MotoGP スペインGP:クアッタハッホの史上最年少PP!

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MotoGPもとうとうヨーロッパラウンドに突入しました。第4戦は、スペインGPでスペイン南部にあるヘレス・サーキットで5月5日に開催されました。ここで、ヤマハサテライトのファビオ・クアッタハッホが、史上最年少記録を塗り替えるポール・ポジションを獲得しました。

ヘレスは日本人ライダーに相性のいいサーキット?

出典 https://www.honda.co.jp/WGP/ LCRホンダの中上貴晶選手

今回、スペインGPの舞台となるヘレス・サーキットは、125cc時代の元チャンピオン、坂田和人氏が得意としていたコースです。中低速コーナーの多い、テクニカルなサーキットとして有名で、セッティングしだいで、ストレートスピードで劣る場合でも勝てる可能性のあるコースの一つです。

また、LCRホンダチームのMotoGPライダー、中上貴晶選手が、事前のテストでトップタイムをマークするなど、日本のライダーに相性のいいコースです。今回は、かなり期待していて、Moto3、Moto2、MotoGPそれぞれの日本人ライダーに注目していました。

MotoGPの場合、フリープラクティス1~3のタイムの上位10人が、Q2に進出し、さらにQ1の上位2人がQ2に参加できるという予選システムです。中上選手は、7番手につけていて、文句なしにQ2進出していまいた。2018年型の型落ちのRC213Vとはいえ、去年のチャンピオンマシンですので戦闘力はあります。

ホンダは、前回3台がリタイヤするという異常事態でしたが、テストライダーであるステファン・ブラドル選手が、RC213Vの新パーツを試すため、ワイルドカード出場していました。どうやらカーボンを部分的にフレームに導入しているようです。

パワーアップしたエンジンにシャーシが追いついていないから剛性を上げたのでしょうか?前回の転倒はどうやらエンジンブレーキだというHRCの見解ですが、フレームの剛性アップにも着手しているということでしょう。

驚愕の予選結果!

出典 https://race.yamaha-motor.co.jp/ アイキャッチも同じ公式サイトより 一番前がファビオ・クアッタハッホ

Moto3では、ホンダのSic58 スクーデリア・コルセチームのライダー鈴木竜生選手が予選2位と好位置につけていました。MotoGPでは、中上が8番手とまずまずの結果でした。

レプソル・ホンダチームマルク・マルケス選手は、Q2が始まってすぐに、チームメイトのホルへ・ロレンソ選手の後ろにつけていました。そして、タイムアタックしてから1周目で、1分36秒台を叩き出すと、一度ピットに戻りました。

マルケスは、その後2回タイムアタックしましたが、最初のタイムを抜くことなく予選3位でした。ロレンソは、タイムアタック中に転倒して11位でした。

そして、1分36秒880のコースレコードを更新し、ポール・ポジションを獲得したのは、なんと!20歳のニューフェイス、ファビオ・クアッタハッホでした。サテライトチームである、ペトロナスヤマハのクアッタハッホのチームメイト、フランコ・モルビデリも2位と驚愕の結果でした。

しかも、マルケスの持つMotoGP最年少ポールシッターの記録を数ヶ月更新するという記念すべきGPとなりました。マルケスの前のタイトルホルダーは、80年代の500cc時代のチャンピオン、フレディ・スペンサー氏でした。

クアッタハッホは、フランス人ライダーとして、期待のライダーです。しかし、こんなに早くポール・ポジションを獲得するとは思っていませんでした。サテライトとはいえ、2019年型のYZR-M1を供給されているので、テクニカルなヘレスでのこの結果は、ヤマハにとっても嬉しい出来事だと思います。

マルケス圧巻の独走状態

出典 https://www.honda.co.jp/WGP/ 優勝したマルク・マルケス選手

Moto3では、鈴木竜生選手が、2位表彰台を獲得し、鳥羽海人選手も6位と日本人選手の活躍が目立ちました。Moto2の長島哲太選手も7位と各クラスで日本人ライダーが上位に食い込むことが当たり前になってきて、まるで90年代に戻ったかのように思えました。

ただ、Moto2のスタート直後の多重クラッシュは、レミー・ガードナー選手やディマス・エッキー・プラタマ選手がメディカルセンターに搬送されるなど、いただけない結果となりました。その後、赤旗中断し、8周をオミットして15周のみのスプリントレースとなってしまいました。

MotoGPでは、ホールショットを決めたマルケスが、そのまま逃げ切り体制に入ると、モルビデリ、クアッタハッホが追撃を開始しました。しかし、マルケスは徐々に後続を引き離し、1分38秒台をコンスタントに刻んでいきます。

出典 https://www.honda.co.jp/WGP/ ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル選手

マルケスと同じレースペースを維持していたのは、クアッタハッホだけで、モルビデリは後退していきます。レース中盤、クアッタハッホのYZR-M1が、スローダウンします。ピットに戻ってから左側のギアボックスをしきりにメカニックが調べていたので、ギアトラブルのようです。

そうこうしているうちに、スズキのアレックス・リンスと、ヤマハワークスのマーヴェリック・ビニャーレスの2位争いとなりました。結局、2位に入ったのはリンスで3位にビニャーレス、4位にドゥカティワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手、5位に同じくドゥカティのダニーロ・ペトルッチ選手がそれぞれ入りました。

予選で下位だったヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手が、なんのかんのと6位にまで上がってきていました。中上は9位でシングルフィニッシュでした。圧巻だったのは、優勝したマルケスです。前回のように転倒しなかったときの強さは、さすがでした。

ホンダは、テストライダーのブラドルの10位を含めて、4人のライダーがトップ10に入るという結果を残しました。前回のCOTAでのリタイヤの原因を解明し、素早く対処したのでしょうか?

それにしてもロレンソ選手は、最終的に12位と調子が上がりません。まだマシンに慣れていないとはいえ、結果を求められている立場なので心配です。ヤマハ、スズキの好調ぶりと対照的にドゥカティは、ドヴィの4位が最高位と不本意なレースでした。

マルケスが、再びチャンピオンシップでトップに戻り、2位にリンス、3位にドヴィ、4位にロッシとなりました。4位のロッシまでのポイント差は9ポイントと接近したタイトル争いとなっています。次回は、5月19日のフランスGPです。

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マルク・マルケス

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