2000年代、コールドプレイがやたらとクローズアップされていましたが、どうにも好きにはなれませんでした。根本的な好みの問題で、メロディ重視のバンドなら、SNOW PATROLの方が気に入っていました。
■21世紀のメロディメーカー
最初にこのバンドのことを知ったのは、メジャー移籍した後の2004年頃、サードアルバム”FINAL STRAW”をリリースしたツアーで、日本のフジロックに出演したライブをテレビで見たときです。
曲は、FINAL STRAWの7曲目”RUN”で、凄く印象に残るメロディで気になりました。さっそく、タワレコでチェックしてアルバムを購入し、スノウ・パトロールは、お気に入りのバンドになったのです。
スノウ・パトロールは、スコットランドの都市グラスゴーを中心に活動していたバンドです。オリジナルメンバーは、ボーカル・ギターのギャリー・ライトボディ、ベースのマーク・マクレランド、ドラムのジョニー・クインにギターのネイサン・コノリーです。
スノウ・パトロールのいいところは、メロディセンスとアルバムのバランスです。アップテンポの明るめの曲とメロディアスなシリアスな曲がうまく流れを作っていて、アルバム全体で聴かせてくれます。ファイナル・ストローは、いつの間にか聴きこんだアルバムとなっていました。
■傑作アルバムEYES OPEN
出典 https://www.amazon.co.jp/
2005年に、ベースのマーク・マクレランドが脱退し、新たなベーシストとしてポール・ウィルソンが加入しました。長年サポート・キーボーディストとして活動をともにしてきたトム・シンプソンが正式メンバーとなります。
2006年に新規メンバーを加えた5人編成となったスノウ・パトロールの4枚目のアルバム”EYES OPEN”が発表されます。このアルバムは、前のアルバム、ファイナル・ストローを超える傑作アルバムでした。
アイズ・オープンは、前作以上に練られたアルバムです。アップテンポの2曲目の”Hands Open”から、バラードの3曲目の”Chasing Cars”への流れは、何度も聴き直しました。
5曲目の”It’s Beginning to Get to Me”は明るめのポップナンバーです。スノウ・パトロールは、こういったナンバーでも持ち前のメロディセンスで実に聴かせてくれます。
7曲目の”Make This Go on Forever”は、切なく美しいバラード曲で、8曲目の”Set The Fire to The Third Bar”は、ニューヨークのシンガー・ソングライターであるマーサ・ウェインライトとのデュエット曲です。
9曲目の”Headlights on Dark Roads”で再びノリのいい曲に戻り、10曲目の”Open Your Eyes”は徐々に盛り上がってくる後半のハイライト曲です。そして、11曲目の”The Finish Line”で、美しくもメロディアスなアルバムは幕を閉じます。
フォースアルバム、アイズ・オープンは、2000年代のアルバムの中でも、1、2を争うほどの傑作アルバムでした。事実、シングルカットされたチェイシング・カーズでイギリス出身のバンドが、アメリカのトップ5以内(チャート5位)に13年振りに入るという快挙を成し遂げています(イギリスでは1位)。
実は、このアルバムEYES OPENは、Rock名盤解説でも紹介する予定でした。しかし、ロックが主流でない時代である21世紀以降のアルバムのため、今回は変則的な形で解説しました。
そして、5枚目のアルバム、”A HUNDRED MILLION SUNS”を2008年に発表します。しかし、アイズ・オープンほどの出来ではなく、イギリスでのチャートも2位に甘んじてしまいます。
6枚目のアルバム、”FALLEN EMPIRES”を2011年に発表しますが、以前ほどの存在感はなかったです。バンド自体が、2012年から活動を止めています。
スノウ・パトロールは、ロックバンドが徐々に下火になっていくときに彗星のようにあらわれたメロディメーカーであり、メジャー移籍後の傑作アルバム2枚を生み出した21世紀の優れたバンドだったのです。
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