スズキは、昔からとんがったバイクを作ることが多いメーカーで、レーサーレプリカのGSX-Rといえば、峠やサーキットで泣く子も黙る強烈なマシンでした。
■スズキの意欲作!GSX-R直系のストファイ!
GSX-R1000の2005年仕様(K5)のエンジンを最大出力178PSから、中低速トルクを太らせた最大出力148PSにストリート向けチューンを施し、最新のストリートファイターとして2015年にデビューしたのが、GSX-S1000です。
GSX-R1000(K5)のエンジンは、比較的ロングストロークで、SSの中でも扱いやすいといわれています。街乗りに適したセッティングのGSX-S1000は、更にフラットなエンジン特性になっています。
それでも148PSものパワーを制御するのは難しいので、GSX-S1000には3段階のトラクションコントロールが装備されています。スポーツライディングには、OFFもしくは1を、市街地などの少し荒れた路面には2を、雨天や冬の凍結した道路には3を左ハンドルのスイッチで切り替えるのです。
トルコンと、扱いやすい特性のエンジンにより、GSX-S1000は、オールラウンダーな性格のマシンとしてデビューしました。それでも、GSX-R直系の血筋は、スポーツライディングでも次元の違う走りを体感させてくれます。
■GSX-S1000とカウルバージョンGSX-S1000F
出典 http://www1.suzuki.co.jp/ GSX-S1000F
そして、GSX-S1000には、整流効果の高いカウルを装備した、GSX-S1000Fという派生モデルもあります。なんだか、仮面ライダーの新サイクロン号のカウルっぽい形状です。そういえば、新サイクロン号のベース車両が、スズキ ハスラーTS-250だったので、そういった縁もあります。
出典 http://78.media.tumblr.com/ 仮面ライダー 新1号と新サイクロン号
余談ではありますが、鈴鹿8耐でサイクロン号のレプリカマシンをよくみかけます。随分としゃれの解る人がやっているのだと思います。大人が真剣に遊ぶのは見ていて楽しいです。
そういえば、ホンダ AX-1で仮面ライダーBLACK RXのコスプレしているツーリングライダーもいましたね(笑)。AX-1は、青いのでアクロバッターのつもりのようです。
個人的には、このカウル形状はちょっと合わないのですが、カウルの形が気に入ったのなら、ツーリングマシンとしてGSX-S1000Fは素晴らしい相棒になると思います。
ポジションがSSより楽で、フラットなトルク、更にトルコンまで装備していて高速移動に便利なカウルまで付いています。難点は、ストファイベースのリアシートの小ささですが、サイドバッグなどで工夫すれば問題なくツーリングに使用できるでしょう。
■GSX-S1000のスペックとライバルについて
GSX-S1000 リア側
GSX-S1000は、998ccの水冷4気筒エンジン、倒立フロントフォークに3段階のトルコン、ラジアルマウントの4POTキャリパーのブレーキに、ABSもあります。そして、2017年のマイナーチェンジからは、スリッパークラッチまで搭載され、死角のないバイクとなりました。
※GSX-S1000(2017年仕様)スペック表
GSX-S1000 | |
最高出力 kW【PS】/rpm | 109【148】/10,000 |
最大トルク N・m【kgf・m】/rpm | 107【10.9】/9,500 |
車体サイズ mm | 2,115×795×1,080 |
車両重量 kg | 209 |
燃料タンク容量 L | 17 |
使用燃料 | ハイオク |
フレームの素材の関係で、GSX-S750の車重の方が212kgと1000の装備重量209kgよりも3kg重いです。排気量の大きいGSX-S1000の方が、軽いということは、鉄とアルミの差が大きいのでしょう。
大型のリッターバイクで、200kg台はかなり軽いと思います。400ccクラスの重量に148PSものパワーですので、使いきれないパワーといえるでしょう。
僕が買うなら、使いやすいパワーのGSX-S750ですが、リッターオーバーのGSX-S1000が113万円、GSX-S750が97万円と16万円しか差がありません。カウル付きのGSX-S1000Fは119万円ですので、かなり迷うと思います。
直接のライバルとしては、カワサキのZ1000や、Ninja 1000、ヤマハのMT-09、MT-10、ホンダのCB1000Rといったところでしょう。このクラスのリッター最新ストファイには、リッターSSからもたらされた最新テクノロジーによる、走りのいいモデルがひしめいています。
スズキのGSX-S1000は、その中でも113万円のリーズナブルな価格と、GSX-S1000直系の動力性能、扱いやすい特性など魅力的なマシンなのです。
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