最近、ビッグトルクのリッターオーバーマシンに興味が出てきました。ホンダのCBシリーズは品質も高く、ユーザーも多いですが、他のメーカーで好きなツーリング向けのリッターオーバーバイクといえば、SUZUKI BANDIT1250シリーズです。
■バンディット1250シリーズとは?
バンディット1250シリーズは、2016年に生産終了となっています。現在は、中古か在庫車のみでしか手に入りません。バンディットは、山賊という意味です。
かつて僕が乗っていたバンディット250とは、名前が同じだけで、実際にはGSFシリーズの直系マシンです。バンディット1250は、バンディット1200の油冷エンジンからボアアップして水冷化したバイクで、2007年の初期型はネイキッドのバンディット1250と、ハーフカウル装着のバンディット1250Sがリリースされていました。
2010年からは、フルカウルのバンディット1250Fが追加され、日本国内より海外で売れたモデルでした。日本では、CB1300シリーズよりも人気がなく、同じスズキのリッターオーバーバイクでは隼の方が売れていたため、比較的地味な印象があります。
しかしながら、バンディット1250はCB1300より20kg軽い252kgで、一回りコンパクトなマシンでした。価格も国内仕様で、CBよりも20万円安く(更にスズキ車の鬼値引き!)、モノサスによるコーナリング性能の高さから、あえてバンディットを選ぶライダーもいたのです。
エンジンは1254ccの水冷直列4気筒で、最高出力が国内規制いっぱいの100PS、最大トルク10.9kgf・mを3,500rpmで発生する鬼のようなトルクのマシンでした。
CB1300よりも取り回しが良く、安価で速さが同等のバイクがバンディット1250だったのです。ではなぜ国内で売れなかったのか?答えは簡単で、CBより薄い印象とCBの高い品質のせいでしょう。
※バンディット1250Sスペック(最終型)
バンディット1250S | |
最高出力 kW【PS】/rpm | 74【100】/7,500 |
最大トルク N・m【kgf・m】/rpm | 107【10.9】/3,500 |
車体サイズ mm | 2,130×790×1,235 |
車両重量 kg | 252 |
使用燃料 | レギュラー |
燃料タンク容量 L | 19 |
また、当時のCB1300(2014年からは6速)が5速ミッションだったのに対しバンディット1250は6速ミッションでした。水冷化に伴うキャブからインジェクションの変更により、JC08モード燃費で27.0km/Lと、大排気量のリッターオーバー4気筒マシンとしては優秀な燃費も見逃せないポイントです。
■バンディットのメリットとおすすめのボディタイプは?
バンディットがCBよりもメリットのある部分は、高年式の中古が安いことです。CB1300SBは、2005~2008年くらいの10年落ちでないと60万円台にはなりません。
しかし、バンディット1250Sの場合は、2010年以降の1万km未満走行車が5~60万円台で買えてしまうのです。そして、CB1300の大きさや重さが無理なライダーには、丁度いいサイズのマシンであるといえます。
ただ、問題があるとすればスズキのマシンの整備性の悪さと、品質でしょうか。同じスズキでもGSX-1300R隼の方がフラッグシップの扱いだったので高級感がないのが欠点です。
他のマイナス点は、タコメーターはアナログなのですが、スピードメーターがデジタルなことと、ハーフカウルやネイキッドにはギアポジションインジケーターが付いていないことでしょう(Fには標準装備)。
そういった意味ではフルカウルのFこそが、一番おすすめのボディタイプといえます。しかし、ネイキッドらしさと高速走行に強いハーフカウルを合わせ持つ、Sこそが僕の好みです。
バンディット1250シリーズの強みは、CB1300を扱いきれないライダーや、モノサスの運動性の高さ、希少性や価格の安さなどがあります。現在でも充分、魅力的なバイクです。
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