いずもの空母化の次は強襲揚陸艦?

Pocket

いずもの空母化は、防衛大綱に記載され、F-35Bの導入も決定的となりました。次に控えているのは、今年の3月に編成された水陸機動団の新装備として、強襲揚陸艦の導入ということになりそうです。

日本版海兵隊と呼ばれる水陸機動団

水陸機動団の発足式

2018年3月に、日本版海兵隊ともいわれている水陸機動団が発足しました。その任務は、海から上陸し部隊を展開し防衛することです。とはいえ、揚陸するということは、真っ先に交戦する可能性が高いということです。水陸機動団とは、そういった意味で最前線で活動する部隊なのです。

ぶっちゃけ、日本国憲法を無視して創設したといわれても仕方ない部隊だと思います。というのも、古今東西、海兵隊といえば思いつくのが攻撃です。海岸の敵を強襲する任務が多いからです。

安倍政権下では、憲法を無視した軍拡が進んでいます。安全保障関連法案(安保法案)の2015年の成立や、同時期に行われた改正防衛省設置法案によって、たががはずれたように自衛隊の組織が変わってきています。

背広組と制服組を同列に扱うようになり、シビリアンコントロールの意味が薄れました。次に、各方面隊を統合する陸上総隊が創設され、5つに分かれていた方面隊を1つの指揮系統で運用できるようになりました。

かつての陸軍のような暴走をしないように、陸上自衛隊をおおまかに5つの地域に分けていたのです。それぞれに指揮系統があり、一元運用しないことにより、戦力の集中を避けていました。

2017年には、巡航ミサイルの運用を閣議決定し、2018年には水陸機動団の発足、そして更にはいずもの空母化とF-35Bの導入です。防衛省の予算も安倍政権下で拡大する一方です。

水陸機動団は、西部方面隊の連隊を基盤に3,000人規模で運用されます。とはいえ、発足したばかりなので、現在のところは3個連隊規模(およそ2,100人)となっています。

アメリカ製のAAV7

基本的に陸上自衛隊が中心となって編成されています。水陸機動団の輸送は、主にAAV7(水陸両用強襲輸送車)が用いられます。AAV7は、1両あたり約7.7億円で購入しており、現在58両を所持しています。

また、V-22オスプレイも水陸機動団の輸送に使われます。オスプレイは、「ウィドー・メーカー」と呼ばれるほど墜落事故のイメージが定着してしまっていて、運用は各自治体から反対されています。

オスプレイは、ヘリのホバリング能力と、固定翼機の速度と航続距離の長さを併せ持っていますが、複雑なティルトローター機構のせいで操縦の難しい機体となっています。

オスプレイの価格については、2015年に日本はアメリカから17機とその装備品を3,600億円で購入しています。今のところ、AAV7をおおすみ型輸送艦などで運搬することになっています。輸送艦の護衛に、空母化したいずも型護衛艦が随伴するという構想になっているのです。

強襲揚陸艦は海兵隊の母艦

アメリカのワスプ級強襲揚陸艦

強襲揚陸艦とは、揚陸艇を格納し、目的地に輸送することが出来ます。また、ヘリやSTOVL機(ハリアーやF-35Bなど)の運用も可能で、揚陸を空から支援することも出来ます。

簡単に表現すると、海兵隊の母艦です。日本のアニメ『機動戦士ガンダム』のホワイトベースも強襲揚陸艦に分類されています。実は、世界初の強襲揚陸艦は、1938年初期に開発された旧日本陸軍の神州丸です。

出典 http://www.gundam.jp/

アニメで有名な強襲揚陸艦といえばガンダムのホワイトベース

強襲揚陸艦の任務は、兵員を輸送するヘリや揚陸艇の運搬と、航空戦力による援護の2つです。戦時における海兵隊の洋上の拠点というべき兵器が強襲揚陸艦なのです。

アメリカでポピュラーな強襲揚陸艦といえば、ワスプです。エア・クッション型揚陸艇もしくは、上陸揚陸艇をそのまま収容できるウェルドックと呼ばれる格納庫を船尾に持っています。

タラワ級のウェルドック

ワスプ級が標準で搭載している航空兵力は、STOVL機6機と、兵員輸送ヘリ(もしくはオスプレイ)12機、大型ヘリ(CH-53Eなど)が9機、通常サイズのヘリ8機(ヒューイコブラやツインヒューイ)です。

そして、最も重要な海兵隊員は、1,845名を運搬することが可能です。M1エイブラムス戦車4両、AAV7は15両、LAV-25歩兵戦闘車10両、軍用トラックもしくは4輪駆動車(ジープの後継ハンヴィー)は80両、155mm榴弾砲は8門搭載できます。

※ワスプ級スペック表

ワスプ級強襲揚陸艦
総排水量 t 40,650~41,335
全長×全幅×吃水 m 257.3×42.7×8.0
最大出力 hp 70,000
最大速力 ノット 22
乗員 人 仕官 104
     曹士 1,004
             海兵隊員 1,894

総排水量4万トン、全長257mでガスタービンを機関に持つ、ワスプ級は、ニミッツ級航空母艦(原子力空母)の総排水量8万トン以上、全長330mと比較すると中規模の艦船ということになります。

ニミッツ級は、71機もの航空兵力を標準搭載しています。それに対して、ワスプ級は35機もの航空機(ヘリが中心)を運用し、且つ陸戦用の兵器や揚陸艇も収納しています。

最新のアメリカ級では、より艦載能力を高めています。今後は、5万トンクラスになるのではないかといわれています。

強襲揚陸艦と空母による立体的な作戦行動の意味

アメリカ級強襲揚陸艦

F-35BはあくまでAV-8BハリアーⅡの後継機で海兵隊仕様であり、純粋な意味での海軍用の艦載機ではありません。海軍用に納入されるのは、F-35Cであり、こちらにはSTOVL機能はありません。

なぜ、STOVL機が必要かといわれれば、甲板の問題があります。艦載機のためのカタパルトを設置する必要がある空母と違い、強襲揚陸艦はヘリの運用が重視されます。ヘリと航空機による支援機能という点から、カタパルトを必要としないSTOVL機が重用されるのです。

立体的な作戦行動をする場合、空母打撃群が、制空権と制海権をある程度保持した状態で、強襲揚陸艦で接舷し揚陸艇で海兵隊を展開してから海岸の敵を攻撃するということになります。その際、揚陸艇や兵員輸送ヘリを護衛するのが、攻撃ヘリとSTOVL機というわけです。


強襲揚陸艦と空母って完全に攻撃型の軍艦じゃん!って思われたでしょう。今まで自衛隊が空母も強襲揚陸艦も持たなかったのは、こういった作戦が展開できるからです。場合によっては、他国を侵略できる兵器が、これらの艦艇なのです。

今までの自衛隊なら考えられなかったことが、憲法を改正することなく既成事実化されているのです。尖閣諸島の防衛のためだけなら、水陸機動団の創設など、必要ありません。

恐ろしいのは、アホみたいに法治国家としての手続きをしない安倍のやり口です。主権者である国民に審判を仰ぐわけでもなく、日本の総理大臣が、意図的に憲法違反って、どこの独裁国の話だよ!

というのも、こういった装備を自衛隊が購入もしくは検討する場合、当然ながら憲法内での範疇なのかを判断しなければなりません。まともな政治家がいた昔なら「巡航ミサイルに空母?ダメに決まっているだろう!」とどやされるのがオチです。

ところが、安倍政権ではなぜか「どんどん買ったらええ、金はなんとかしてやる」と政治家が後押しします。これを政治の劣化と呼ばずしてなんと表現するべきでしょうか?

アメリカが戦力を削減している今、日米安保の形も変わりつつあります。アジア地域における防衛戦力として、日本の自衛隊の軍備を拡張させようとアメリカが画策し、それに乗っかる形で、安倍政権が軍拡を行っています。

このままでは、アメリカの起こした戦争に巻き込まれたり、積極的に参加しかねません。おもちゃを欲しがる子供ではないのですから、頭を冷やしてよく考えろ!といいたいです。

ミリタリー関連の記事はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください