アンプの特徴について:その2アメリカ製アンプの個性

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今回は、アメリカ製のアンプについて語りたいと思います。アメリカの代表的なアンプといえば、フェンダーとメサ・ブギーです。フェンダー社は1940年代、メサ・ブギーは1960年代後半からアンプの製造や改造に関わってきた老舗のメーカーです。

アメリカ製アンプの特徴

出典 http://mesaboogie.com/ メサ・ブギー MarkⅠリシューモデル

基本的にアンプの個性を語るとき、チューブアンプかトランジスタかデジタルかで基準が変わります。真空管を使ったフルチューブアンプの場合は、まずパワー管の種類を見ます。

パワー管とは、プリアンプで作られた電気信号を増幅し、スピーカーに出力するための回路の真空管のことです。基本的に40~60Wのアンプの場合は2本、80~120Wのアンプの場合は4本必要です。

ギターアンプの場合、プリアンプに使われる真空管の種類は似通っていて、ほぼ12AX7管が多いです。もちろん、プリ管にもメーカーや真空度による個性はあるものの、根本的に違う種類の管を使うパワー管の方が個性は明確です。

アメリカの大手メーカーであるFenderと、Mesa/Boogieは、40W以上のアンプに6L6管を使用しています。小型アンプに使われているパワー管に関しては、解説すると長くなるので今回は、6L6管を中心に話をすすめていきます。

メサ・ブギーがフェンダーと同じ6L6管を使っている理由は、元々フェンダー・プリンストンアンプの改良から始まったメーカーだからです。6L6特有のカラっとした明るめのサウンドが特徴です。

フェンダーの小型アンプや、モダンなメサ・ブギーのレクティファイヤなどは、また違った個性がありますが、ツインリバーブやその後継機のザ・ツインとメサ・ブギーのマークシリーズには、6L6特有の個性が反映されています。

Fender Twin ReverbとThe Twin

出典 https://www.soundhouse.co.jp/ フェンダー・ツインリバーブ

筆者が、フェンダーアンプを使用したきっかけといえば、友人とのセッションで1980年代に販売されたTwin Reverbの後継機、The Twinを常設しているスタジオでのことです。

友人は、ローランドのジャズコーラスを使っていて、僕はザ・ツインを使ってみたのですが、クリーンもオーバードライブも両方とも素晴らしいトーンで弾きやすかったのです。

当時からメインは、ヘリテイジのH157(レスポールタイプ)のギターでしたが、ハムにも相性のいい、音抜けのいい明るめのトーンが気持ち良かったことを覚えています。

ツイン・リバーブは、クリーントーンが売りのアンプでエフェクターをかまして歪ませたりするのに向いていて、単体で歪ませるならゲインつまみのあるザ・ツインが得意です。

出典 https://www.amazon.co.jp/ フェンダー・ザ・ツイン

基本的に両方ともスピーカーを内蔵したコンボアンプで、12インチスピーカー2発のアンプです。出力は、ツインリバーブが85W、ザ・ツインが100Wとなっています。1963年にツインアンプを発展させたツインリバーブは、ライブ会場の大型化に伴い、大出力を必要としていたのです。

ツイン・リバーブのいいところは煌びやかで暖かみのあるクリーントーンです。クセの強いアンプと違って色々なエフェクターと相性のいいトーンを持っています。ツイン・リバーブでクリーンを作って、ディストーションやオーバードライブペダルを使って歪ませるという使用方法は、ローランドのジャズコーラスにも通じる使い方です。

実際に、どのスタジオやライブハウスでもジャズコとツインリバーブは置いてあります。クリーントーンをどちらのアンプでも作られるようにしておけば、お気に入りのペダルを使った音作りが可能です。

ツイン・リバーブは、オールチューブならではの艶のあるトーンがあります。安定性のあるのはジャズコなのですが、味があるのはツイン・リバーブです。

Mesa/Boogie S.O.B.(リィシューモデル)とRectifier

僕は長い期間、Mesa/Boogieをメインアンプにしていました。前述したフェンダーのザ・ツインをスタジオで使ってからというもの、6L6管のアンプを探していました。

心斎橋の噴水広場の近くの楽器店にぶらりと立ち寄った店に、12インチスピーカー1発の白いトーレックのアンプが置いてありました。キャビネットの左上には、Boogieのロゴがあり、試奏してみたらびっくりするくらいガッツのあるトーンが出ました。

メサ・ブギー S.O.B.というモデルで、1970年代の名器Mark-Ⅰの1980年代に作られたリィシューモデルでした。あまり知られていないアンプなので、かなりの安値で売られていたので、衝動買いしたのです。

60Wのスピーカー12インチ1発のコンボアンプで、リミッターが付いており、自宅練習に使えました。クリーンからクランチ、より深いオーバードライブまでの歪みを単体で作ることが出来、どれもバランスのいい明るめのトーンで気に入っていたのです。


スピーカー2発のコンボアンプより、音抜けがいいのですが、ハイが強調されるところもあります。スピーカーの数が増えるほど、ボトムがよく効くようになるので、1発のコンボアンプの場合は、トレブルを少し抑え気味にする必要がありました。

マークⅢになるとより深く歪むようになり、3チャンネルになるのですが、初代のマークⅠは、1チャンネル2インプットのかなりシンプルなアンプです。マークⅡまでは、コンボのイメージが強く、マークⅢ以降は、スタックのイメージがあります。トーンもフェンダーに近く、モダンというよりはビンテージな感じのアンプでした。

出典 https://item.rakuten.co.jp/ メサ・ブギー レクティファイアのヘッド

対照的なのが、メタルバンドのギタリストに愛用されているRectifierです。レクティファイアとは、整流管のことです。こちらは、同じ6L6管のアンプながら、ゴリゴリに歪み強烈なボトムリフや、リードを弾くのに向いているアンプです。

ぶっちゃけ、クリーントーンよりモダンなディストーションに向いたアンプがレクティファイアで、スタジオでもなかなかお目にかかれない高価なアンプです。近所のスタジオに常設されていて、たまに弾きに行ったことがあります。このアンプでボトムリフを弾くと、80年代メタルの香りがしてきます(笑)。

マークシリーズは、サンタナやラリー・カールトンのイメージが強く、マークⅣ以降から、徐々にメタル寄りになっていきます。マークシリーズは、初期がビンテージ寄り、マークⅢがモダンとビンテージの中間で、マークⅣ以降はメタルです。

Ampegのギターアンプについて

出典 https://www.digimart.net/ アンペグ VL-501

Ampegといえば、ワシントン州にあるベースアンプで知られるメーカーです。しかし、ギターアンプも生産しており、過去に2台ほど購入したことがあります。筆者が所有していたのは、VL-501という50Wのアンペグのヘッドで、スタジオに持って行ってキャビと接続して使用していました。

なかなかよく歪むし、へたったマーシャルよりもいいトーンをしていたので、気に入っていたのですが、ヘッドを運搬しないと音が出せないという不便さから手放してしまいました。

マーシャルのJCM800を全体的にパワーアップさせたようなアンプで、珍しいキーで施錠できるギターアンプでした。リー・ジャクソン監修で、EL34管と6550管の2つを選択でき、僕の所有していたVL-501は6550管の50Wモデルだったと思います。

この他にも自宅練習用として、15WのオールチューブアンプJ-12Rも所有していたことがあります。1ボリュームという潔いアンプで、ボリュームを上げると歪んできます。どちらかといえば、フェンダー・チャンプとかのシンプルなアンプに通じるものがありましたが、メサ・ブギーを買ったら必要なくなり、売ってしまいました。

アメリカ製のアンプのまとめ

出典 http://mesaboogie.com/ メサ・ブギーのキャビネット

アメリカンなアンプとは、フェンダー、メサ・ブギーに代表される6L6管のアンプのイメージが大きいです。簡単にカテゴリーにしてしまうには、ブルースに使われるようなフェンダーの小型アンプや、メタルに使われるようなモダンなメサ・ブギーやアンペグ、ピービーなど多岐にわたっています。

それでも、このアメリカ製アンプに持つイメージというのは重要で、明るめのカラっとしたキャラクターというのは今では文化的な意味も含んでいるように思います。筆者は、基本的にアメリカ製アンプを使うことが多かったのですが、次回はスタジオに常設されているマーシャルやVOXなどのイギリス製アンプについて書いていきます。

ギターに関する記事はこちら

アンプの特徴について:その4 日本製トランジスタアンプ

アンプの特徴について:その3 イギリス製アンプについて

アンプの特徴について:その1 アンプの歴史

ギブソン系とフェンダー系ギターの違いとは?

 

 

 

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