ホットハッチといえば、一番小さいアウディA1をベースに、2Lの直列4気筒ターボエンジンを搭載したAudi S1というクルマがあります。ボディは、3ドアのノーマルと、5ドアのスポーツバックの2種類です。
■スモールサイズに231PSのモンスター!
驚異的なのは、そのパフォーマンスで、最高出力231PS、最大トルク37.8kg・mの強烈な横置きエンジンは、車重1,381kg(スポーツバック)を軽々と加速させます。0-100km/hはなんと、5.9秒(3ドアは5.8秒)とこのクラスの中でも突出した性能を誇っています。
トランスミッションは、6MTのみとこれまた漢らしい割り切りがあり、最新のクワトロ(フルタイム4WD)の足回りと相まって、驚異的な走行性能を持っています。
車体サイズは、全長3,990mm、全幅1,745mm、全高1,440mmと日本の道路にフィットするサイズです。ライバルのVW ポロGTIも192PSという出力で、ホットハッチのドイツの過激さは、日本のメーカーを凌駕しています。
※アウディ S1(スポーツバック)データ表
アウディ S1 スポーツバック | |
最高出力 kW【PS】/rpm | 170【231】/6,000 |
最大トルク N・m【kg・m】/rpm | 370【37.8】/1,600-3,000 |
車体サイズ mm | 3,990×1,745×1,440 |
車両重量 kg | 1,381 |
駆動方式 | クワトロ(4WD) |
使用燃料 | ハイオク |
■高性能なS1の欠点とは?
アウディ S1のリアビュー
車体もコンパクトで、パワフル、加えて最新のクワトロによってご機嫌なハンドリングということ無しのようなS1ですが、欠点もあります。
価格が高い!3ドアで423万円(税込み)、スポーツバックで443万円というありえない高さです。ちょっと金額を足せば、国内FF最速のシビックタイプRが買えてしまいます。
輸入車は輸送代や、検査費用などの問題で割高にされるということがあります。それらを差し引いても昔から輸入車イコール高級車というイメージがあり、割り増しされているのではないでしょうか。
オートマ比率の高い日本で、マニュアルのみのS1の中古を見かけることはあまりないので、購入するなら新車でしょう。さすがに、このサイズのハッチバック車に400万円以上というのはハードルが高いです。
また、もともとが左ハンドルの車種を右ハンドルにしているので、3ペダルの場合は、足元が狭くなります。燃費は、JC08モードで14.4km/Lとあまり良くありませんが、こういったクルマで気にしてはいけません(笑)。
とはいえ、ヨーロッパの輸入車はハイオク仕様ですので、あまり良くない燃費といい、維持費は高くなります。2.0Lということなので、自動車税も1.5~2.0Lの3万9,500円が適用されます。
■ホットハッチとしての素性の良さ
レース仕様のS1
コンパクトな車体にハイパワーのエンジン、強化された足回りと、3拍子揃ったマシンがアウディS1です。国内メーカーのBセグメントカーで、アウディS1や、VW ポロGTIと同等の動力性能を持つ車はありません。
日本国内の峠や、街乗りに適したサイズで、ヨーロッパで鍛えられた足回りを持つ素性の良さは、クラスを超えた魅力があります。400万円以上する車体価格も、2リッターの高性能ターボモデルとして考えれば納得できる価格でしょう。
スイフトスポーツや、デミオのディーゼル仕様よりも過激に走りたい人向きの車が、アウディS1なのです。
※2018年7月追記
アウディ S1は残念ながら、2018年3月で日本での販売を終了しました。現在は、中古でのみ購入可能となっています。
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