マルチエフェクターは使えるのか?:デジタル機材の長所と短所

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最近は、アナログ機材に戻しつつありますが、ご多分に漏れずデジタル機材もよく使っています。今ではマルチエフェクターのアンプシュミレーターが優秀で、ライン録音なども流行しています。ギタリストにとって、マルチエフェクターは必須の機材となっています。


BOSS GTシリーズから入ったマルチの道

最初に買ったマルチエフェクター BOSS GT-3

一番最初に接したマルチエフェクターといえばBOSS GT-5でした。十数年前、当時やっていたバンドのベーシストにちょっとだけ借りて色々といじっていました。とはいえ、マルチに慣れていなかったこともあり、すぐに返却しなければならなかったため、ろくに使いこなしていない状態でしたが。

その後、色々とコンパクト中心に機材を調達し、アナログプリアンプの究極ともいえるMESA/BOOGIE V-TWINを中古で購入しました。このプリアンプで使われている真空管をエレクトロ・ハーモニクスの12AX7に差し替えたところ、筆者好みのトーンが出ていたので気に入っていました。

ところが、いざ持ち運ぼうとすると、コンパクトエフェクターや、パワーサプライの重量から、エフェクトボードの重さがとんでもないことになり、かなり苦痛でした。当時のバンドのメンバーは、クルマを誰も持っていなかったため、マルチエフェクターを購入することにしました。

最初に買ったBOSS GT-3は、重量こそ軽かったのですが、線が細く使えるプリアンプではありませんでした。ジャズコのクリーンに歪みを被せていくやり方でどうにか使っていましたが、リハーサルスタジオで使うのみで、ライブで使用することはありませんでした。

出典 https://www.boss.info/us/products/gt-6/

BOSS GT-6はかなり使えたマルチ

次に購入したのは、BOSS GT-6です。これはとても素晴らしいマルチでした!デジタルアンプシュミレーターのトーンが秀逸で、アンプのリターンに差し込んで使うとある程度の音圧もあり使えるマルチでした。BOSSのマルチは空間系エフェクトも充実しており、これ1台あればかなり突っ込んだセッティングも可能でした。

ユーザーパッチに作りこんだプリアンプ(アンプのリターンを使うことが多いのでスピーカーシュミはOFF)と、ディレイやコーラスなどの空間系や、ワウやフランジャーなどの飛び道具的エフェクトのセッティングを記録できます。

曲ごとにセッティングしたパッチを作り、個別のエフェクトをオン・オフにもできます。ブースターも設定可能なので、これ一台で総てこなすことができました。GT-6さえあれば、どこでも自分の作ったトーンが出せるのです。

しかし、当時のバンドは梅田のスタジオの練習が21~23時という時間帯でした。あべの駅の河内長野方面の終電が23時49分だったので走らなければ終電に間に合わず、4.7kgと重いGT-6を持ち運ぶのがだんだん苦痛になってきました。

何度かライブに使っているなど、気に入っていたGT-6ですが、結局メサ・ブギーV-TWINを諦め、ジャズコのクリーンにコンパクトの歪みの形に戻しました。このバンドでは、マルチを使ったのはGT-3とGT-6のみでした。

その後のマルチ履歴

出典 https://www.amazon.co.jp/ KORG AX-3000G

ソロ(tkd69)に戻ってしばらくすると、またマルチが欲しくなり安くて軽そうなので、KORG AX-3000Gを買いました。GT-6よりもマイナーなコルグでしたが、実力は高く、ヘルプで入ったバンドのライブにも使ったほどです。

BOSSのGTシリーズより軽量(3.7kg)なため、持ち運びも便利でした。この頃にはマルチをエフェクトボードではなく、キャリングケースで運搬していたのもポイントかもしれません。というのも、肩にストラップをかけることが出来るケースのおかげで可搬性に関してのマルチの欠点が解消されていたからです。

ライン録音にも興味があったので、Line6のPODシリーズにも手を出してみたことがあります。POD XT LIVEは、フロアタイプのPODシリーズです。AX-3000Gよりもラインのトーンが秀逸でした。結局ライン録音には使用していなかったのですが、一度ライブに使って、散々な目に合ったので頭にきて売ってしまいました。

ライブバーでのライブにPOD XTを持っていったのですが、ドラムとベースのオケを使用してPODでエレキを弾くというものでした。当時のライブバーのPAがこの形態に慣れていないのと、リハスタでのPODの音だしを怠ったせいで散々なライブになりました。


PODを止めて、コンパクトエフェクターとアンプでエレキを弾き、オケ形態で臨んだツーマンライブでは、対照的に大成功でした。前日に地獄を味わったせいで、皮肉にも次のライブでは失敗しなかったのです。それにしても来てくれたお客には迷惑をかけました。

自宅のPAシステムで何度もリハーサルをしていても、ラインでライブをするのはリスクがあります。ライブはギターアンプを使った方がいいという結論になり、しばらくマルチはやめました。

4枚目のソロアルバムはVOX TONELABで録音

VOX TONELAB ST

2011年に制作した4枚目のソロアルバム“FEELING OF MESSIAH”は、ほとんどの曲をVOX TONELAB STで録音しています。KORGが、VOXを買収し生産していたTONELABシリーズは、AX-3000Gの後継エフェクターといえます。

秀逸なのが、パワー部に12AX7一本を使ったアンプシュミレーターのトーンです。クリーンからクランチまで音抜けのいい、使えるトーンが出ます。ただ、液晶モニターがないのが残念でしたが、つまみを操作するのが直感的といえなくはありません。また、激しく歪ませると音が細く聴こえるのは欠点でした。

PCと繋いで、プログラムを管理できたりします。しかし、パラメーターの変更などはできません。

VOX TONELAB STは、フロアマルチの使用をあきらめ、ラインで録音する機材を探しているときに購入しました。コンパクトなサイズのため、宅録に向いていると思ったのです。

この読みは当たり、かなり制作がスムーズに進みました。宅録でアンプをガンガン鳴らすと、ドラムとベースが聴こえにくくなるので、ラインの方がやりやすいからです。

思った以上にサクサク作業が進むので、続く2017年のアルバム“BORDERLINE”ではAMT TWEED SOUNDというアナログのアンプシュミレーターを使用しました。

フェンダーのツィードアンプのトーンを再現したエミュレーターで、太いトーンが出せるのが特徴です。このAMT ツィードサウンドに、コンパクトエフェクターで歪みを足して録音していました。

デジタルの長所と短所

筆者の使っていたPOD XT LIVE

マルチエフェクターや、アンプシュミレーターのいいところは、多彩な音が作られ、パッチチェンジで瞬時に呼び出せることです。アナログのコンパクトエフェクターとアンプの組み合わせだと、作るトーンの範囲は限られていますが、マルチの場合は曲ごとにアンシュミやエフェクターを個別にセッティングできます。

アンプのリターンに差して、パワー部のみ使えば、かなり理想に近いトーンが出せます。ぶっちゃけ、BOSS GT-6以降のマルチは、どれもライブに使えるほどのアンプシュミレーターだったと思います。

しかし、アナログ機材に戻ってしまうことがあります。それは、デジタルの場合、ラインで歪ませると音が細いという欠点があります。POD XTは、アンシュミとして発展してきたので、そこは太く聴こえたのですが、やはりアンプで歪ませて、マイクで録音した方が音は太いです。

他には、せっかくいいギターを使っていても、デジタルのアンプシュミレーターのトーンになってしまうことです。アナログの真空管アンプの場合、ギターの個性やアンプの特性を反映したダイレクトなトーンがあります。

しかし、マルチの場合、どうしても各メーカーのトーンになってしまい、せっかくこだわって買ったギターの個性が埋没してしまうのです。

次のアルバムの録音は、おそらく最近買ったVOX AC15C1にSHURE SM57(楽器録りマイクの定番)という組み合わせになると思います。しかし、デジタルのマルチはプロでも使うくらい定番となりつつあるので、結局のところ使い方しだいだと思います。

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