでスカイウォーカー一家に正式に迎えられたことになるのです。
しかし、力を使い果たしたベンは死に(フォースによって思念体になったっぽい)、レイはXウィングで脱出します。レジスタンスと市民は喜び、チューバッカはメダルを送られます。ep4でレイアから送られたメダルのオマージュです。旧作ファンの喜ぶエピソードでした。
結局フィンは、誰と付き合うのか?という問題は残ったままです。というのもレイがベンと恋仲だったのは、この時点ではっきりしているし、前作でのフィンとローズとのキスとか、今作での脱走兵のジャナだったり、結構モテモテだからです。
ポーは、今はまだ昔の恋人であるゾリと復縁するとは思えませんが、そう遠くない未来にヨリを戻しそうです。今後のスピンオフで新たな展開があるかもしれません。
最後に、タイトゥーン(2重太陽から推測)のルークの家っぽいところ(ep4に登場)に来たレイは、住人から名前を尋ねられます。レイは、「私はレイ・スカイウォーカーよ」と名乗り、ここでスカイウォーカーの名前を継いだことになるのです。
僕も、一瞬パルパティーンって名乗るのかなと思いましたが、ルークとレイアの弟子のジェダイで、ベンの恋人ということなら十分、スカイウォーカー姓を名乗ってもいいと思いました。特に今作や、ep7と8でのレイアとの親密な関係からも、こういう構想が最初からあったことが伺えます。
ただ、こうなるとスカイウォーカーの血筋はここで絶えることになりそうです。姓自体は、レイが引き継いだので、レイの弟子(もしくは子供)のジェダイマスターがスカイウォーカー姓を名乗るようになるかもしれませんし、フォースチャットでもしくは・・・。
そういえば、ラストの手前で、レイはルークとレイアのライトセーバーを砂に埋めて、自分で作った新たな黄色いライトセーバーを見せています。これは、ジェダイは自分のライトセーバーを自作するという従来の設定を踏襲したものです。色をわかりやすく黄色にしたのでしょう。
劇場から出ても余韻の残る“The Rise of Skywalker”でした!J.J.お疲れさま!ep8からここまでよくまとめて大団円に持ってきたね!と感謝したい気持ちです。
シークエル・トリロジーの終焉について
レイと仲間たち
SFとして単体で評価しにくいスター・ウォーズですが、シークエル・トリロジーがep9で終了したので、まとめてみたいと思います。ep7は、温故知新ともいうべき作品で、過去作をフックにしながらも最新技術(特に進化したCG)で仕上げた作品でした。
ただ、スター・ウォーズの7〜80年代にかけての雰囲気とか、冒険活劇としての側面も見られました。これは、プリクエル・トリロジーのep1〜ep3の昔の話の方が当時の最新VFXで作られ、洗練されていたとの批判を意識していたのかもしれません。
というのも、単純に綺麗なCGでまとめるのではなく、ウェザリングを意図的に増やしたり、ちょっと昔の模型っぽいメカ描写をあえて残すなど、懐かしい感じを残していたからです。
プリクエル・トリロジーと違って、オリジナル・トリロジーの後の話なのだから、むしろ最新CGっぽい綺麗で洗練されたデザインにすることもできたでしょう。殺陣もep1〜3は、本当に凄かったし、ep3のジェダイが騙し討ちに合うまでは、共和国の政治も絡めた少し年齢層の高い観客に向けた作品だったのですから。
しかし、J.Jはあえて昔の洗練されていないスター・ウォーズのカラーに仕上げました。この一見するとチープに見えるけど、どこか懐かしいという感じは、往年のSFを見た観客にしか伝わりません。あえてジョージ・ルーカスが最初に撮ったスター・ウォーズっぽさを演出したのだと思います。
ep8のライアン・ジョンソン監督も、J.JのSF描写はそのまま踏襲しました。ただ、展開は、かなり野心的で、今までみたいなお約束ですまないように脚本を練りました。その結果意外なほど批判を受けたep8の後に、ep9では監督が降板するという危機に直面することになったのです。
ぶっちゃけ、ルーカス・フィルムもディズニーもこの件については反省すべきポイントがあったと思います。本来なら、ep7〜9の3部作は同じ監督や脚本チームでクランクアップさせるべきだからです。
ポーはレジスタンスの指揮官として行動するようになる
ep9では、ep8と矛盾するポイントがいくつかあります。フィンとローズの関係や、レイの出自やフォースが誰でも使えたところや、ルークのライトセーバーの扱いの変化などです。本来は、スノークが最後の敵だったのかもしれないという指摘が色んなサイトでありました。筆者もそう思います。
ぶっちゃけ、パルパティーンが出て来たのがep9から唐突だったので、収拾がつかない状態をなんとかまとめるための苦肉の策のように感じます。なんの説明もなしにいきなりラストオーダーの大艦隊見た時には、思わずのけぞりました(大汗)。
しかし、スター・ウォーズってこういうチープな展開をあえて楽しむ作品でなかったか?とも考える自分がいます。今のSF映画ではなく、7〜80年代は、こういうダイナミックなSFがあったんだよ!とJ.J.を筆頭にした製作陣の声がフォース・チャットで聞こえてきそうです(笑)。
今でこそ変に持ち上げられていますけど、娯楽作としてのスター・ウォーズはユルユルなところがありました。帝国側がガバガバなセキュリティだったり、ヨーダのルークに対するお茶目な行動だったり、いきなり敵の親玉が父親だと名乗ったり唐突でコロコロ設定が入れ替わるのが、ep4〜ep6の特徴だったような気がします。
要は、スター・ウォーズシリーズとは真面目に考証するよりも、フォースで感じるくらいが丁度いいのです。極上のエンタメ作品で、アメリカ最強神話と思って楽しんだ者勝ちです(笑)。今も昔も、破茶滅茶でごった煮スープのようなハリウッドSF大作なのですから。
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