ホンダ Highness CB350はSR400の対抗馬?

インドで興味深いバイクが発表されました。Honda Highness CB350というオートバイは、クラシカルな外観の空冷単気筒エンジンを搭載しています。見た目の印象とスペックから、もし国内導入するならば、ヤマハSR400の対抗馬となるのでは?

目次 この記事の内容

  • インドで正式発表された空冷マシン
  • ホンダのクラシカル単気筒バイクの系譜
  • スペックからみるハイネスCB350
  • 日本国内のライバルはSR400
  • ハイネスCB350はSRの牙城を崩せるか?

インドで正式発表された空冷マシン

ホンダ Highness CB350 DLX Pro

クラシカルな空冷マシンといえば、筆頭にあがってくるのはヤマハ SR400です。1970年代から販売されているSR400は、ベストセラーオートバイとして日本国内で長年君臨しています。

しかし、その牙城を揺るがすようなバイクが2020年の秋に発表されました!インドのホンダで発表された、Highness CB350です。クラシカルなヨーロピアンスタイルに、348.36ccの空冷4ストOHC単気筒エンジンを搭載しています。

 

筆者が投稿したこの記事の動画バージョン

レトロな外観とは裏腹に、アシスト&スリッパークラッチ、トラクションコントロールシステムやABS、スマホと連動するコントロールシステム、LEDライトなど、最新のバイクに求められる機能が搭載されています。

348ccという排気量でシングルというのが個人的にツボで、乗り味を楽しむバイクでありながら、最新の装備もあるオートバイに仕上がっていると思います。

ホンダのクラシカル単気筒バイクの系譜

GB250クラブマン

実は、CB350という名称が使われるのは、これが初めてではありません。というのも、1972年から1974年まで販売されたホンダ初のミドルクラス347cc空冷OHC4気筒エンジン車、CB350FOURがあるからです。

どちらかというと、中型免許が生まれた時の名車、CB400FOURの方が有名なので埋もれがちですが、CB350FOURこそ、後のCB400SF/SBに続くミドルクラス4気筒CBの元祖だったということになります。

個人的にホンダのクラシカル単気筒バイクといえば、GB250クラブマンで、こちらは1983年から1996年まで販売されていました。RFVC機構を搭載した空冷DOHC単気筒エンジンの恩恵からか、クラシカルな外観でありながらスポーティな走りもできるベストセラーバイクでした。

CB400SS

そして、同じようなコンセプトのバイクとしてCL400からクラシック路線に変更された2001年から2008年にかけて販売されたCB400SSという空冷SOHC単気筒のバイクがありました。

クラシックなヨーロピアンスタイルなバイクでありながらも、SRよりも高出力で振動の少ないエンジンを搭載していました。また、2003年のマイナーチェンジにより、キック始動に加えてセルも搭載しました。

実際に、オーナーからの評判も高く、筆者も結構好きなバイクだったのですが、SRの存在感には勝てないまま、排ガス規制で生産終了となりました。

スペックからみるハイネスCB350

DLXグレードの赤

ハイネスCB350は、348.36ccの空冷4ストOHC単気筒エンジンを搭載しています。最大出力は21.08PS/5,500rpmで、最大トルクは3.05kgf・m/3,000rpmとなっています。この数値から察するに、中低速トルク重視のエンジンとなっているようです。

ボア×ストロークが70×90.5mmとなっているので、ロングストロークエンジンのようです。高速巡航時の振動や、単気筒独特の乗り味などは、実際のインプレが出ないとなんとも言えませんが、ビッグシングル特有のドコドコ感はありそうです。

個人的にポイント高いのは、CB400SSが元は競技用のXR400のエンジンベースのために、どちらかというと上まで回るストロークのエンジンだったのに対して、CB350はロングストロークのエンジンで街乗り重視となっていることです。

乗り味も含めた街乗りの使い勝手がいい、中低速トルクに振ったエンジン特性は、このバイクの用途とイメージにはピッタリだと言えます。ミッションは5速リターンで、このエンジンに合いそうです。

ハイネスCB350スペック表

ホンダ Highness CB350(インド仕様)
最大出力 kW【PS】/rpm 15.5(21.08)/5,500
最大トルク N・m【kgf・m】/rpm 30(3.05)/3,000
車体サイズ mm 2,163×800×1,107
車両重量 kg 181
燃料タンク容量 L 15
使用燃料 インド仕様だとオクタン価が高いのでハイオク

最近のホンダ車は、CB1100のように排気音のチューニングにこだわっているので、こっちにも期待しています!実際にインドの動画をみた感じだと、低音のドコドコ感の気持ちいいエキゾーストノートになっていました。

車重は181kgと、現行SRの175kgと比較すると少し重いですが、許容範囲です。15Lのタンク容量なので、シングルらしい燃費から考えると航続距離は長いでしょう。シート高は800mmなので、スリムな車体からすると足つき性も悪くないんじゃないでしょうか?

日本国内のライバルはSR400

CB350が国内販売された場合のライバル車ヤマハ SR400

インド国内でのCB350のライバルと言えば、ロイヤルエンフィールド クラシック350や、JAWAなどのバイクです。ロイヤルエンフィールドも、元はイギリスのメーカーで、1901年からバイクを生産している最古のオートバイメーカーの一つです。

一度1970年代に倒産し、現在ではインドで生産されているようです。JAWAもチェコからマヒンドラ社によってインドで生産しているようです。このように、インドではクラシックなヨーロピアンスタイルのオートバイが売られているのです。

日本国内の空冷シングルクラシックバイクといえば、バイク乗り以外にも知られるヤマハ SR400です。CB350が国内販売されるとすれば、ライバルとして筆頭にあげられるバイクです。

1978年に販売されてから、今年で42周年となる空冷シングルエンジンバイクの代表格です。SRは、2009年から販売されたモデルでFI化(インジェクション化)されましたが、アイデンティティともいえるキック始動は堅守しました。


24PSの最高出力や、2.9kgf・mの最大トルクは、トコトコ走るのに適したスペックです。トルクがあり、車重も175kgと軽量なので、意外と峠などでも軽快に走ります。アナログ2眼メーターに、メッキパーツをふんだんに使った外装は、スタンダードなバイクならではの魅力があります。

また、長い年月をかけて培ったカスタムのノウハウや、パーツの多さも群を抜いています。ぶっちゃけ、SR400という一つのジャンルともいえる稀有な存在となっています。筆者の友人も、このSR400を欲しがっていたのを思い出します。

ハイネスCB350はSRの牙城を崩せるか?

CB350の斜め後ろ

ぶっちゃけ、SR400の牙城は、そう簡単には崩せられないと思います。CB400SSの時のように、キャラクターを変えていた方が有効だと思います。

新しいCB350は、インド市場を強く意識したコンセプトとなっています。ロイヤルエンフィールドよりも、新しさをアピールするために、アシスト&スリッパークラッチや、トラコン、スマホとの連動機能などが搭載されています。当然ながらキック始動ではなく、セル始動なので、そういったポイントでもSRとは異なります。

インドでは、DLXとDLX Proというグレードの違いがあります。DLX Proはスマホの連動機能装備とツートーンカラーという差別化がされています。価格は、19万ルピー(27万円)からとなっているので、日本での価格が気になるところです。

SRとの違いで一番気になるのは、タイヤとメーターです。SRは前後18インチのチューブ入りのバイアスタイヤ、CB350はフロント19インチ、リア18インチのチューブレスのバイアスです。SRのスポークホイールとは違い、キャストホイールなので、クラシカルさを重視するか、パンク修理の手軽さを取るかという選択肢になります。

SRは昔ながらのアナログ2眼メーターで、タコメーターがあります。対してCB350には、アナログのスピードメーターとデジタルを組み合わせた1眼メーターとなっています。個人的には、タコメーターは欲しいので、SRの方が好みです。

エンジンの基本構造

ハイネスCB350のエンジンは、シリンダーをクランク軸の真上からオフセットしており、2つのバランサーが搭載されているので、ある程度の振動を抑えているということになります。

SRオーナーの大半が経験する、時速100km付近での振動という高速巡航におけるネガをCB350は解消していることになるかもしれません。もちろん、SRの振動が一般道〜90kmまでの走行における味ともなっているので、一概にCBの優れたポイントとはいえませんが、キャラクターの違いとなってくるのではないでしょうか?

ここまで色々なポイントに違いがあると、国内導入されたとしてもSRと共存できるのではないかと思いました。SR欲しいけど、ホンダ党っていう人にもオススメできるマシンです。

バイクの関連記事はこちら

ホンダ Highness CB350はSR400の対抗馬?」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: ヤマハ SR400:変わらないことが魅力のロングセラーバイク! | K.T Dogear+

  2. ピンバック: ホンダ CB400SF/SB:400cc4気筒のロングセラー! | K.T Dogear+

  3. ピンバック: ホンダ GB350を試乗!:鷹揚さを演出する新しくも懐かしいバイク

コメントを残すコメントをキャンセル

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください