今回は、ジミ・ヘンドリックスや、ピート・タウンゼント、カート・コバーンなどのロックギタリストがライブのたびに破壊したギターの価値について考察してみました。勿体無い話ですが、ロックの豪快な伝説として語り草になっています。
目次 この記事の内容
- ジミヘンのギターの当時の価値とは?
- ピート・タウンゼントのSG
- カート・コバーンの破壊用のストラト
- やっぱり楽器は大切にしよう(笑)
ジミヘンのギターの当時の価値とは?
ギターを燃やしたという点においてジミ・ヘンドリックスは、強烈なイメージを持っていました。1967年のモンタレーポップフェスティバルで、THE WHOのメンバーがドラムセットを含めてメチャクチャに機材をぶっ壊したので、より過激なパフォーマンスをする必要があったそうです。
当時のジミヘンのフェンダー・ストラトキャスターは、1965年製のものと、貼りメイプルの新品のストラト(カラーはブラック)でした。燃やされたのは、65年製のローズ指板の、手書きカラーのモデルで、ぶっちゃけとてももったいないくらいいいギターです。
筆者が投稿した、この記事の動画バージョンです。
ペイント代はともかくとして、1965年製のストラトキャスターの価格となると、1960年のカタログで289.50ドルだった(ケースは別売りで40ドルくらい)ので、アメリカの1960年の価値だとテレビか洗濯機くらいということになります。
つまり、65年製のストラトを燃やすということは一晩で平均的な世帯の月収の半分を消費したことになります。そして、とんでもなく価値の上がった現代では、300〜500万円くらいするのが、65年製のストラトキャスターです(大汗)。
もちろん、しょっちゅうギターをぶっ壊していたら採算が合わないので、大きなフェスティバルなど注目の集まるところでやったのでしょう。ジミヘンのギターのことを書くとそれだけでも大変なので、今回は一番有名なモンタレーで使ったギターで計算してみました。
ピート・タウンゼントのSG
THE WHOのギタリスト、ピート・タウンゼントもギターを壊すパフォーマンスで有名なギタリストでした。個人的なイメージで恐縮なのですが、ピートといえばギブソン SGで、P-90のついたスペシャルと呼ばれるギターです。
1960年代中期のスペシャルは、P-90を2基搭載し、ストップテールピースのみというシンプルな構成のギターでした。高価だったリッケンバッカーから、ステージパフォーマンスでギターを壊すことが多かったピートは、より安価で頑丈なギターを探していました。
そこで頑丈なストラトを使っていたのですが、よりファットなトーンを求めていたら、SGスペシャルを見つけ気に入って使っていたということです。ピートといえば、カッティングのカッコ良さで、シングルコイルのP-90というところがポイントだったと思います。
ウィンドミル奏法に、ジャンプなど、派手なパフォーマンスのピートにとって軽量且つ安価なSGスペシャルは、レスポールなどと比較すると100ドル安かったため、ライブ毎に壊してもオッケーだったのでしょう。というのもSGはセットネックのため、その構造上、どう考えてもストラトより強度は無かったということなので・・・。
1965年製あたりでも、SGスペシャルなら今でも5〜60万円くらいの価値だと思います。ぶっちゃけ、個人的にP-90は好きなピックアップなので、安価な中古でもあればSGスペシャルは狙い目かもしれません。
カート・コバーンの破壊用のストラト
NIRVANAのカート・コバーンのギターというと、1965年製のジャガーが有名だったりしますが、ギターを壊すときに用いられていたのが、フェンダー・ジャパンのストラトだったりします。
89〜90年製のモデルで、リアPUはハムに交換されていて、破壊を繰り返した結果、ネックをフェルナンデスやフェンダー・メキシコのものに交換されていたりします。
ボディには、”Vandalism:As Beautiful as a rock in a cop’s face”というステッカーが貼られていて、テレビに出てた時には大暴れで、デイブ・グロールがとばっちり受けていました(大汗)。
当時のフェンダー・ジャパンのストラトは当時新品でも6万円くらいで買えるものが多かったのでそれほど高価なモデルではありません。
やっぱり機材は大事にしよう(笑)
たとえ安価でも、ギターを壊すのは、個人的にはかなり抵抗があります。しかし、ロックの持つワイルドなイメージにギター破壊のパフォーマンスが寄与していたことも事実です。
ジミヘンはあまり採算を考えずにやっていたように思えます。ジミヘンのために、友人のエリック・クラプトンがストラトを買い占めていた話は有名です。ピートやカートは、壊すことを前提に安価なモデルを用意するなど、ちゃんと?計算していたようにも思えます。
しかし筆者としては、機材は大事に使うことが多いので後でギターを整備しておいて、バッチリ調整しておきます(笑)。
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