MotoGPのマシンを紹介!ホンダ RC213Vとドゥカティ・デスモセディチ

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暫定的ではありますが、新型コロナ対策により、延期されていたMotoGPが7月19日のスペインGPから再開されることとなりました。そこで、各メーカーの主なマシンを紹介していきます。

目次 この記事の内容

  • ホンダ RC213V
  • ドゥカティ・デスモセディチ
  • 前編はV4マシンの紹介

ホンダ RC213V

出典 https://www.honda.co.jp/ 2020年仕様のRC213Vを走らせるマルク・マルケス選手

昨シーズン(2019年度)のチャンピオンマシンといえば、この数年勝ち続ける王者、マルク・マルケス選手の駆るのホンダ RC213Vです。初代のMotoGPマシン、RC211Vが990ccのV型5気筒エンジンだったのに対して、1,000ccのV4エンジンであることが特徴です。

RCはホンダの4ストロークレーサーの名称で、211、212に続く213は21世紀の3番目のマシンという意味で、VとはV型とVictoryの両方の意味があります。2012年より、MotoGPのエンジンの排気量が1,000ccのRC213Vとなりました。

マニュファクチャラー・ランキング(各メーカーのマシンのランキング)で、2015年以外のシーズンは、全て1位を獲得しています。しかも、マルク・マルケスがレプソル・ホンダチームに参加した年の2013年以降は、2015年のヤマハのホルヘ・ロレンソ選手以外の全ての年で個人タイトルも獲得しています。

つまり、2012年のホルヘ・ロレンソ選手のチャンピオンを除いて、2015年シーズン以外ではマニュファクチャラー・ランキング(コンストラクターズ・ポイント)や個人タイトルもRC213Vが独占していることになります。

なぜこれほどまでに強いのか?という答えは、2ストローク以上に4ストロークにこだわりのあったホンダの意地ではないでしょうか。ホンダは、MotoGPの前身であるロードレース世界選手権の2ストローク500cc時代から、NR500というマシンで参戦していました。

ホンダ NR500は2ストロークに対抗するホンダの技術の粋を集めた4ストロークマシンだった

理論的には、2ストロークにパワーで劣るはずの4ストロークで、1979〜1982年まで参戦した理由は、ホンダの4ストロークに賭ける熱い情熱があったからです。結局1982年から2ストロークのNS500に移行していきますが、この時の経験が生かされて後に開発されたRC211〜213Vは優れたマシンでした。

ぶっちゃけ、2ストローク時代のホンダの印象は、ストレートスピードの速いマシンというものでした。しかし、V4であるRC213Vは総合的なポイントでバランスが良く、ドゥカティほどストレートは速くないものの、ついていくエンジン出力があり、ヤマハほど旋回しないものの、V4ならではのクイックなハンドリングで曲がります。

2013〜2018年シーズンまでは、総合力の高さと不世出の天才、マルク・マルケス選手のライディング・テクニックにより、勝利を重ねてきていました。

しかし、2019年シーズンは「パワーのホンダ」のメンツにかけて、ドゥカティの後塵を拝さないエンジンパワーを得たのです。しかし、その代償としてフロントのフルブレーキ時の挙動に悩まされるライダーが多く、マルケス選手以外のライダーが苦戦する結果となりました。

エンジンの最高出力は、170kW(230PS)以上とされ、車重も157kg以上というスーパーマシンです。正直言って、このポテンシャルを最大に発揮できるライダーは、マルク・マルケス以外いないと言っても過言ではありません。

レプソル・ホンダチームに参戦した。弟のアレックス・マルケスやサテライトのカル・クラッチロー選手、中上貴晶選手が乗りこなせるかどうかが今シーズンのポイントと言えます。

ドゥカティ・デスモセディチ

出典 https://www.ducati.com/ww/en/racing/ ドゥカティ・デスモセディチGP20

ホンダと同じく、1,000ccの4ストロークV4エンジンを搭載しているマシンが、イタリアの雄、ドゥカティ・デスモセディチです。ストレートスピードでコースによってはオーバー350km/hを記録するなど、圧倒的なエンジン出力は驚異的です。デスモセディチはGPの後ろに数字が表記され、今年度はGP20という名称になります。

1,000cc時代となった、2012年以降は、デスモセディチGP12〜19とチャンピオンを獲得することはできませんでした。ホンダとヤマハという強力なライバルの存在と、エンジン出力は高いものの、マシンのハンドリングや、挙動の安定性の問題があります。

2016年にマエッティ・マレリ製の共通ECUのソフトウェア導入により、それ以前からマレリを使用していたドゥカティにアドバンテージがあるだろうと言われていました。ECUとは、エンジン・コントロール・ユニットの略称で、エンブレや燃調のコントロールをします。


しかし、2019年シーズンでは後半戦に苦戦していました。マルケス選手のみならず、ヤマハやスズキの直列4気筒バイクに、ラップタイムで見劣りする場面が目立ったのです。

800cc時代の2007年のケーシー・ストーナー選手のチャンピオン獲得の一度だけに留まっている最大の理由は、マシンの操縦性の問題だと言われています。しかしながら、ホンダをも凌駕するパワーのエンジンは魅力があり、日本車以外でチャンピオンに近いのは、間違いなくドゥカティです。

今年は、昨年のランキング3位のアンドレア・ドヴィチオーゾ選手と、ダニーロ・ペトルッチを中心にワークスチームで、マルク・マルケス選手擁するホンダに挑みます。

前編はV4マシンの紹介

2019年のチャンピオン・マシン ホンダ RC213V

今回は、V型(L型)4気筒マシンを特集してみました。V型とは、文字通りシリンダーをVの字に配列するエンジンレイアウトのことです。直列(並列)4気筒とは異なり、4気筒ともなるとコンパクト化や、剛性面で有利とされています。

欠点としては、エンジン配列の問題による不等間隔爆発や、構造の複雑化などがあります。ハンドリングは、クイックな特性になることが多く、ホンダのRC213Vなどは、ヤマハ、スズキの直4勢と比較して、そう言われています。

今年度のMotoGPでもパワーの面での優位性を保ちつつも、コーナリングにどれだけ安定性を持たせられるかというのが、ポイントになってくるのがV4勢共通の課題です。

後半は直4の2台を紹介します。

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