エレキのビブラート・ユニットについて解説!

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エレキギターに搭載されている、ビブラート・ユニットの種類を解りやすく解説します。トレモロアームのあるギターは、それを使ってビブラート(音を揺らす)させることができます。ビグスビー、シンクロナイズド・トレモロ、フロイドローズという3つのユニットについて紹介します。

目次 この記事の内容

  • メインギターに付いていたトレモロアーム
  • 最古のアームユニット ビグスビー
  • シンクロナイズド・トレモロ
  • フロイド・ローズの安定性
  • ギターヒーローとビブラート・ユニット

メインギターに付いていたトレモロアーム

新しいメインギターのPRS CE24

筆者ことtkd69は、これまでのメインであるヘリテイジのレスポールタイプやフェンダー・テレキャスターなどを愛用していました。最近まで使っていたギターはいずれもトレモロアームの付いていないチューン・O・マチックやストップ・テールピースのギターばかりでした。

ビブラート・ユニットは、以前サブで使っていたフェンダー・ストラトキャスター以降、ご無沙汰していました。ところが、数ヵ月前に、メインをPRS CE24にして、サブをトーカイ・HST-GPというストラトタイプに変更してから、2本ともトレモロ・ユニットを搭載したギターになってしまいました。

レコーディングなどでアームを使ってみた結果、やっぱりあった方がいいという結論に至りました。今回は、そんなトレモロアームについて特集していきます。

最古のアームユニット ビグスビー

一番最初のビブラート・ユニット ビグスビー

1940年代に開発された世界最古のビブラート・ユニットが、Bigsby Vibrato(ビグスビー)です。ポール・A・ビグスビーという人が開発したユニットで、ギターに多少の穴開け(穴あけ加工せずに取り付ける方法もある)が必要なものの、簡易にビブラート・ユニットを装着できる機能のことです。

この機構は極めて単純で、板バネによって弦を揺らしてビブラートさせています。可変幅(ピッチの変化)は少ないものの、アームダウン、アップ共にかかります。

筆者が投稿したトレモロアームの奏法解説動画です。

アームを上下させる基軸には、スプリングが入っています。ボディのブリッジの下のネジと、ポールエンドのネジで固定していて、アームを動かすと板バネがたわんで弦を揺らすのです。

一番シンプルで、見た目もカッコいいので、ギブソンやグレッチの箱物ギターに取り付けられていることが多いです。ギブソン・SGやフェンダー・テレキャスターなどのソリッドギターでも見かけることがあります。


欠点はチューニングが狂いやすいことと、弦の張り替えに多少の手間がかかることです。ブリッジが固定されているので、その分狂いやすいようです。最近では、ローラーブリッジなどで、工夫している人も多いです。弦の張り替えについては、シャフトに巻きつける必要があります。

単純に見た目がカッコいいし、トーンも変化するようです。1940年代から80年以上使われているだけあって、優れたユニットです。

シンクロナイズド・トレモロ

筆者のトーカイ・ストラトのシンクロナイズド・トレモロ

1954年から販売された、Fender Stratocasterはダブルカッタウェイ、ピックガードに電装パーツを取り付けるなど、テレキャスターから更なる進化を遂げました。革新的な機構であるシンクロナイズド・トレモロが搭載されており、ビブラート・ユニットの歴史におけるターニング・ポイントとなったギターです。

イナーシャブロックと呼ばれるブリッジの乗っかる鉄のパーツは、くり抜かれたボディの裏側のボディに大きな2本の木ネジで止められています。フローティング(浮いた状態)にもできるイナーシャブロックごと、アームで上下することにより、ビブラートがかかります。

木ネジとイナーシャブロックのブリッジ部分の裏側は、スプリングが取り付けられており、アームの操作に合わせて動くようになっています。今までのビグスビーとは異なり、ブリッジごとイナーシャブロックが動くことで、可変幅の大きいビブラートが可能になったのです。

ビグスビーよりもチューニングが狂いにくく、且つアーミングによる可変幅も大きいため、ストラトキャスターの登場以降は、シンクロナイズド・トレモロがビブラート・ユニットの標準としての地位を得ることができました。

筆者も長い間、ストラトを使っていたので、シンクロナイズド・トレモロとは長い付き合いです。欠点としては、フローティング(アップ方向へのアーミング)させている場合、弦が切れるとチューニングが狂うことです。また、ビグスビーよりもチューニングが安定するのですが、激しくアーミングするとやはりチューニングは狂います。

PRSのようにロック式ペグにしたり、スムーズなアーミングのために、アメスタのように2点支持することがポピュラーな対策となっています。また、ダウン方向のみに調整したり、木片などをイナーシャブロックとボディの間に挟んで、ストップテールピース仕様にするなどの改造の仕方もあります。

フロイド・ローズの安定性

フロイド・ローズは、トレモロユニットの欠点を解消した革新的な構造をしている

1977年にフロイド・D・ローズが考案した革新的なビブラート・ユニットが、フロイド・ローズです。ストラトのシンクロナイズド・トレモロ・システムを発展させたもので、ナットとブリッジで弦を固定します。これにより、よりチューニングは安定することになり、ストラトよりも激しいアーミングが可能となりました。

ぶっちゃけ、ライブなどで激しいアーミングするならフロイドローズ一択となるほどのチューニングの安定性があります。対照的にフローティングさせている場合で、弦が切れるとチューニングが狂うところは、踏襲されています。

また六角レンチを使って、ナット部分を固定するため、弦交換のたびに六角レンチが必要になるという整備上の問題点があります。また、弦のボールエンド部分をカットしないと弦が張れなかったりします。

しかし、ファインチューナーをブリッジ部分に取り付けて、細かいチューニングができるようになっていたりしています。Ibanezのギターに取り付けられているイメージがありますが、色々なメーカーにも採用されている優れたパーツです。

ギターヒーローとビブラート・ユニット

ストラトと言えばジミヘン

ビブラート・ユニットは、様々なギターヒーローの使用で普及していきました。ストラトでアーミングを効果的に使っているギタリストと言えばジミ・ヘンドリックスですし、フロイドローズと言えば、エディ・ヴァンヘイレン、ビグスビーならブライアン・セッツァーのイメージがあります。

筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです。

絶対に必要か?と問われれば、そうでもないのですが、あればやっぱり使ってしまうのが、トレモロアームの魔力?ではないでしょうか?かくいう筆者も、PRSやストラト弾いてる時はちょくちょくアーミングさせています(大汗)。

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