コルト M1911 (コルト・ガバメント):100年経った今でも現役の名銃

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91Daysの記事で、コルト M1911について触れたので、今回は100年以上の歴史のある名銃について書きます。日本では、コルト・ガバメントの通称で知られていますが、正式名称はM1911で、1927年以降のモデルは、M1911A1といいます。

M1911とは?

日本以外では、1911(ナインティーン・イレブン)もしくはハンド・キャノンという通称で呼ばれています。ガバメントとは、官給という意味で、ガバメント・モデル(官給型)として売られていたことから、コルト・ガバメントとして日本では親しまれています。

アニメでは、ルパン三世の銭形警部や91Daysのアヴィリオ、アップルシードのデュナンなどが愛用しています。海外ドラマでは、コンバットのサンダース軍曹や、ザ・パシフィックのロバート・レッキーなどが使用しています。

M1911の歴史

コルト M1911は、天才銃器開発者ジョン・ブローニングが、軍からの依頼を受けて開発したシングルアクションのオートマチック・ピストルです。アメリカで初の自動拳銃であるM1900は、38ACP(38口径弾)で、マン・ストッピングパワーが足りていませんでした。

M1911は、45ACP(45口径弾)を7発(薬室内にプラス1発)装弾出来ます。ティルトバレル式ショートリコイル機構の元祖であり、多くの自動拳銃のベンチマークとなったのが、このM1911なのです。

そして、M1911の完成度の高さにより、1911年にアメリカ軍に制式採用されました。第1次世界大戦で、活躍したM1911のデータを基に、改良されたのが、1927年から生産されるM1911A1なのです。

この改良は、ハンマーの下部のグリップセーフティが、挟まりにくい形状にし、トリガー後方をえぐって指が当たりにくくするなど、使い勝手を向上させています。

訓練中の海兵隊とコルト M45A1

M1911A1は、第2次世界大戦や、朝鮮戦争、ベトナム戦争にわたるまで、小銃のサブアームとして活躍し続けました。特にベトナム戦争では、こんな話を聞いたことがあります。

メインウェポンのM16A1の5.56mm弾が貫通することが多く、接近戦では撃ち返されることが多いので、腹部をM1911A1で撃って相手の銃口を下げさせるという手が有効だったそうです。

45ACPのストッピングパワーや、耐久性に対する、兵士の信頼は高く、1985年にベレッタ92Fが制式採用されるまで、70年以上の間アメリカ軍の制式拳銃であり続けました。


海兵隊の一部の部隊では、2012年からコルト M45A1 CQBPが採用されています。この銃は、M1911の基本構造を引き継いだモデルで、現代でも信頼性の高さから軍に使われている事例です。

また、民間にも多数のM1911が流入しており、現在ではコルト社のパテントがなくなったため、様々なメーカーが1911タイプの銃が販売されています。

有名なのが、コルト社のライバルメーカーであるスミス・アンド・ウェッソン(S&W)社が作ったSW1911です。最近では、品質の落ちてきたコルト社より、S&Wの評判の方がいいので、アメリカ本国では人気の銃です。

MGC ウィルソンLE:筆者所有のエアガン

MGC ウィルソンLE コンペンセイターが特徴

かくいう筆者も1911モデルのエアガンを一丁所有しています。MGCというモデルガン/エアガンメーカーの作ったウィルソンLEというガスガンです。

ウィルソン社は、カスタムガンを手がけているメーカーで、競技用の1911モデルとしてカスタムされたのが、ウィルソンLEです。有名なガンシューター、ロバート・レイサムや、ブライアン・イーノスが愛用しました。

MGCは、シングルアクションのコルト・マークⅣ(民間の1911モデル)をベースにしたウィルソンLEのハンマーアクションを再現しています。固定スライドモデルで、シングルアクションハンマーがピコピコ動くという、革新的なエアガンで、1980年代当時の競技にはよく使われていました。

僕は、サバゲーのサブアームとして購入しましたが、作りの良さや精度の高さに、感動した覚えがあります。同じ1911モデルで、今欲しいのは、WA社のSW1911です。しかし、WA SW1911は中古しか買えないので、東京マルイのM1911A1の方が入手しやすいでしょう。

1911モデルの時代を超える魅力とは?

現在のハンドガンは、9mmパラベラム弾をダブルカラムマガジンに13~17発装弾できるダブルアクションモデルが主流となっています。ベレッタ M9や、グロック17などが、その代表格です。

確かに、装弾数の多い9mmパラベラムの銃は軍や警察にとって魅力的でしょう。ストッピングパワーという点では、45ACPの方が上ですが、弾数の点では圧倒的に9mmの方が有利です。

しかし、海兵隊の一部や、民間のガンシューターに1911モデルが好まれています。長年培われたノウハウによる耐久性と信頼性や、本体重量の重さから反動がすくないこと、カスタムベースとしてパーツが豊富にあることなどがその理由です。

シングルカラムマガジンによる握りやすいグリップも、M1911の人気の原因の一つでしょう。100年もの歳月を、様々なガンシューター達に愛用され続けた、コルト M1911は、オートマチックピストルの名銃なのです。

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