MotoGP 第7戦 カタルーニャGPは、スペインのカタルーニャ州のバルセロナ北部のカタロニア・サーキットで6月16日に開催されました。サーキットの舗装をやり直してから1年経過し、路面の状態が悪くなったのか、クラッシュが続出した荒れたレースとなりました。
目次 この記事の内容
- 予選好調なヤマハ勢
- 序盤の悪夢
- マルケス圧勝とクワッタハッホの初表彰台
予選好調なヤマハ勢
そもそもカタロニア・サーキットは、昨年の再舗装から1年経過し、荒れた路面に戻っているといわれていました。金曜日のFP1からスリッピーな路面に否定的なコメントを残すライダーが多く、クラッシュが続発するレースになる要素はすでにこの時から見え隠れしていたのです。
そして、予選ではヤマハのYZR-M1が好調でした。ペトロナス・ヤマハのファビオ・クワッタハッホ選手がポール・ポジション、Q2では切れ味鋭い走りで、1分39秒台をコンスタントに出していました。2位には、レプソルホンダのマルク・マルケス選手、フロントローに並んでくるあたり、さすがだと思いました。
そして、3位にはモンスターエナジー・ヤマハのマーヴェリック・ビニャーレス選手が入り、フロントロー最後の席を確保しました。4位には、クワッタハッホのチームメイトのフランコ・モルビデリ選手が入り、ヤマハワークスのバレンティーノ・ロッシ選手も5番手タイムとヤマハ4台がトップ5に入るという好調ぶりでした。
LCRホンダの中上貴晶選手は、予選16番手とふるわず、決勝での巻き返しに期待しました。マルケス以外のホンダRC213Vライダーとしては、9番グリッドにLCRホンダのカル・クラッチロー選手が、10番グリッドに、ホンダワークスのホルヘ・ロレンソ選手が、それぞれ入りました。ロレンソは、レースウィークの前にHRC本社のある日本でマシンに対する要求や改善を行ったようです。
序盤の悪夢
カタロニア・サーキットの10コーナーは、F1開催のときとMotoGPのときでは、本来違うところを走行するはずでした。しかし、昨年の改修以降は、F1と同じヘアピンを走行することになっていて、転倒の多いコーナーでした。
ドゥカティ・ワークスのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手がうまいスタートを見せました。トップを快走し、マルケスが追走し、ビニャーレス、ロレンソ、ロッシと続きます。悪夢は、2周目の10コーナーで起きました。
マルケスは、ドヴィをオーバーテイクし、ロレンソはビニャーレスを抜くためにブレーキングを遅らせました。その直後、ロレンソのフロントが滑って転倒し、そのままドヴィのリアに接触してしまったのです。後方にいたビニャーレスもロッシも、この転倒に巻き込まれ、2~5位を走行していた4台がリタイヤする事態となってしまったのです。
レースアクシデントなので、ロレンソも責められませんが、ランキング2位のドヴィが巻き込まれたのは、チャンピオンシップに多大な影響を与えることになりそうです。また、好調だったヤマハワークスの2台が序盤でリタイヤしてしまったのも残念な出来事でした。
この間にマルケスは、大きなアドバンテージを得、さらに後方との差を広げていきました。マルケスは、ドヴィを抜いてトップに立ったことでアクシデントを回避できたことが幸いでした。2位争いは、ドゥカティワークスのダニーロ・ペトルッチ選手と、スズキのアレックス・リンス選手、クワッタハッホの3台で争われることになりました。
マルケス圧勝とクワッタハッホ初表彰台
ぶっちゃけ、序盤でマルケスが大きくリードしてしまい、トップ争いはほぼ確定してしまいました。その後、モルビデリ、クラッチローが転倒し、リンスもミスでコースアウトしました。ペトルッチとの2位争いを制したクワッタハッホが初の表彰台獲得です。
マルケスが圧倒的な差をつけて優勝、3位にペトルッチ、4位はリンス、5位にドゥカティ・プラマックレーシングのジャック・ミラー選手が入り、6位にスズキのジョアン・ミル選手が入りました。そして、8位に出走21台中9台がリタイヤしたサバイバルレースを走りきった中上が入り、チャンピオンシップでもクラッチローを抜いて8位となりました。
マルクは、これでチャンピオンシップを大きくリードし、2位のドヴィに37ポイント差をつけたのです。Moto2で優勝したアレックス・マルケス選手と共にマルケス一家の地元で最高の結果を得たのです。また、ホンダの勢力図として中上のポイントが、ランキング10位のクラッチローを抜いてホンダ2番手となりました。
この後行われたテストで、KTMのテストライダーとなったダニ・ペドロサがKTMのマシンを走らせていました。そして、中上も2019年バージョンのRC213Vのテストを行っていたので、ひょっとしたら今後、2018年型からスイッチするかもしれません。
次のレースは、6月30日のオランダGPです。ダッチTTと呼ばれる伝統のあるグランプリで、勝つのは誰か?今から楽しみです。
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