リッターバイクで、ツーリングに向いているバイクとして、カワサキ Ninja 1000はおすすめできるバイクです。カワサキには、ZX-10Rという、リッターSS(スーパースポーツ)バイクがありますが、ポジションの前傾のきつさや、積載性の問題でツーリングには向いていません。
■Z1000より生まれたフルカウルモデル
Z1000というストリートファイターに、ツアラー性能を向上させるため、フルカウルを装備したのが、Ninja 1000です。ヨーロッパ向けモデルは、Z1000SXという名称で、日本、北米、東南アジアではNinja 1000という名で販売されています。
Z1000は、2003年にZX-9Rをベースに開発されたバイクです。走りのいいリッタークラスのストファイとして人気のあるモデルで、順調に代を重ねていきました。
そして、2010年のフルモデルチェンジを機に、フルカウルを装備し、ツアラー機能を拡充したバイクとして、Ninja1000を開発したのです。Ninja 1000は、SSをベースにしているので、運動性能が高く、峠や高速走行も得意としています。
カワサキのフラッグシップ機であるZX-14Rや、H2などと違って最高速を重視せず、コーナリングも楽しめるツアラーバイクとして、万能に使えるのがNinja 1000なのです。
■先祖はGPZ-900R?
名車 GPZ900R ニンジャの愛称で知られる
ニンジャ1000の先祖といえば、1984年に登場したGPZ900Rです。それまでの空冷4気筒エンジンから、水冷化し900ccにダウンサイジングしたのが、GPZ900Rです。北米で、Ninjaのペットネームで販売されています。
その後、ボアアップしたGPZ1000RXが販売されますが、こちらは1986年~1988年という短い生産期間のみで短命に終わります。900ccという排気量の方が、軽快感のあるハンドリングが(大排気量車としては)あるからか、人気のある900の方が残ることとなりました。
GPZ900Rは、フラッグシップとして1987年にZX-10が販売された後も生産され続けます。性能だけではない、トータルバランスの良さや、スタイリングなどが支持され続けたGPZ900Rは、2003年まで17年もの間、長期にわたって生産されるロングセラーバイクでした。
1986年の映画トップガンで、トム・クルーズ演じる主人公マーベリックの愛車として、登場しました。東本昌平の漫画『キリン』でも2期における実質的な主人公、マサキの相棒として活躍しています。
ニンジャのペットネームは、カワサキにとって特別なもので、Ninjaといえば、今でもGPZ900Rをイメージするバイク乗りは多いです。
■Ninja 1000のスペックとライバル
モーターショーでのニンジャ1000
ニンジャ 1000は、GPZ900Rを意識したバイクだと思います。ZX-14Rよりもコンパクトなサイズで、峠や高速道路を快適に走ることのできるバイクを目指して作られています。エンジンは、最大出力141PSの1,043ccの水冷並列4気筒です。
ただ、純粋なツアラーモデルというわけではなく、SSより生まれたZ1000の軽快な走りも受け継いでいます。このあたりが、フロント16インチ、リア18インチを採用し、ハンドリング性能を高めたGPZ900Rを彷彿とさせます。
ニンジャ 1000は、フロント120/70 ZR17、リア190/50 ZR17のタイヤサイズで現代的な前後17インチとなっています。ホイールベースは、1,440mmでZ1000と共通でZX-14Rより40mm短いです。
※Ninja 1000スペック表
Ninja 1000 | |
最大出力 kW【PS】/rpm | 104【141】/10,000 |
最大トルク N・m【kgf・m】/rpm | 111【11.3】/7,300 |
車体サイズ mm | 2,100×790×1,185 |
車両重量 kg | 235 |
燃料タンク容量 L | 19 |
使用燃料 | ハイオク |
悪くいえば中途半端、良くいえばオールマイティなバイクが、Ninja 1000で、1台で様々な用途に使いたい人向けのマシンです。2つのパワーセレクトに、3つのトラクションコントロール、ABSにスリッパークラッチと現代的機能が総て装備されています。
車重は235kgと軽くはないですが、このクラスとしては及第点でしょう。純正パニアが用意されているなど、ツーリングに対するオプションパーツも揃っています。燃料タンク容量が19Lと、航続距離の長さもツーリング向けのカワサキらしいです。
価格は、127万円でかなりリーズナブルだと思います。直接のライバルは、スズキ GSX-S1000Fですが、国内では、ホンダのCB1300SBとも競合するのではないでしょうか。
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