ヤマハは2026年1月にフルサイズのトレールバイク、WR125Rを国内販売すると発表しました。2020年のセロー250の販売中止以来、実に5年ぶりの単気筒トレール車の復活ですが、どういったバイクなのか調べてみました。
目次 この記事の内容
- ヤマハのトレール車の系譜
- WR125Rはなぜ小型二輪なのか?
- WR125Rの魅力
ヤマハのトレール車の系譜
WR250R
そもそもWRシリーズは、ハイスペックなオートバイというイメージが強いです。2008年から販売され、2017年まで生産されたレーサーのような公道走行可能なオフローダーWR250Rのイメージがあるからです。
その一方で、息が長く、ベストセラーだったセローは、1980年代の初代の225から2020年に生産終了した250まで幅広い使い方に適したトレールバイクでした。
つまり、WRは比較的レーシーで、セローは公道での林道ツーリングに適したオートバイという区分けがあったのです。しかし、2017年にWR250Rが生産終了、2020年にはセロー250がラインナップから消えました。
現在のところ、ヤマハでオフロード走行を視野に入れた公道走行モデルは、2気筒のテネレ700のみとなり、軽量な単気筒でのオフ車が待たれていました。そんな中、5年ぶりに国内販売されるのが、WR125Rというわけです。
WR125Rはなぜ小型2輪なのか?

WR125R
そもそもフルサイズの125ccのトレール車に需要があるのか?という話です。欧州では16歳からのA1免許までの出力に合わせてます。具体的には、排気量が125ccまでで出力が11kW以下という区分です。
WR125Rの最高出力は、11kW(15PS)/10,000rpmです。この規制の上限ギリギリとなってます。最大トルクも、11N・m(1.1kgf・m)/6,500rpmと数値的には排気量なりかと思います。
つまりヨーロッパ市場では、16歳向けの区分として125ccのフルサイズオフ車の需要が既にあるわけです。問題は、このサイズのオフ車を日本に導入する意味ですね。僕は任意保険を付帯できるのが、小型二輪までの125ccまでということに着目しています。
つまり、既に車や大きい排気量のバイクを所持している層向け、ということです。また、家族付帯で学生などが気軽に乗れるクラスであることも重要かと。
ヤマハはおそらく、このクラスでオフロード車の裾野を広げたい、という思惑があるのでしょう。個人的には大型バイクに乗っていて、セカンドバイクにオフ車が欲しい場合、選択肢になるかな、と思っています。
WR125Rの魅力

このトレールバイクの魅力は、装備重量で138kgの車重とオフロードで適正な出力です。もちろん、軽い、という表現はできない車重ですが、今時の規制を通すならフルサイズならこれくらいはなります。
筆者が乗っていたCRF250Lは144kgありましたが、十分オフロードを走られましたし、軽く感じました。つまり、サスのストロークがしっかりしたフルサイズならではの、林道走行が楽しいバイクだと思いました。
むしろ、これくらいのパワーの方が、怖くない範囲でダートを楽しめられるかと。高速道路や自動車専用道路が使えないだけで、バイパスなどは乗れるので行動範囲も広いので。
また、WMTCモード燃費でリッターあたり、44.8km/lの燃費と、レギュラー仕様の8.1Lタンクがあるので、航続距離も362kmとなっています。ツーリングにも最適です。
問題はシート高が875mmあることです。これは172cmの筆者でも同じ高さのCRFでは踵がつきませんでした。サスが沈むので、そこまでしんどくないですが、身長の低い人や足つきに不安がある場合は、ローダウンも考慮すべきです。
価格は税込で53万9,000円と、結構しますが、本格的オフロード車、と考えると適正です。セカンドバイクにいかがでしょうか?

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