フェンダーのスチューデントモデル解説:ミュージックマスターやムスタングの見分け方

先日、フェンダーのスチューデントギターについて友人とやり取りしていて気づいたのが、ムスタングやミュージックマスター、デュオソニック、ブロンコの見分け方が分からないことでした。PUの数で大雑把に分けていたのですが、どうやらそれだけではないようで色々調べてみました。

目次 この記事の特徴

  • 知らないと分かりにくい?スチューデントモデルの見分け方
  • Fender Musicmaster
  • Duo-Sonic
  • Mustang
  • Bronco
  • 4機種それぞれの特徴と使い手

知らないと分かりにくい?スチューデントモデルの見分け方

先日、友人とやり取りしていたら、ミュージックマスターデュオソニックムスタングブロンコの違いについて、勘違いしていたことに気づきました。これまでは、PUの数で判定していたのですが、本来はそれぞれに違いのあるギターのようです。

筆者が現在使っているジャガーは高級機としてデザインされたもので、スチューデントモデルとして設計された、これらの4本のモデルとは異なります。今回は、Fender Musicmaster、Duo-Sonic、Mustang、Broncoについて説明していきます。

Fender Musicmaster

1956年に一番最初に販売されたのは、ミュージックマスターです。フェンダーは安価なスチューデントモデル(初心者向け)として、新たに2本のギターを設計しました。

3/4という言葉の通りの22.5インチのショートスケール、小さいサイズのポプラ、もしくはバスウッドボディ、メイプルネックというギターです。また、フィンガーボードは1959年の改訂以降、ローズウッドに変更されました。

ミュージックマスターは、フロントに1PU、トレモロ機構のない一番シンプルな仕様のギターです。後程解説するムスタングの販売に伴い、1964年からムスタングやブロンコと共通のボディを使用することになりました。

はっきりとはしないのですが、ボディはアルダーも使われていた、という説もあります。ハードウッドとかいう表記なので、余計に分かり辛いですね(大汗)。

更にこの頃から同じショートスケールでも、22フレットの24インチモデルが追加されました。ミュージックマスターはここからミュージックマスターIIと改名され、1982年まで生産されました。

Duo-Sonic

ミュージックマスターと同じ1956年、数ヶ月遅れて販売されたのが、デュオソニックです。ミュージックマスターとの違いは、リア側に追加されたシングルコイルピックアップです。

実は、この2PUのミックスポジションは、ハムキャンセル効果(逆位相でノイズを軽減)があり、ギブソンがハムPUを開発するよりも早かったとも言われています。


仕様変更については、前述のミュージックマスターと同じです。追記としてはピックガードで、アルミからプラスチックに1959年の改良型でなっています。

1964年の改良型から、デュオソニックIIに改名されています。しかし、トレモロユニット付きのムスタングに人気が集中したことから、1969年に生産終了となりました。

Mustang

フェンダー・ムスタングは1964年に販売開始されました。すでにあったミュージックマスター、デュオソニックに続く3番目のスチューデントモデルとして、様々な機能が追加されたギターです。

まずPUはカバー付きのものを採用しています。次にスライドスイッチにして2つのPUのオンオフと、位相の切り替えをしています。

アウト・オブ・フェイズサウンドという逆位相を使った中域にクセのあるトーンや、2つのPUを直列にしたようなトーンも出せます。

最大の特徴は、ダイナミック・ビブラートという、ジャガーやジャズマスターに搭載されているフローティング・トレモロ機構と異なるビブラート・ユニットが組み込まれていることです。

ダイナミック・ビブラートは、軽く触れただけで音が変化すること、可変域が大きくチューニングが狂いやすいのが特徴です。このビブラートユニットの恩恵もあり、ムスタングは人気のあるスチューデントモデルとなったのです。

ムスタングもスケール長が、22.5インチと24インチのモデルが混在していました。また、材の構成はミュージックマスターIIや、デュオソニックと共通でした。

ムスタングは1982年で生産終了しました。その後1986年よりフェンダー・ジャパンにてムスタングが販売され、今に至ります。

Bronco

2007/06/25 19:15 写真提供 Wayavas1337

フェンダー・ブロンコは1967年に販売開始されたフェンダー社、第4のスチューデントモデルです。ムスタングと同じくビブラートユニット付きですが、フェンダー・スティール・ヴィブラートと呼ばれる独自のものでした。

また、フェンダー・ブロンコ・アンプとセットで販売されていたようです。この当時のブロンコ・アンプはパワー菅に6V6を搭載した、バイブロ・チャンプに似た仕様のものでした。

ミュージックマスターとは異なり、リア側に1基のみPUを搭載したモデルです。また、プレート全体が稼働する、いわゆるブロンコ・トレムは稼働範囲が広いです。

元々ダコタレッドがメインカラーでしたが、1970年代にはブラックとホワイトとワインレッドが追加されていました。1981年に生産終了しています。

4機種それぞれの特徴と使い手

ミュージックマスターは、フェンダーのスチューデントモデルの元祖として、シンプルな構成のギターです。ロリー・ギャラガーが所有し、使っていたイメージがあります。

デュオソニックは、パティ・スミスが愛用していました。また、ムスタングはトレモロユニットの恩恵か、人気があるイメージです。

カート・コバーンもジャガーの他にムスタングを使っていましたし、ジョニー・ウィンターもトレモロレスに改造したムスタングを愛用していた時期がありました。なんと言っても、日本のスーパーギタリストCharが愛用しています。

最後にブロンコですが、ストーンズのメンバーだったミック・テイラーや、マーズ・ヴォルタのオマー・ロドリゲスがジャケット写真に使っているようです。

  初期モデル             トレモロ                         PU
ミュージックマスター         ×         1
デュオソニック                      ×                            2
ムスタング                         ○                            2
ブロンコ            ○                            1

見分け方としては、トレモロユニット付きがムスタングとブロンコ、無しがデュオソニックとミュージックマスターです。PU2基がムスタングとデュオソニック、1基がリアの場合はブロンコ、逆はミュージックマスターです。

これらのモデルの特徴は初期生産モデルの見分け方、とさせてもらいます。特にムスタングはフェンダーやスクワイヤーの復刻含めて色々出ているので、全てを把握していないからです。

それぞれに知る人ぞ知る、というイメージのフェンダーのスチューデントモデルですが、なかなかピリリとした魅力のあるギターです。

Amazon Fender Made in Japan Traditional 60s Mustang 

サウンドハウス フェンダー・プレイヤーII ムスタング

 

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