今回は2022年の夏アニメレビューです。取り上げる作品は、前編で異世界薬局、Engage Kiss、キングダム 第4シリーズ、Cyberpunk Edgerunnersの4作品です。星は1〜5段階評価となります。
目次 この記事の内容
- 異世界薬局
- Engage Kiss
- キングダム 第4シリーズ
- Cyberpunk EDGERUNNERS
異世界薬局
今回、数ある異世界ものの中でも視聴を続けたのは、『異世界薬局』のみでした。この作品は、薬剤の知識のある薬学者が、異世界に転生して薬局を経営し、病気を治していき、現代日本の薬学を異世界に根付かせていくという物語です。
最初見た時は、ありきたりな異世界転生の話かと思ったのですが、病気を治療したり、異世界で薬局を経営したりする過程が丁寧に描かれていて、徐々に引き込まれるようになっていきました。星は3.5で結構楽しめられました。
元は小説家になろうに連載されていた、いわゆるなろうものの一作で、高山理図が原作です。アニメーション制作は、”BEATLESS”のディオメディア、監督は草川啓造(くさかわけいぞう)、シリーズ構成は俺ガイルシリーズの渡航(わたりわたる)です。
Engage Kiss
ある意味、今時のアニメだなと感じたのは、この“Engage Kiss”です。ヒモ男の主人公と、ヤンデレヒロイン、そして元カノの三角関係を中心に、悪魔退治をしていくという、アクションラブコメです。
A-1Picturesのオリジナルアニメという枠では、今期は他に『リコリス・リコイル』があり、どちらかといえばそちらに話題が集中したのは、主人公のクズ男、シュウに感情移入できなかったからではないでしょうか?
https://youtu.be/HTlscp0eM18
筆者が投稿したこの記事の動画バージョンです
悪魔であるキサラという少女(年齢は数百歳?)が、典型的なヤンデレという設定で、シュウの元カノのアヤノと終始、いがみあっています。ただ、シュウは後半からは、今の生き方を選んだ背景が描かれるので、そこからはヒーローに見えるようになってきます。
ただ、生来の女たらしでシャロンというシスターとも付き合っていた過去があり、なんでこのキャラがこんなにモテるのか分からないほどです。ただ、ヒロイン3人はそれぞれ魅力のあるキャラクターで、最終回への展開といい、作画といい星4が付けられる出来でした。
監督は田中哲也で、シリーズ構成は丸戸史明(まるとふみあき)です。ぶっちゃけ今期は、他にいい作品があったため目立ちませんでしたが、佳作にふさわしいアニメでした。
キングダム 第4シリーズ
春秋戦国時代の末期、秦による中華統一を描いた原泰久(はらやすひさ)原作の『キングダム』の第4シーズンです。アニメーション制作は、第1シーズンからぴえろが担当しており、第3シーズンからスタジオ サインポストと共同制作しています。監督は今泉賢一です。
合従軍との函谷関の戦いの後、秦は大王嬴政と相国呂不韋との間の対立が激化していました。そんな中、王弟成蟜とその妻、瑠衣が陰謀に巻き込まれようとしていました。
作画監督がなんとあのりんしんでした。りんしんといえば、90年代のエ○アニメでお馴染みのアニメーターで、熱狂的なファンも多い人です。コロナ禍の影響か、作画は安定していませんでしたが、大河としてのストーリーは重厚で、何より戦闘シーンが熱いです。星は3.5で、作画がもう少し良かったら4にしていたと思います。
りんしんの描く瑠衣を始めとする女性キャラクターは、今回のシーズンに彩りを添えていました。原作が長い作品なので、第5シーズンも楽しみにしています。
Cyberpunk EDGERUNNERS
今期というよりも、今年通じて一番面白かったアニメがこの、“CyberPunk EDGERUNNERS”です。NETFLIX独占配信のアニメで、元になっているのが、ゲームのCyberpunk 2077です。そして、ゲームの設定や世界観を元に、あのGRIDMANシリーズを手がけた日本のアニメスタジオTRIGGERが制作したのが本作です。
フランツ・フェルディナンドの名曲”This Fire”の異様にカッコいいOPにまず度肝を抜かれ、一気に全10話を見ました。9月からの配信で、夏アニメにするかどうか迷いましたが、視聴した時期が夏アニメのクール内なので、今回取り上げることにしました。
トリガーの作った神アニメという表現がされることが多いサイバーパンク エッジランナーズですが、誇張でもなんでもなく、1話における主人公デイビッドの境遇から始まり、強力なサイバーウェアのサンデヴィスタンのインストール、魅力的なヒロイン、ルーシーとの出会いを経てエッジランナー(傭兵)となります。
サイバーパンクの世界では、サイバーウェアによる人体強化や、電脳化の進んだ未来となっていて、デイビッドは徐々に強力な力によって精神を蝕まれ、抑制剤によって辛うじて正気を保つという状態になっていきます。
兄貴分のメインから引き継いだチームによって大きな仕事をするようになったデイビッドは、冷酷なフィクサー、ファラデーから大きな仕事を持ちかけられます。
監督は、『キルラキル』の今石洋之(いまいしひろゆき)で、シリーズ構成は宇佐義大(うさよしき)です。世界基準の作品として、洋楽を使ったオープニングとエンディングは素晴らしく、デイビッドの激しい生き様を勢いと哀愁を持って描き切っています。星は文句無しの星5で、世界基準で覇権作とも言える傑作アニメです。
後編に続く
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