今回は、スズキが発表した新型バイク、SV-7GXについて解説します。スズキはSV系のV-TWINを存続させ、新型にアップデートしてきました。スロットル・バイ・ワイヤの採用とユーロ5+以降の規制に合わせたブラッシュアップを行い、貴重なVツインを残してくれたのです。
目次 この記事の内容
- SV-7GXとは?
- SV-7GXの性能
- 車体と外観について
- 装備について
- どのような人に向いているか?
SV-7GXとは?

そもそもSV-7GXを発表した背景には、645ccのV型2気筒を搭載するSVシリーズの存続を望むユーザーがいたことがあります。スズキは、ミドルクラスのエンジンとして、GSX-S8系の775ccの並列2気筒のバイクを投入しました。しかし、SVを愛するユーザーが多く、なんとかVツインを残して欲しいという要望が多かったのです。
同じエンジンを積む、SV650やVストローム650などが生産終了した矢先に発表されたのが、これらのバイクの後継モデルであるSV-7GXだったということになります。そして、SV-7GXはVストロームとSV650の特性を併せ持ったかのようなクロスオーバーバイクとして生まれました。
ただ、今のところはストリートファイターの方の発表はないですが、将来的にはあるかもしれません。しかし、ホンダのNC系もそうですが、このモデルに統合してVツインを存続させる、というのもあり得ると考えます。というのも欧州では、アドベンチャーバイクが流行しているからです。
SV-7GXの性能

まず、エンジンですが645cc 水冷V型2気筒DOHCエンジンです。スズキ伝統のV-TWINは、最大出力73PS、最大トルク64N・mと今までのSV650よりも若干のパワーアップをしています。とはいえ規制前のSVよりもパワーダウンはしていますが。
また、車重もSV650の199kgから211kgと12kg増えました。Vストローム650比だと、215kgなので4kg軽くなっていますが。また燃費もユーロ5+に適応しつつ、23.8km/LとVストロームと比較すると若干良くなっています。SV比だと車重の関係で少し悪くなっていますが、燃料タンク容量が17.4Lあるので問題ないでしょう。
強化されたのは、電子制御の部分です。スロットル・バイ・ワイヤの採用により、3つのライディングモードの選択、トラクション・コントロールも3種類あります。ABSとクイックシフターも完備していて、無いのはクルーズコントロールとIMUくらいのものです。
格段に進化した部分が多く、値段も上がる可能性の高い、アップデートだと思います。ただ、アシスト&スリッパークラッチは記載がないようです。
車体と外観について

トリレスフレームは先代から、足回りに関しては、パッと見そこまで変更があるように見えません。Vストロームの鳥のようなデザインから、ロード寄りの外観になったように見えます。実際に、カウルを除けばSV650の車体にデザインが近いようなので。
他には、LED化された灯火類や、4.2インチのTFTフルカラー液晶などが目につくポイントです。GSX-S1000GXと共通のイメージという外観ですが、SVらしさを残したデザインだと思いました。
装備について

装備類で目に付くポイントは、ハンドガード付きのナックルガードと、リアキャリアが標準搭載されていることです。クロスオーバーバイクは、ツーリングがメインの用途になるので、何気にリアキャリアはありがたい装備です。17.4Lタンクは、航続距離が400kmを超えるので、そういう意味でもツーリングに向いたバイクだと思います。
Vストロームはともかく、SV650はシートが薄くて硬かったため、ハイシートのオプションがありがたいかと。もちろん標準で795mmのシート高から若干高くはなりますが、SV乗りの兄が痛がってゲルザブ敷いているので、このオプションは大事ですね。
次にTFT液晶には、USB-Cポートが付属しているようです。タイヤサイズは、F=120/70ZR17 R=160/60ZR17になります。
どのような人に向いているか?

欧州仕様のカラーバリエーションは3色
2026年の春頃には欧州で販売開始される予定のSV-7GXですが、正式な発表がないため、国内は未定です。おそらく、そこから数ヶ月後になると思います。SV-7GXは、ツーリングがメインで、たまに峠、フラットダートなどを走られる層に向いていると思います。
アドベンチャーバイクの中でも、タイヤサイズやその種類から、ロード向けであり、悪路走行はフラットダートまでという感じに割り切っているからです。スズキは悪路用に、DR-Z4Sを新たに販売しており、林道ツーリングはそちらがメインとなるでしょう。
Vツインエンジンが好きで、ツーリングメインの人にはピッタリなオートバイが、SV-7GXと言えます。まだ価格は未定なので、安価ならば爆売れ必至だと思います。




