VOX AC15C1 レビュー:伝統のブリティッシュコンボアンプ!

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先日、購入したVOX AC15C1のレビューをやっていきます。今回は、Heritage H-157(レスポールタイプ)と、Gibson Les Paul Jr.(P-90搭載のギター)の2本のセッティングについても語ります。また、VOX ACシリーズの解説をしていきます。

イギリスの誇り!VOX ACシリーズ

出典 https://www.digimart.net VOX AC30 スーパーツイン

VOXのアンプといえば、AC15やAC30などのACシリーズのコンボアンプです。1957年にトム・ジェニングスJMI Corporationにアンプ設計者のディック・デニーが入社したところからVOXの栄光の歴史は始まります。

1958年に登場した、AC1/15(いわゆるAC15)の販売により、イギリスのミュージシャンがVOX ACシリーズを愛用していくのです。1960年に、より大きな音の鳴るアンプを求められていることを察知したデニーは、AC15の出力強化版であるAC30/4 Twinを開発します。

1961年には、ブリリアント・チャンネルを増設し、6インプット仕様のアンプAC30/6Twinが販売されます。その後、ビートルズによってVOXアンプの名は世界中に知れ渡るようになります。

1970年代では、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが、AC30を愛用していました。1980年代では、R.E.M.(アメリカのバンド)のギタリスト、ピーター・バックがAC30を使用しています。

1990年代では、スウェードのギタリスト、バーナード・バトラーのアンプのイメージがあり、多くのイギリス人ミュージシャンの使っているマーシャルと並ぶブリティッシュアンプの雄です。

AC30は、クラスA回路(パワー管をフル稼働させるタイプ)のアンプで、AC30は、EL84管を4本使用しています。クラスAの場合、真空管を稼動させる時間が長いので、真空管の寿命は短くなります。

日本のスタジオにあまり置いていないのは、クラスAによる真空管のへたりが、クラスA/Bのアンプと比較して早いからでしょう。また、1967年にトム・ジェニングスと、ディック・デニーが退社すると、VOXは急速にシェアを失うようになっていきます。様々な会社に転売され、1990年代にコルグの子会社となります。

現在のVOXは、コルグとのコンビネーションで、様々なアンプを復刻したり、マルチ・エフェクターを製作したりしています。現代的な2インプットで、マスター・ボリュームのある、ACカスタムシリーズなどは、コルグ傘下になってから作られたアンプです。

VOX AC15C1について

AC15C1の正面

小型のフルチューブアンプが、自宅練習と宅録に必要になったので、VOXやマーシャルのブリティッシュアンプを楽器店で試しました。その結果ベストなトーンのヴォックスのAC15C1を購入しました。

AC15CC1の後継アンプとして、2010年3月に販売開始されたAC15C1は、ヴォックス黎明期のアンプの名称を受け継いでいます。しかし、トップブーストチャンネルが設けられていることから解るように、AC30/6の設計思想が反映された現代のアンプです。

AC30は、1960年の初期型であるAC30/4までは、プリ管にEF84を使用していました。その後、6インプットのAC30/6に改良されたときに、ECC83(12AX7に相当)をプリ管に採用し、後に変化したトーンを補う回路であるトップブースト回路が取りつけられるようになりました。

AC15C1は、現代風にインプットがノーマルと、トップ・ブーストチャンネルの2つになっています。それでも、モダンなアンプというより、ビンテージを意識した外観です。また、12インチのセレッション・グリーンバック・スピーカー1発のモデルなのに、602×265×456mmと比較的大きなサイズです。

真空管は、プリ部に12AX7(ECC83)を3本、パワー部にEL84を2本使用しています。また、自己バイアス回路のため、マッチドペアのパワー管をそのままバイアス調整なしに交換することができます。

後ろのパネルには、電源コード用のプラグとフットスイッチ VOX VFS2A用の端子があります。フットスイッチは、リバーヴと、トレモロのON/OFFスイッチで、チャンネル切り替え用ではありません。センド・リターン端子は、AC30C1などには装備されているのですが、AC15C1にはありません。


エフェクターの数を減らしているので、直列でも音が痩せないので、あまり気になりません。センド・リターンを使う場合は、フェンダー・ジャパンのSVD20CEを使うことにします。

ROWIN ABYという中国製のA/B BOX(ラインセレクター)を購入し、ノーマルとトップブーストチャンネルを切り替えています。重要度は、フットスイッチよりラインセレクターの方が高いです。

ぶっちゃけ、かなり歪ませることも可能で、80年代ハードロックくらいの歪みは充分に出るアンプです。ただ、メタルをやるなら違うアンプをおすすめします。最近では、VOXでもナイトトレインシリーズなど、激歪みを売りにしているアンプもあるので、一概にVOXはクリーンからクランチ!といえなくなってきていると思いますが。

試奏のときに感じたのは、ミドルがはっきりしているアンプだと思いました。それでも音がこもることなく中域がギュッとつまった抜けのあるトーンです。確かにシングルコイルのギターに合いそうなキャラクターです。イギリスのバンドのあのトーンというのが、デフォルトで出てくるアンプでチューブ特有のコンプレッション感があります。

Heritage H-157(レスポールタイプのギター)のセッティング

レスポール(ハムPU)でのセッティング例 撮影のためマスターは下げている

なぜか、ヴォックスアンプはハムバッキングPUに合わないといわれています。僕のメインギターのヘリテイジは、ハムPUを2基搭載した典型的なレスポールタイプのギターなので、実は相性を心配していました(試奏はレスポールJrを使用)。

バランス型のトーンの効きのようで、ベースを上げたら、トレブルをその分下げて調整していきます。ミドルつまみはありませんが、大体2つのトーンつまみで音は作られます。とはいっても、トップ・ブーストチャンネルのみにしかトーンはないです。

パワーアンプのみに効果のあるカットというつまみが、マスターボリュームの隣にあります。ノーマル、トップブースト両方で使えるトーンにするために、ハイが強調されていたハムPUのヘリテイジの場合、カットつまみは10時方向と上げ気味にしています。

カットは、プレゼンスの逆で、上げれば高音成分をカットできるようになっています。高音の範囲が広すぎる場合に有効なつまみというイメージで合っていると思います。また、ハムPUのレスポールの場合、トップブーストのBASSは2時、TREBLEは10時と低域を若干持ち上げて、その分高域を下げます。

マスター・ボリュームは一軒家でも8~9時方向までしか上げていません。ノーマルボリュームは半分くらいで、軽い歪みのかかったクリーンにしています。対照的にトップ・ブーストは、2~3時方向まで上げて、歪むようにセッティングしています。

ハムの場合、高域が強調されてしまうので、TONE CUTを上げて減らすようにしています。ノーマル、トップ・ブーストともにバランスの取れた状態にしています。ソロ時には、BOSS SD-1(ブースター)で歪みを足しています。

Gibson Les Paul Jr.でのセッティング

ギブソン・レスポール・ジュニアのセッティング例

シングルコイルのP-90ピックアップをリアに1基だけ搭載しているギブソン・レスポールJr.との相性はばっちりです。トーンもほぼフラットで問題ありませんが、若干ハイを上げています。カットつまみも8~9時で足りるので、ほとんどボリューム関係のバランスしか取る必要がありません。

ピックアップが一つしかないので、ギター側のトーンを調整することを前提に、カッティングに適したトーンを作っています。トップブーストのボリュームは、2時方向、ノーマルは12時にしています。ボトムリフ重視の曲の場合、ギターのトーンを下げています。リードを弾いたり、オブリを弾くときにブースターを使用して音を持ち上げます。

リバーブは、少し効きすぎるので、あまり上げずに掛けっ放しにしています。深めに欲しいときにBOSS DD-20(ディレイ)を足しています。トレモロは今のところ使っていません。

VOX AC15C1は自宅練習にぴったりのアンプ

狭い室内のためロフトベッドの階段の下にアンプを置いている

山野楽器なんば店で購入し、家に届いてからそろそろ6日になります。その間、10時間以上弾いて最初のレビューなど書いてみました。ハムでもやれないことはないアンプです。そういえば、バーナード・バトラーのメインギターって、ギブソンES-355でした。

ただ、フラットに調整した場合は、シングルのP-90の方がぴったりな感じがしました。カットつまみを有効に使うことでハムに合うトーンも出たのでセッティングしだいだと思います。僕はこのまま気にせず、ハムのレスポールでガンガン弾きます(笑)。

トーンの傾向は、バランス型だと思います。トレブルを下げたら、その分ベースを上げる必要があります。オーディオタイプのトーンの効きではありません。マーシャルのようにフルテンというのは、正直合わないアンプだと思いました。

ブライアン・メイがAC30でやっていたように、ノーマル・チャンネルのボリュームを目一杯上げて、トレブルブースターで、思いっきり歪ませるというセッティングを試してみたくなる危険性があります(汗)。

往年のヴォックストーンから少しモダンなトーンまで、充分な歪みのあるアンプです。トレモロもよく効いていて、使える機能だと思うのでフットスイッチ VOX VFS2Aの購入を検討しています。フットスイッチでチャンネル切り替えにしていないのかは不明ですが、おそらくビンテージっぽい回路とルックスにこだわった結果だと思います。

ラインセレクターを使った、チャンネル切り替え技はかなりおすすめです。思っていたよりもアンプ単体の歪みの幅が広く、昔のあまり歪まないアンプのイメージはなくなりました。ビートルズのジョージのトーンもうまくセッティングすれば近いものが出せそうなので、今度挑戦してみようと思っています。

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