仮面ライダークウガ:平成シリーズの礎となった特撮作品!

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とうとう始まった令和ライダー、『仮面ライダー01』。この機会に2000年から放送されたテレビシリーズ平成ライダー第1作、『仮面ライダークウガ』を振り返っていきます。

目次 この記事の内容

  • 平成ライダー初期作の特徴
  • 仮面ライダーストロンガーの影響
  • 平成ライダーの礎となったクウガ
  • 究極のバイクアクションはトライアル!
  • 謎の多いグロンギと言語について
  • 強化されていく敵と警察との協力関係
  • 仮面ライダークウガの意義

平成ライダー初期作の特徴

出典 https://www.toei-video.co.jp/

2019年9月から放送された『仮面ライダー01』は、令和と1作目、それと『キカイダー01』にかけたタイトルだと思います。『キカイダー01』は、1973年から1974年にかけて放送された『人造人間キカイダー』の後継番組です。

同じ東映で、原作が石ノ森章太郎、企画が平山亭という昭和仮面ライダーシリーズと共通する要素の多いキカイダーシリーズを意識したタイトルは、往年の特撮ファンにはたまらないものとなっています(涙)。

この記事を書いている段階で、3話まで観ましたが、戦う社長って完全にサンライズのアニメ『無敵ロボ トライダーG7』じゃん!って思ってしまいました。ただ、セレブのライダーって結構珍しいので、これからの展開を楽しみにしています。

アマゾンプライムで、平成ライダーがプライム作品扱いになっていたので、平成テレビシリーズ第1作の『仮面ライダークウガ』と第2作『仮面ライダーアギト』をイッキ見してしまいました。久々に見ると、この2作は別格で、子供向けというより大人が見て楽しめられる作品だと思いました。

実は、この2作には色々と共通する部分と異なる部分があるのですが、脚本がしっかりしていて、昭和ライダーに見られたご都合主義は見られません(笑)。ライダーや、敵の設定も作り込まれており、悪の秘密結社と戦う昭和ライダーとは異なるスタンスで、話が展開していきます。

また、2話毎に連続して同じ怪人を登場させることで連作にし、話に深みを持たせています。4クール丸々使って、序盤の伏線を解消していったりしています。つまり、リアルロボットアニメや、深夜アニメにあったストーリー性の高さを特撮に持ち込んだ作りとなっているのです。

また、警察との協力という点においても2作共に描かれており、これは『機動警察パトレイバー』や、『踊る大捜査線』の影響といわれています。

そして、一番の特徴はもったいぶった変身の言い回しがなくなったことです。初代ライダーの藤岡弘(新1号の変身ポーズ)の場合は、「ライダーァァア!変身、トゥ!」とかなり気合い入れて変身の掛け声をしていたのですが、クウガの主演のオダギリジョーの場合は、「変身!」だけです(笑)。

ちなみに『ジョジョの奇妙な冒険』の作者荒木飛呂彦が、一番欲しい特殊能力も変身らしいです(マジか!)。かく言う筆者も子供のころは、よくライダーごっこしてました(大汗)。後に、オダギリジョーが述懐していたのですが、あの変身の掛け声のおかげで、平成ライダーの主演はやりやすくなったということです。

仮面ライダーストロンガーの影響

出典 https://www.amazon.co.jp/

クウガのデザインはクワガタムシをイメージしています。これは、カブトムシがデザインベースの仮面ライダー第5作の7号ライダー、『仮面ライダーストロンガー』を意識しています。

1975年に放送された仮面ライダーストロンガーは、昭和初期作が完結した作品であり、最終回はそれまでの仮面ライダーの最終回となった作品です。

その後、4年後に8号ライダーのスカイライダーが登場する『仮面ライダー』が放送するまで一つの区切りとなった作品でした。ストロンガーがすごいところといったら、バイクアクションです!複数のバイクがアクセルターンするOPのバイクアクションだけでも見る価値がありました!

スズキ・ハスラー250を改造したアクション用のカブトロー(ストロンガーのバイク)は、トライアルアクションが可能なように、無駄な装飾が省かれていました。

しかし、6話で火薬がカブトローの真下で爆発してしまい、マシンは大破しバイクスタントの熊沢敏明も入院したため、それ以降はトライアルアクションは無くなってしまいました(涙)。

クウガのバイクアクションが凄いのも、ストロンガーの影響だと思います。また旅をするライダーという点でも放浪癖のあったクウガの五代雄介(オドギリジョー)と共通しているところです。

平成ライダーの礎となったクウガ

出典 https://www.toei-video.co.jp/

1988年から1989年放送の『仮面ライダーBLACK RX』からテレビシリーズの仮面ライダーは、制作されていませんでした。

1992年に仮面ライダー20周年作品のOVAとして、『真・仮面ライダー序章』が販売され、劇場版作品として、『仮面ライダーZO』、『仮面ライダーJ』が公開されたり、平成ライダーとしては、これらの作品群もあったことは事実です。

特に、雨宮慶太監督の『仮面ライダーZO』は傑作ですので、特撮好きには見て欲しい作品です。また、JAC出身の岡本次郎がスーツアクターとして参加して切れのあるアクションをしていました。

『仮面ライダークウガ』は、『仮面ライダーJ』から6年経過した2000年から2001年にかけて朝日放送系の日曜の朝8時に放送されました。子供向け番組枠として、午前中に放送していたはずなのですが、仮面ライダークウガは、大人も楽しめられる脚本の練られた作品だったのです。

親子2世代で楽しめられる作品を作ろうとした結果、子供番組として設定の矛盾を放置し続けた昭和ライダーと異なり、本当に怪人とライダーが戦ったらどうなるか?というテーマを真正面から描いています。つまり、現実にライダーと怪人の存在をリアリティのある演出で見せているのです。

クウガや人類の敵として、「グロンギ」と呼称される未確認生命体が出てきます。長野県にある遺跡にあった棺から復活した未確認生命体第0号によって、他の棺のクロンギも封印を解かれます。

この古代遺跡の封印を解いてしまったのは、城南大学と信濃大学による発掘チームです。夏目教授ら発掘チームのメンバーは、0号の襲撃によって命を落とします。

インドネシア(?)の旅から帰国したばかりの五代雄介は、友人である城南大学の大学院生、沢渡桜子に会ったとき、発掘メンバーとの連絡が途絶えたことを知り、長野県にバイク(スズキDR250S)で向かいます。ちなみに、城南大学とは1号ライダー、本郷猛が在籍していた架空の大学です。

長野県警の一条薫は、九郎ヶ岳遺跡の現場で五代と会います。遅れて合流した桜子を合わせた3人は、事件の調査を開始しますが、突如現れた未確認生命体によって長野県警は襲撃されます。

そこで五代は、ベルト(アークル)を装着します。左腕から徐々に変身していき、クウガの最初の形態である白(グローイングフォーム)に変身します。未確認生命体第1号がクモ型怪人なのは、初代仮面ライダーのオマージュだと思います。そして、クモ型怪人を格闘でヘリから叩き落として、クウガは一条を助けます。

ここで注目したいのは、クウガは改造人間ではない点です。アマダムと呼ばれる石の作用によって、肉体を強化するのがクウガの変身システムです。つまり、五代雄介は従来の仮面ライダーとは違って、改造手術は一切受けていません。白いクウガは、未確認生命体第2号と呼称されることになります。

その後登場したコウモリ型の第3号、そして赤いクウガ(マイティフォーム)が第4号と呼ばれるようになります。以降、クウガは第4号として認識されるようになるのです。赤のクウガは、格闘戦主体のバランス型です。キックがメインの決め技になります。

平成ライダーとしては、シン・仮面ライダーが1号、2号がZO、3号がJなので、4号がクウガということでしょう。とはいえ、結局平成シリーズはクウガが最初と考えられています。

 

クウガは、色によって様々な能力を発揮します。ジャンプ力と運動性に優れた棒をメインの武器にして戦う青いクウガ(ドラゴンフォーム)、超感覚による索敵能力に優れ、遠距離からボウガンで攻撃する緑のクウガ(ペガサスフォーム)、強固な体と強い腕力で剣を使って戦う紫のクウガ(タイタンフォーム)などに超変身するのです。

そして、それぞれのフォームで使う武器はアマダムの力によって分子変換されるので、近い能力と形状を持つ物質であればなんでもクウガの武器になります。棒状のものであればドラゴンロッドに、一条から借りたコルトパイソンがペガサスボウガンになったりします。

クウガのフォームチェンジは、ストロンガーが初めて2段変身(チャージアップ)したことのオマージュであり、仮面ライダーBLACK RXでのロボライダー、バイオライダー各形態の後継とも言える要素です。

警視庁に派遣され未確認生命体の対策チームに入った一条と、クウガこと五代雄介は、お互いに協力し合いながら、人を襲うグロンギと対決していくのです。

究極のバイクアクションはトライアル!

仮面ライダークウガが、他のライダーよりも一番凄いところは、バイクアクションです!昭和から平成シリーズ全ての頂点はクウガで、このバイクスタントを超える仮面ライダーは見たことはありません。

バイクのスタントを担当するのは、日本トライアル選手権のチャンピオンで、世界トライアル選手権でも好成績を納めていた成田匠でした。また、バイクを扱うグロンギ、ゴ・バター・バ(未確認生命体第41号)は、弟の成田亮がスタントをして、ライダー史上に残る名シーンを演じたのです。

トライアル選手権とは、高低差のあるコースに、凹凸の激しい地形や意図的な障害物などをオートバイに乗ったままでクリアしていく競技のことです。クウガがウィリーしたまま方向転換して、グロンギに攻撃したり、建物の中にある障害物をバイクに乗ったまま走破したりするシーンは、総てトライアルのテクニックです。

クウガの愛機、トライチェイサー2000は、五代が一条から託された新型の警察車両のプロトタイプです。特殊警棒と兼用の起動キーを右ハンドルに差し込んで起動させます。

このトライチェイサーのベースになったのが、GASGAS パンペーラです。このマシンは、トライアル車両に近いトレール車で、保安部品が付いていながら102kgしかない車重のため、どこでも走られる魅力のあるバイクです。

実は、純粋なトライアル車両は、色々と部品を最小限にされているので、仮面ライダーの乗るマシンのベース車には向いていませんでした。そこで、水冷2ストローク250cc単気筒エンジンの限りなくトライアル車に近いGASGAS パンペーラに白羽の矢が立ったということです。


当時成田は、イタリアのベータと契約していたのですが、GASGASとベータに了解され、晴れてパンペーラが使用できることとなったのです。昭和ライダーのベース車両といえばスズキですが、平成シリーズは、この後のアギトからホンダに変わっていきます。

トライチェイサーは、中盤でクウガのパワーに耐えられなくなり、新型のビートチェイサー2000に交代します。ビートチェイサーも、ゴ・バター・バのバイクも同じパンペーラです。

そして、トライチェイサーやビートチェイサーと、遺跡から発掘された馬の鎧であるゴウラムが合体した姿が、装甲機ゴウラムです。こちらはオンロードタイプで、パワーの高いグロンギに対抗する時に使われることがありました。

クウガの封印エネルギーと合わせた合体技、ゴウラムアタックは、正面からグロンギに体当たりする力技です。装甲機ゴウラムのベース車は、ヤマハ V-MAXでネイキッドとアメリカンの中間のようなバイクです。何気に、ヤマハ車が仮面ライダーに使われるのって初めてだったのでは?

そういえば、装甲機ゴウラムの見せ場として、降りてくる防火シャッターからギリギリで脱出するというシーンがありました。重いV-MAXベースのバイクでハングオンしてシャッター閉まる寸前で躱すってどんなテクニックだよ!成田さんスゲーって思いました。

謎の多いグロンギと言語について

 

物語の早い段階から、0号ことン・ダグバ・ゼバを頂点とするグロンギは、B-1号ことラ・バルバ・デを中心に会話をしていました。B-1号は額にバラのタトゥーのある妙齢の美女で、妖しい魅力がありました。演じていた七森美江は、異世界の住人という難しい役を十分以上にこなしていました。

グロンギは、人間体に変身できるだけでなく、グロンギ語という言葉も話していました。クウガ放送当時、中盤くらいで翻訳本などが出回り、よく聞いたら解読できるということもありました。グロンギも徐々に日本語を話すようになります。一条とバラの女は何度か遭遇し、言葉を交わすシーンがありました。

『超時空要塞マクロス』のゼントラーディー語もそうですが、架空の言語をしっかり作り込んで登場させると、それだけでリアリティが出てきます。グロンギ語は、日本語の子音を変換させたものですが、結構簡単に翻訳できるようになっています。

物語の序盤から核心をついた話をグロンギがしているのですが、視聴者には解らず謎のままという演出がありました。このように謎の集団が、クウガやリント(人間のこと)について謎の言語で語り合い、超古代からやってきたという設定に説得力が出てくるのです。

グロンギは、ゲゲルというルールの定められたゲームによって人間を襲います。最初はなぜ人間を襲うのかさっぱり解らなかったのですが、物語が進行するにつれて、ゲームであることが解るようになります。

しかし、ゲゲルを成功させるとグロンギ側にもメリットはあります。階級が上がり、力が強くなるのです。ゲームマスターのバラの女(バルバ)が、グロンギのベルトに鉤状の指輪(ゲゲルリング)を差し込み、ゲゲルに失敗すれば爆発する起爆装置が作動するのです。

最強の集団は、ゴ集団でありゲゲルに成功した場合、最強の0号であるダグバを倒せられれば、気ままにリント(人)を殺傷する権利を得られるようになります。ゴはより難しい条件のゲゲルを行っていて、ターゲットを限定した上に殺害方法まで指定されていて期間が短いという特徴がありました。

クウガは、グロンギと同等の能力を人間に付与するためにベルト(アークル)にアマダムという石を埋め込んでいます。リントの科学者が開発したシステムは、分子構造を変換できる能力(モーフィングパワー)で、変身者にクウガの形態になり、グロンギと同等の能力を与え、様々な形態(フォーム)によって多彩な能力を使うことができます。

クウガの両手には、ハンドコントロールリングと呼ばれる球状のコントローラーがあり、それによって触れた物体を武器に変換できるようになります。また、足にはグロンギを封印するエネルギー発生機関であるレッグコントロールリングがあり、赤いクウガは、キックによって直接封印エネルギーを流しこみます。

武器を扱う他のフォームは、武器に封印エネルギーを流して戦います。つまり、この封印エネルギーが、グロンギのベルトの爆発を誘引して、グロンギを倒すのです。

強化されていく敵と警察との協力関係

中盤以降は、ズ集団より強力なメ集団となり、更にゴ集団が登場し、通常のクウガの状態では、勝てなくなってきました。メ集団のグロンギに受けた毒によって心肺停止した五代を救うため、医師である椿秀一が電気ショックを加えたことにより、ライジングフォームと呼ばれる電気の力を持ったフォームが追加されました。

各フォームは、金色によって装飾され武器による封印エネルギーは強化されました。そして、ゴ集団との戦いにおいて一番危険な赤の金の力によってグロンギを倒した瞬間、半径数キロメートルにも及ぶ爆発がありました。

こうなってくると、人のいない区間への誘導など警察との協力関係は更に重要となっていきます。一条だけでなく、杉田、桜井といった刑事にも正体を明かして連携していくようになります。警視庁警備部本部長である松倉は、これらの未確認生命体に対する対処を的確に運用して、対策班とクウガをサポートしていました。

グロンギを倒すことのできるクウガのサポート役として、警察機構は重要なポジションを担っていました。これは、昭和ライダーには無かった特徴であり、クウガのリアリティを出すためにも避けては通れなかった設定だと思います。

また、電気エネルギーという観点からも、ストロンガーの影響が大きかったことが分かります。ストロンガーは、電気の力を使った技が多い仮面ライダーでした。

仮面ライダークウガの意義

 

五代雄介役の俳優のオダギリジョーは、あまり特撮に興味のない俳優だったのですが、プロデューサーの高寺成紀により、今までにない仮面ライダーのイメージを持っているという理由で選出されました。

確かに、色々な意味で力の入った従来のライダーのイメージと違って、飄々としており、深刻なことでも陽気(能天気?)に乗り越えていきます。しかし、2話で描写されている通り、本来は争いごとを好まない性格で、ダグバとの最終決戦でもその様子はあらわれていました。

最終回の題が『雄介』で最強のダグバとの戦い後、五代は海外に旅立っており、ほとんど登場していません。最後のシーンで海岸で子供達にジャグリングを披露している姿が映るだけで、仮面ライダーシリーズの最終回としては異例の戦闘のないまま終了しました。

これは、リアルにライダーと怪人との戦いによって変化していく人々を描いた作品がクウガだったからです。最後は、クウガこと雄介によってもたらされた平和で、人々に笑顔が戻り、現実世界が変化したことを描写しています。

メインプロデューサーである高寺と、メインの監督は石田秀範、アクション監督に金田治、脚本は荒川稔久が担当しています。高寺成紀は、スーパー戦隊のプロデューサーとして、活躍していました。石田監督はクウガが初めてのメイン監督作です。

アギト以降の仮面ライダーと違って、ライダーは一人しか登場せず、スポンサーの変な介入も少ない作品でした。クウガとアギトはあくまでもストーリー重視の特撮番組でした。

平成ライダーの礎を築いた『仮面ライダークウガ』は、今見ても名作で、大人も楽しめられるライダー作品です。次回は『仮面ライダーアギト』について紹介していきます。

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